Heartful First Year【藤真健司】
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大学の夏休みは長い。
高校までと違って9月末までの夏休みだから、私はアルバイトでお金を貯めて、一人暮らしを始めようと計画している。
自宅から大学へ通えなくはないけれど、片道1時間以上かかる距離で不便していたからだ。
それに、一人暮らしすれば、健司くんとももっとゆっくり会えるようになるしね。
むしろ、通学が不便よりもこっちの方が主な理由だけど、さすがに親には内緒だ。
敷金、礼金、引っ越し費用は自分で出すようにと言われていたからアルバイトと今まで貯めたお年玉なんかで、何とかなりそうだ。
両親と一緒に物件を探して、駅からは遠いけれど、セキュリティがしっかりしているマンションに決めた。
そして、先週、引っ越しが終わり、今日は初めて健司くんが遊びに来てくれている。
遊びに来る日を決めた後、「泊まっても…いいのか?」遠慮がちに聞いてきた健司くんの声を思い出して恥ずかしくなる。
キスは何度もしているし、その次に進むことを健司くんは望んでいるのかな…って考えると、実はすこし怖くて私からは聞けないでいた。
夕食を終えて、二人でテレビドラマを見ている。
救急救命医の男女が当直で、何となくいい雰囲気になっているシーンとなり、恥ずかしくなってしまって、体操座りに体勢を変えて藤真くんに話しかける。
『健司くん、お医者さんの手術着とか白衣とかも似合いそうだね…』
「そうか?そういえば、白衣、着た事ないな…俺たちが医者になってこんな風に朝まで二人きりで当直とか夢があるよな~」
『そ、それは…仕事どころじゃなくなりそうだよぉ…』
「ははっ!確かに…あ…」
テレビでは、その二人のキスシーンが流れる。
『……』
私はそのシーンから目をそらして体操座りした膝に顔を埋め、何もい言えなくなってしまう。
ドラマでは、救急車の音が響いてすぐに緊急の手術シーンになっているみたいだけれどしばらく見れそうにない。
「どうした…?」
健司くんは私の毛先少しつまむようにして遠慮がちに触れた。
『ごめん…一人緊張してる…』
「なんで?」
『キスの先のことが怖くて…』
「あのさ…俺だって怖い。初めてだし、嫌われたくねぇし…」
『えっ…?』
私は思わず顔をあげた。
「そういう経験ねぇから…」
『私と初めて…?』
「ああ…」
健司くんは耳まで真っ赤にしてふいっと横を向いた。
ドラマはエンディング曲が流れているけれど全く聞いてはいないし、今日の内容なんて全く頭に入っていない。
藤真くんも私とハジメテ…もちろん嬉しいことこの上ないし、私のこと大切にしてくれるんだってジーンとしてしまう。
「だから、ゆっくりでいいだろ?もちろん俺も男だから、そういう気持ちはあるけど、今は咲と一緒にいられるだけでいいから…」
『健司くん…ぐすっ……』
「な、泣くなよ…」
『ごめ…ひっく…うぇ…うぅん…』
健司くんの優しさに中々涙は止まらない。
よしよしと泣き止むまで優しく髪を撫でてくれた。
その後、別々のお布団を準備して、手だけぎゅって繋いで寝ようとしたけれど、二人とも中々寝付けなかったのだった。
***
お題箱より
「ヒロイン・藤真、共に救命医になって二人で当直(泊り込み勤務)。by.madoka」
と頂きましたが、ちょっと違ったかたちでネタ拝借させていただきました!
いつもありがとうございます。
高校までと違って9月末までの夏休みだから、私はアルバイトでお金を貯めて、一人暮らしを始めようと計画している。
自宅から大学へ通えなくはないけれど、片道1時間以上かかる距離で不便していたからだ。
それに、一人暮らしすれば、健司くんとももっとゆっくり会えるようになるしね。
むしろ、通学が不便よりもこっちの方が主な理由だけど、さすがに親には内緒だ。
敷金、礼金、引っ越し費用は自分で出すようにと言われていたからアルバイトと今まで貯めたお年玉なんかで、何とかなりそうだ。
両親と一緒に物件を探して、駅からは遠いけれど、セキュリティがしっかりしているマンションに決めた。
そして、先週、引っ越しが終わり、今日は初めて健司くんが遊びに来てくれている。
遊びに来る日を決めた後、「泊まっても…いいのか?」遠慮がちに聞いてきた健司くんの声を思い出して恥ずかしくなる。
キスは何度もしているし、その次に進むことを健司くんは望んでいるのかな…って考えると、実はすこし怖くて私からは聞けないでいた。
夕食を終えて、二人でテレビドラマを見ている。
救急救命医の男女が当直で、何となくいい雰囲気になっているシーンとなり、恥ずかしくなってしまって、体操座りに体勢を変えて藤真くんに話しかける。
『健司くん、お医者さんの手術着とか白衣とかも似合いそうだね…』
「そうか?そういえば、白衣、着た事ないな…俺たちが医者になってこんな風に朝まで二人きりで当直とか夢があるよな~」
『そ、それは…仕事どころじゃなくなりそうだよぉ…』
「ははっ!確かに…あ…」
テレビでは、その二人のキスシーンが流れる。
『……』
私はそのシーンから目をそらして体操座りした膝に顔を埋め、何もい言えなくなってしまう。
ドラマでは、救急車の音が響いてすぐに緊急の手術シーンになっているみたいだけれどしばらく見れそうにない。
「どうした…?」
健司くんは私の毛先少しつまむようにして遠慮がちに触れた。
『ごめん…一人緊張してる…』
「なんで?」
『キスの先のことが怖くて…』
「あのさ…俺だって怖い。初めてだし、嫌われたくねぇし…」
『えっ…?』
私は思わず顔をあげた。
「そういう経験ねぇから…」
『私と初めて…?』
「ああ…」
健司くんは耳まで真っ赤にしてふいっと横を向いた。
ドラマはエンディング曲が流れているけれど全く聞いてはいないし、今日の内容なんて全く頭に入っていない。
藤真くんも私とハジメテ…もちろん嬉しいことこの上ないし、私のこと大切にしてくれるんだってジーンとしてしまう。
「だから、ゆっくりでいいだろ?もちろん俺も男だから、そういう気持ちはあるけど、今は咲と一緒にいられるだけでいいから…」
『健司くん…ぐすっ……』
「な、泣くなよ…」
『ごめ…ひっく…うぇ…うぅん…』
健司くんの優しさに中々涙は止まらない。
よしよしと泣き止むまで優しく髪を撫でてくれた。
その後、別々のお布団を準備して、手だけぎゅって繋いで寝ようとしたけれど、二人とも中々寝付けなかったのだった。
***
お題箱より
「ヒロイン・藤真、共に救命医になって二人で当直(泊り込み勤務)。by.madoka」
と頂きましたが、ちょっと違ったかたちでネタ拝借させていただきました!
いつもありがとうございます。