◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*029:小さな秘密*武藤正*
高三、付き合ってます。
『正くーん』
「名前」
俺は部活帰り、名前は塾帰りで、地元の駅で待ち合わせて、束の間の逢瀬を楽しむ。
俺の彼女の存在は、バスケ部の奴らには秘密にしている。
…というか、特に突っ込まれて聞かれたことがないというのが、本当のところだ。
主将を務める牧からは、「告白たのだが…どう断ったらいいか?」という相談されることはしょっちゅうあるけれど、牧から俺に「彼女いるか?」なんて聞かれたことはない。
もしかしたら、俺に彼女が出来るなんて微塵も考えたことのないくらい、俺のことに興味ないのかもしれない…なんて考えると寂しくなるから辞めておく。
ともかく彼女のことは小さな秘密として、俺の心の中に秘めているんだ。
それに、バスケ部のイケメンたちを見て名前が心変わりしちまったら…なんて心配したりもしている。
現にバスケの試合を見に来たいという名前を、彼女いること秘密にしてるから…と何度も断ってしまっている。
『考え事?』
「んー、まぁ、そんなとこ」
『高三だし、正くんが海南の9番のユニフォーム着てるとこ、見たいな~もうすぐ決勝リーグでしょ?』
「まさにそのこと、悩んでんだって…」
『どうして?』
「名前のこと、秘密にしときたい気持ちと、みんなに紹介したい気持ちがあるってこと」
『ぜいたくな悩みだねぇ~』
嬉しそうに名前は言って、俺に腕を絡めてきた。
「そうか?」
『うんうん。それに、そんな風に私のこと大切に思ってくれてるのは嬉しい』
「大切に決まってんだろ。こう見えて、名前のこと、他のバスケ部員に取られちまったら…って心配するような器の小さい男だけどな…」
『ふふ、可愛い~』
名前は、つま先立ちになって、俺の天パをなでなでしてくる。
「可愛いのは名前の方だって」
つま先立ちでバランスの悪い名前のことをぎゅっと抱き止める。
住宅街に入って、街灯の少ない暗い道で俺たちは少し大胆に唇を重ねた。
やっぱりまだ、名前のことは秘密にしておくことにしよう。
そう心に決めた。
***
2022.6.10. 武藤さんの日、おめでとうございます!!
高三、付き合ってます。
『正くーん』
「名前」
俺は部活帰り、名前は塾帰りで、地元の駅で待ち合わせて、束の間の逢瀬を楽しむ。
俺の彼女の存在は、バスケ部の奴らには秘密にしている。
…というか、特に突っ込まれて聞かれたことがないというのが、本当のところだ。
主将を務める牧からは、「告白たのだが…どう断ったらいいか?」という相談されることはしょっちゅうあるけれど、牧から俺に「彼女いるか?」なんて聞かれたことはない。
もしかしたら、俺に彼女が出来るなんて微塵も考えたことのないくらい、俺のことに興味ないのかもしれない…なんて考えると寂しくなるから辞めておく。
ともかく彼女のことは小さな秘密として、俺の心の中に秘めているんだ。
それに、バスケ部のイケメンたちを見て名前が心変わりしちまったら…なんて心配したりもしている。
現にバスケの試合を見に来たいという名前を、彼女いること秘密にしてるから…と何度も断ってしまっている。
『考え事?』
「んー、まぁ、そんなとこ」
『高三だし、正くんが海南の9番のユニフォーム着てるとこ、見たいな~もうすぐ決勝リーグでしょ?』
「まさにそのこと、悩んでんだって…」
『どうして?』
「名前のこと、秘密にしときたい気持ちと、みんなに紹介したい気持ちがあるってこと」
『ぜいたくな悩みだねぇ~』
嬉しそうに名前は言って、俺に腕を絡めてきた。
「そうか?」
『うんうん。それに、そんな風に私のこと大切に思ってくれてるのは嬉しい』
「大切に決まってんだろ。こう見えて、名前のこと、他のバスケ部員に取られちまったら…って心配するような器の小さい男だけどな…」
『ふふ、可愛い~』
名前は、つま先立ちになって、俺の天パをなでなでしてくる。
「可愛いのは名前の方だって」
つま先立ちでバランスの悪い名前のことをぎゅっと抱き止める。
住宅街に入って、街灯の少ない暗い道で俺たちは少し大胆に唇を重ねた。
やっぱりまだ、名前のことは秘密にしておくことにしよう。
そう心に決めた。
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2022.6.10. 武藤さんの日、おめでとうございます!!