◆◇◆シンプル・100のお題◆◇◆
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*010:靴音*越野宏明*
社パロ、越野くんの片思い。
カツカツカツカツ…
このヒールの音ですぐに分かる。
この部署唯一の女性、苗字さんだ。
そして、その音が俺の後ろで止まったということは…
『越野さん』
そう、俺に用事があるということだ。
「はい!」
真面目に返事したつもりだけれど、変に嬉しそうな声色になっていなかっただろうか?
ちょっと心配になりながら、立ち上がって苗字さんと向き合った。
『いや、体した用事じゃないので、座ったままで大丈夫です』
苦笑いで言われてしまったから、ちょっと失敗だ。
「あ、ありがとうございます」
おい、ここでお礼を言うのは変だろう…と思っても、もう言ってしまったのだから仕方がない。
変な汗をかきながら座ったせいで、椅子のキャスターが変に動いて転びそうになってしまう。
「うおっ!」
何とか転げ落ちずにとどまると、
『大丈夫ですか?慌てなくていいので……』
「すいません」
これじゃあまるでポンコツだ。
『今度の送迎会の返事、越野さんだけ伺ってなかったので聞きに来ただけなのに、なんだかすいません…』
申し訳なさそうに言われて、自分のポンコツぶりにさらに恥ずかしくなる。
送迎会の案内のメールの差出人が苗字さんなのに浮かれて、行く以外の選択肢は頭に無かったから、出席の返事をしたとばかり思っていたのだ。
「もちろん、行きます!苗字さん、幹事で大変なことあったら手伝いますから言ってくださいね!」
『よかった。ありがとうございます。お手伝いは大丈夫なので、当日、忘れないでくださいね』
「はい!!」
元気よく返事をして、カレンダーに即赤字で予定を入れる。
なんか俺、カッコ悪いかも…
カツカツカツ…とヒールの音が遠ざかっていくのが何だかむなしい。
苗字さんに良いところを見せられなかったと肩を落としながら、残りの仕事に打ち込んだのだった。
***
2022.5.9.
社パロ、越野くんの片思い。
カツカツカツカツ…
このヒールの音ですぐに分かる。
この部署唯一の女性、苗字さんだ。
そして、その音が俺の後ろで止まったということは…
『越野さん』
そう、俺に用事があるということだ。
「はい!」
真面目に返事したつもりだけれど、変に嬉しそうな声色になっていなかっただろうか?
ちょっと心配になりながら、立ち上がって苗字さんと向き合った。
『いや、体した用事じゃないので、座ったままで大丈夫です』
苦笑いで言われてしまったから、ちょっと失敗だ。
「あ、ありがとうございます」
おい、ここでお礼を言うのは変だろう…と思っても、もう言ってしまったのだから仕方がない。
変な汗をかきながら座ったせいで、椅子のキャスターが変に動いて転びそうになってしまう。
「うおっ!」
何とか転げ落ちずにとどまると、
『大丈夫ですか?慌てなくていいので……』
「すいません」
これじゃあまるでポンコツだ。
『今度の送迎会の返事、越野さんだけ伺ってなかったので聞きに来ただけなのに、なんだかすいません…』
申し訳なさそうに言われて、自分のポンコツぶりにさらに恥ずかしくなる。
送迎会の案内のメールの差出人が苗字さんなのに浮かれて、行く以外の選択肢は頭に無かったから、出席の返事をしたとばかり思っていたのだ。
「もちろん、行きます!苗字さん、幹事で大変なことあったら手伝いますから言ってくださいね!」
『よかった。ありがとうございます。お手伝いは大丈夫なので、当日、忘れないでくださいね』
「はい!!」
元気よく返事をして、カレンダーに即赤字で予定を入れる。
なんか俺、カッコ悪いかも…
カツカツカツ…とヒールの音が遠ざかっていくのが何だかむなしい。
苗字さんに良いところを見せられなかったと肩を落としながら、残りの仕事に打ち込んだのだった。
***
2022.5.9.