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*018:坂道*赤木剛憲*
一目惚れするヒロインちゃん。


もくもくと坂道を駆け上がっては下りていく大柄の男性。

いつも一人でこの坂を何往復もしている。

休日に飼い犬の散歩の度にすれ違っているけれど、声をかける勇気はない。

すごく年上かと思っていたけれど、二個上の湘北高校の三年生だと知ったのはつい最近のこと。

同じクラスの赤木晴子ちゃんの2個上のお兄さんなのだと知って、めちゃくちゃ驚いた。

もちろん向こうは私のことを知るはずもないから、私が一方的にクラスも顔もバスケ部キャプテンであることも知っているだけだ。

そして、すごくストイックでカッコいいって憧れの気持ちをもっているのも私一人の秘密。

バスケ部の練習見に行ってみようかな?って思っているけれど、一人で行くにはハードルが高いと思っているとチャンスは意外とすぐに訪れた。

晴子ちゃんが誘ってくれたのだ。

『見に行ってみたいと思てたから嬉しい!』

「バスケ部の見学、流川くん目当ての子が多いんだけど、名前ちゃんも…かな?」

『ち、違うよ…えっと……晴子ちゃんのお兄さんのダンク見てみたいって思ってて!』

「お兄ちゃん!?」

『変…かな?』

「嬉しい!お兄ちゃんのファンだったなら、もっと早く言ってよね!」

晴子ちゃんは私の両手をつかんでぶんぶんと嬉しそうに振ってくれる。

これで、後戻りはできないとドキドキした気持ちのまま放課後を迎えた。

晴子ちゃんは本当にお兄さんのことを慕っているようで、いかにすごい努力をしているか、今年は流川くんも加入して全国へ行けるかもしれないことを語ってくれて、私はますます興味が出てくる。

そして、放課後の練習。

確かにただの練習にしては観客が多いけれど、お目当ては確かに流川くんの子が多いみたいだ。

赤木先輩はリーダーシップもあって、試合形式の練習の中でダンクも見ることが出来た。

「ゴリラダーンク!」

という部員の声が若干気になるけれど、本当にかっこいい。

『晴子ちゃんのお兄さん、すごいね!』

「でしょ!!??あ、休憩だ。お兄ちゃーん!」

晴子ちゃんが急に呼んだので、私は心の準備をする間もなく赤木先輩に対峙することになってしまう。

「どうしたんだ?君は……どこかで会ったことあるような?」

「そうなの?名前ちゃん?」

『えっと……実は、犬の散歩中に急な坂道のところで、よく先輩がダッシュのトレーニングしているところを見ていて…』

「そうか!あの坂道は週末しか行かないが、犬を連れている!練習まで見に来てくれてありがとう」

しっかりと目を見て話してくれる赤木先輩のこと、ますます好きになってしまいそうだ。

名前ちゃんは、お兄ちゃんのファンなんだって!」

『は、晴子ちゃん!』

慌てて止めようとしたけれどもう遅い。

「ふぁ、ファン?よく分からないが、ありがとうでいいのか?…もう練習始まるから、応援してもらえたら嬉しい」

手を差し出してくれたので、赤木先輩と握手までしてしまった。

その後の練習はどこかぽーっとした眺めていたけれど、赤木先輩をずっと応援していこうと心に決めたのだった。

***
2022.5.10.
Happy Birthday to Akagi-san!!
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