◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*025:銀の指輪*安西光義*
※浮気匂わせな感じになっているので、苦手な方はお気を付けください。
公式で素敵な奥様がいらっしゃるので、このお話ではくっつきません。
『本当はこんなものに囚われたくないのに…』
高校からの同級生の苗字は、婚約者からもらったという薬指に嵌めた指輪を見てため息を付いた。
「ただのマリッジブルーってやつだろう」
『ミツくんには分かんないんだよ。これさ、プラチナじゃなくて銀の指輪なの』
「問題あるのか?えらく洒落た指輪に見えるが…」
苗字の指に真新しく輝く指輪は、あまり見たことのないデザインだが、苗字にとてもよく似合っている。
『ダイヤのついたプラチナの指輪が欲しかった訳じゃないんだけど、ちょっと特別すぎて重いんだよね』
「女心はよく分からないな」
『そっちこそ、お見合いで素敵なお相手と話が進んでるって聞いたよ』
「まあな。俺にはもったいない女性だよ」
バーのカウンターに腰掛けて交わす会話は少し重たい。
苗字はカクテルを、俺はバーボンをロックでちびりちびりと舐めるように飲みながら、お互いに歯切れの悪い会話を続ける。
『結婚したら、二人きりで会うのは辞めようね…』
「そうだな…」
俺は、バーカウンターに置かれた苗字の左手にそっと自分の手を重ねた。
『ミツくん、ずるい…』
「ずるいよな…」
他の男からもらった指輪を指でそっと確認して、重ねた手を離した。
『お互い、幸せになろうね』
「ああ…」
『私とミツくん、結婚したら上手くいかないよね?』
「それは俺も分かってる」
お互いにグラスに残った酒を飲み干す。
「じゃあ、またな…」
『またはないと思う。さようならだよ』
先に立ち上がったのは、苗字の方。
バッグを持って、手を振って出口へと向かった。
最後に一度だけ手を振るように挙げた左手の指輪がきらりと光った。
「さようなら」
俺はそうつぶやいて、苗字の姿を見送った。
ーーお互いの幸せのために。
***
2022.4.21.
全日本の頃の安西先生はもっとギラギラしてただろう妄想です。
※浮気匂わせな感じになっているので、苦手な方はお気を付けください。
公式で素敵な奥様がいらっしゃるので、このお話ではくっつきません。
『本当はこんなものに囚われたくないのに…』
高校からの同級生の苗字は、婚約者からもらったという薬指に嵌めた指輪を見てため息を付いた。
「ただのマリッジブルーってやつだろう」
『ミツくんには分かんないんだよ。これさ、プラチナじゃなくて銀の指輪なの』
「問題あるのか?えらく洒落た指輪に見えるが…」
苗字の指に真新しく輝く指輪は、あまり見たことのないデザインだが、苗字にとてもよく似合っている。
『ダイヤのついたプラチナの指輪が欲しかった訳じゃないんだけど、ちょっと特別すぎて重いんだよね』
「女心はよく分からないな」
『そっちこそ、お見合いで素敵なお相手と話が進んでるって聞いたよ』
「まあな。俺にはもったいない女性だよ」
バーのカウンターに腰掛けて交わす会話は少し重たい。
苗字はカクテルを、俺はバーボンをロックでちびりちびりと舐めるように飲みながら、お互いに歯切れの悪い会話を続ける。
『結婚したら、二人きりで会うのは辞めようね…』
「そうだな…」
俺は、バーカウンターに置かれた苗字の左手にそっと自分の手を重ねた。
『ミツくん、ずるい…』
「ずるいよな…」
他の男からもらった指輪を指でそっと確認して、重ねた手を離した。
『お互い、幸せになろうね』
「ああ…」
『私とミツくん、結婚したら上手くいかないよね?』
「それは俺も分かってる」
お互いにグラスに残った酒を飲み干す。
「じゃあ、またな…」
『またはないと思う。さようならだよ』
先に立ち上がったのは、苗字の方。
バッグを持って、手を振って出口へと向かった。
最後に一度だけ手を振るように挙げた左手の指輪がきらりと光った。
「さようなら」
俺はそうつぶやいて、苗字の姿を見送った。
ーーお互いの幸せのために。
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2022.4.21.
全日本の頃の安西先生はもっとギラギラしてただろう妄想です。