サイダー【南烈】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『なぁ、烈。サイダー飲まへん?』
「……おう…」
『聞いてる?サイダーやで』
「なに?」
『サイダー飲むって聞いてるんやけど!』
「あぁ…いらん」
『はぁ~』
私は、大きくため息をついた。
IH一回戦敗退で帰ってきてからの烈は、どこか上の空だ。
今日は早く終わった部活帰りに烈と待ち合わせて、いつもの河原に来た。
普段からポーカーフェイスなのに、さらに、気難しい顔をして座っている。
笑かしてやろ。
良いことを思い付いた私は、鞄からお菓子のラムネを取り出した。
そして、姪っ子から教えて歌を歌い始めた。
『ひっとつ、ふったつ、みつやさいだー♪』
列はいきなり歌い始めた私をポカンと見ている。
『ぼぼん、ぼんぼん。あんまりつめたくしないで~あんまりつめたくしないで~♪』
サイダーのキャップを開けて、さらにつづけた。
『ひっとつ、ふったつ、みつやさいだー』
そして、ラムネを3粒くらいサイダーに入れる。
『しゅーーーわぁ!』
サイダーが吹きあがる。
「うわっ!実花、何やってんねん」
『ふふふっ。びっくりしたやろ?』
私は、噴きこぼれたサイダーをタオルで拭いて、列に渡した。
『これ飲んで、しゅわっと元気出してや!』
「…おう、ありがとうな」
突然の出来事に、サイダーを飲んだ烈の表情が少し緩んだ。
『もっかい、歌ったろか?…あんまりつめたくしないで~♪あんまりつめた…』
「あかん!頭から離れんくなる!」
そう言って、今度は本当に笑った。
『やっと笑った。烈が笑ってくれるんなら、やっぱりもっかい最初から歌うわ』
「…いや、もっとええもんもらうわ」
そう言って、烈は私にキスをした。
サイダーをのんだ烈の唇は少し冷たかった。
二人で顔を見合わせて笑い、もう一度…
「南、何いちゃついとんねん!」
ぱっと振り向くと、烈の幼馴染の岸本君が立っていた。
「全く、実花ちゃんもこんな無愛想なカリメロと付き合わんでも…って何してんねん!」
烈は、飲み残したサイダーのペットボトルを思いっきり振って、蓋を開けた。
ぷしゅっと噴き出したサイダーが岸本君の服を濡らした。
「邪魔した仕返しや」
「こんなところでイチャイチャしとる自分らが悪いんやろ!」
「おまえにサイダーの呪いをかけてやる。実花、さっきの歌、岸本にも歌ってやれ」
『ええけど…岸本君、覚悟はええ?』
「実花ちゃん、やめてくれ!」
三人でしょうもないことで喧嘩して、笑いあった。
いつも通りの烈の様子に私はほっとした。
「せや、南、オレら、国体選ばれたで!」
「……また、バスケ出来るんか?」
「何寝ぼけたこと言っとるんや?当たり前やろ?」
『烈、おめでとう!まだまだバスケ、続けてや!』
「おう!」
烈は、見たこともないような満面の笑みで答えた。
しゅわっとはじけるサイダーのような笑顔に、私は見惚れた。
***
こぼれ話→サイダー【南烈】
「……おう…」
『聞いてる?サイダーやで』
「なに?」
『サイダー飲むって聞いてるんやけど!』
「あぁ…いらん」
『はぁ~』
私は、大きくため息をついた。
IH一回戦敗退で帰ってきてからの烈は、どこか上の空だ。
今日は早く終わった部活帰りに烈と待ち合わせて、いつもの河原に来た。
普段からポーカーフェイスなのに、さらに、気難しい顔をして座っている。
笑かしてやろ。
良いことを思い付いた私は、鞄からお菓子のラムネを取り出した。
そして、姪っ子から教えて歌を歌い始めた。
『ひっとつ、ふったつ、みつやさいだー♪』
列はいきなり歌い始めた私をポカンと見ている。
『ぼぼん、ぼんぼん。あんまりつめたくしないで~あんまりつめたくしないで~♪』
サイダーのキャップを開けて、さらにつづけた。
『ひっとつ、ふったつ、みつやさいだー』
そして、ラムネを3粒くらいサイダーに入れる。
『しゅーーーわぁ!』
サイダーが吹きあがる。
「うわっ!実花、何やってんねん」
『ふふふっ。びっくりしたやろ?』
私は、噴きこぼれたサイダーをタオルで拭いて、列に渡した。
『これ飲んで、しゅわっと元気出してや!』
「…おう、ありがとうな」
突然の出来事に、サイダーを飲んだ烈の表情が少し緩んだ。
『もっかい、歌ったろか?…あんまりつめたくしないで~♪あんまりつめた…』
「あかん!頭から離れんくなる!」
そう言って、今度は本当に笑った。
『やっと笑った。烈が笑ってくれるんなら、やっぱりもっかい最初から歌うわ』
「…いや、もっとええもんもらうわ」
そう言って、烈は私にキスをした。
サイダーをのんだ烈の唇は少し冷たかった。
二人で顔を見合わせて笑い、もう一度…
「南、何いちゃついとんねん!」
ぱっと振り向くと、烈の幼馴染の岸本君が立っていた。
「全く、実花ちゃんもこんな無愛想なカリメロと付き合わんでも…って何してんねん!」
烈は、飲み残したサイダーのペットボトルを思いっきり振って、蓋を開けた。
ぷしゅっと噴き出したサイダーが岸本君の服を濡らした。
「邪魔した仕返しや」
「こんなところでイチャイチャしとる自分らが悪いんやろ!」
「おまえにサイダーの呪いをかけてやる。実花、さっきの歌、岸本にも歌ってやれ」
『ええけど…岸本君、覚悟はええ?』
「実花ちゃん、やめてくれ!」
三人でしょうもないことで喧嘩して、笑いあった。
いつも通りの烈の様子に私はほっとした。
「せや、南、オレら、国体選ばれたで!」
「……また、バスケ出来るんか?」
「何寝ぼけたこと言っとるんや?当たり前やろ?」
『烈、おめでとう!まだまだバスケ、続けてや!』
「おう!」
烈は、見たこともないような満面の笑みで答えた。
しゅわっとはじけるサイダーのような笑顔に、私は見惚れた。
***
こぼれ話→サイダー【南烈】
1/1ページ