◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*016:日記*深津一成*
『何書いてるの?』
前の席の深津くんが一生懸命何か書いているのが気になって、トントンと肩を叩いて聞いてみる。
「日記だピョン」
『ふふふ…大分ピョンも板についてきたね!深津くんの日記、気になる!』
「日記は人に見せるものじゃないピョン」
『あー、そのセリフ昔何かの本で読んだ』
「はれときどきぶた…ピョン」
『そうそう、お父さんが鉛筆食べちゃうやつ!』
「腹壊して消ゴムも食べるピョン」
『懐かしいな~で、ちょっとで良いから見せてよ!』
「現実になったら困るピョン…」
『未来の日記なの?』
「そ、そう言うわけじゃ…」
『誰にも言わないからさ…』
席を立って深津くんの隣に屈む。
チラッと覗けば、几帳面な字がびっしり書かれている。
『バスケのこと書いてあっても私は分からないし大丈夫だって!』
「嫌だピョン!」
バスケのことを書いているんだろうとばかり思っていたけれど、深津くんがここまで拒否するのは悪口だったり本当に誰かに見られたら困るものなのかもしれないと思い、諦めることにする。
「深津!まさかおめぇ、苗字さんとくっついたのか!?」
いきなり現れた河田くんのそのセリフに私はビックリしてしまう。
『くっつく?』
「河田……」
普段冷静な深津くんがものすごい形相で河田くんを睨んでいる。
「げっ…その日記も見せたんじゃねぇのかよ……」
『ちょっと全然分かんないんだけど…』
「えっとだな…深津、すまない!!」
河田くんはあっという間に去っていってしまった。
教室には好奇の目に晒されている私たち二人。
深津くんはコホンっとわざとらしく咳をして、日記を閉じて小脇に抱えた。
「話があるピョン」
そう言って、教室を出ていく深津くんの後を追いかけるようにして私はついていく。
バスケ部の部室で二人きり、深津くんの日記には私のことが書いてあって、実は私のことが好きなのだと告白されたこの日のことは一生忘れないだろう。
日記に書いたことは、叶うものなのだと実感した彼の日記への情熱もここから始まったのだから――
***
2022.4.25.
『何書いてるの?』
前の席の深津くんが一生懸命何か書いているのが気になって、トントンと肩を叩いて聞いてみる。
「日記だピョン」
『ふふふ…大分ピョンも板についてきたね!深津くんの日記、気になる!』
「日記は人に見せるものじゃないピョン」
『あー、そのセリフ昔何かの本で読んだ』
「はれときどきぶた…ピョン」
『そうそう、お父さんが鉛筆食べちゃうやつ!』
「腹壊して消ゴムも食べるピョン」
『懐かしいな~で、ちょっとで良いから見せてよ!』
「現実になったら困るピョン…」
『未来の日記なの?』
「そ、そう言うわけじゃ…」
『誰にも言わないからさ…』
席を立って深津くんの隣に屈む。
チラッと覗けば、几帳面な字がびっしり書かれている。
『バスケのこと書いてあっても私は分からないし大丈夫だって!』
「嫌だピョン!」
バスケのことを書いているんだろうとばかり思っていたけれど、深津くんがここまで拒否するのは悪口だったり本当に誰かに見られたら困るものなのかもしれないと思い、諦めることにする。
「深津!まさかおめぇ、苗字さんとくっついたのか!?」
いきなり現れた河田くんのそのセリフに私はビックリしてしまう。
『くっつく?』
「河田……」
普段冷静な深津くんがものすごい形相で河田くんを睨んでいる。
「げっ…その日記も見せたんじゃねぇのかよ……」
『ちょっと全然分かんないんだけど…』
「えっとだな…深津、すまない!!」
河田くんはあっという間に去っていってしまった。
教室には好奇の目に晒されている私たち二人。
深津くんはコホンっとわざとらしく咳をして、日記を閉じて小脇に抱えた。
「話があるピョン」
そう言って、教室を出ていく深津くんの後を追いかけるようにして私はついていく。
バスケ部の部室で二人きり、深津くんの日記には私のことが書いてあって、実は私のことが好きなのだと告白されたこの日のことは一生忘れないだろう。
日記に書いたことは、叶うものなのだと実感した彼の日記への情熱もここから始まったのだから――
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2022.4.25.