Heartful First Year【藤真健司】
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今日は、俺が大学バスケ公式戦でスタメンデビューする日。
大学のバスケは、高校の時とは全然違う。
バスケの練習以外にもトレーニングや食事、補食までも細かく考えられていて、最初は戸惑うことも多かったが少しずつ慣れてきた。
高3の時とは違って尊敬できる監督もいるし、高校の時とは比べもんになんねぇくらい設備も整っていて一段レベルの高いバスケの練習が出来るのが本当にありがたい。
大学の授業も咲と一緒の教養の講義を取ったりして、公私ともにめちゃくちゃ充実している。
そして、数試合だけれど一軍に上がってベンチ入り出来るようになり、今日、初めてスタメン起用してもらえることとなった。
もちろん咲も応援に来てくれて、俺はめちゃくちゃ張り切って試合に臨んだ。
けれど、初めての大学バスケでの試合は、俺の気合が空回りしたのか先輩たちとの連携もさっぱり上手くいかず、開始5分で交代を告げられ、その後試合に出ることは出来なかった。
おまけに俺のチームは負けてしまって、悔しいことこの上ない。
せっかく応援に来てくれた咲に、カッコ悪いとこ見せちまって俺はただ肩を落とすしかなかった。
試合が始まる前は、咲の姿を何度も確認して嬉しそうな顔を見たけれど、終わった後は俺の情けない姿を見せてしまったことに気落ちして、目を合わせることも出来なかった。
試合後の反省会が終わり、監督に「しっかり切り替えて、次につなげるんだ」って言われたけれど、ほろ苦いデビュー戦となってしまったことですぐには気持ちを切り替えられそうにない。
試合後の打ち上げが終わっても気分は晴れることなく、沈んだ気持ちのまま寮へと帰った。
荷物を放り投げて、バタンとベッドに横になる。
咲の声が聴きたいと携帯を取り出すけれど、情けない俺の声なんか聴きかせたくないとにぎりしめたまま暗闇で天井を見上げていると、携帯が震えた。
ディスプレイには咲の名前。
数秒迷って、通話ボタンを押す。
「もしもし…」
『もしもし、健司くん、お疲れ様』
聞きたかった咲の声にすっげー安心している俺がいる。
けれど、やっぱりもやもやした悔しい気持ちは晴れなくて、
「カッコ悪いとこ見せちまって…ごめんな…」
謝罪の言葉を口にした。
『少ししか試合出てないかもしれないけどカッコよかったよ!健司くんは私の愛しい彼氏様なんだから、自信もって!』
明るい咲の声に、苦笑いしてしまう。
「彼氏様って何だよ!」
『私の大好きな藤真健司くんのことです…って照れるよぉ…』
恥ずかしそうな声が聞こえて、うじうじしてなんかいられないと一気に元気が出てくる。
俺って単純だな…
監督にも先輩にも次があるって言われても中々切り替えられなかったのに、咲の言葉でこんなにも気分が晴れるなんてな。
声を聞くだけじゃなくて、すぐにでも会ってぎゅっと抱きしめたくなってしまう。
「会いたくなった…」
『うん。健司くんの声聞いたら私も会いたくなった』
同じ気持ちでいてくれることがめちゃくちゃ嬉しい。
『あのね…来月くらいに一人暮らし始めようと思うんだ』
「まじか!」
『元気になってくれてよかったぁ…引っ越したら遊びに来てね!』
「ぜってー行く!…ありがとな」
俺はすっかり終わった試合のことなんかどうでもよくなってきて、改めて咲がいてくれて良かったと思うのだった。
***
2021.2.21.
お題ガチャより
「かっこ悪いところを見せてしまって落ち込む健司と、かっこ悪いところも含めて愛しくてたまらない咲」
Thanks for Kisaragi-sama
大学のバスケは、高校の時とは全然違う。
バスケの練習以外にもトレーニングや食事、補食までも細かく考えられていて、最初は戸惑うことも多かったが少しずつ慣れてきた。
高3の時とは違って尊敬できる監督もいるし、高校の時とは比べもんになんねぇくらい設備も整っていて一段レベルの高いバスケの練習が出来るのが本当にありがたい。
大学の授業も咲と一緒の教養の講義を取ったりして、公私ともにめちゃくちゃ充実している。
そして、数試合だけれど一軍に上がってベンチ入り出来るようになり、今日、初めてスタメン起用してもらえることとなった。
もちろん咲も応援に来てくれて、俺はめちゃくちゃ張り切って試合に臨んだ。
けれど、初めての大学バスケでの試合は、俺の気合が空回りしたのか先輩たちとの連携もさっぱり上手くいかず、開始5分で交代を告げられ、その後試合に出ることは出来なかった。
おまけに俺のチームは負けてしまって、悔しいことこの上ない。
せっかく応援に来てくれた咲に、カッコ悪いとこ見せちまって俺はただ肩を落とすしかなかった。
試合が始まる前は、咲の姿を何度も確認して嬉しそうな顔を見たけれど、終わった後は俺の情けない姿を見せてしまったことに気落ちして、目を合わせることも出来なかった。
試合後の反省会が終わり、監督に「しっかり切り替えて、次につなげるんだ」って言われたけれど、ほろ苦いデビュー戦となってしまったことですぐには気持ちを切り替えられそうにない。
試合後の打ち上げが終わっても気分は晴れることなく、沈んだ気持ちのまま寮へと帰った。
荷物を放り投げて、バタンとベッドに横になる。
咲の声が聴きたいと携帯を取り出すけれど、情けない俺の声なんか聴きかせたくないとにぎりしめたまま暗闇で天井を見上げていると、携帯が震えた。
ディスプレイには咲の名前。
数秒迷って、通話ボタンを押す。
「もしもし…」
『もしもし、健司くん、お疲れ様』
聞きたかった咲の声にすっげー安心している俺がいる。
けれど、やっぱりもやもやした悔しい気持ちは晴れなくて、
「カッコ悪いとこ見せちまって…ごめんな…」
謝罪の言葉を口にした。
『少ししか試合出てないかもしれないけどカッコよかったよ!健司くんは私の愛しい彼氏様なんだから、自信もって!』
明るい咲の声に、苦笑いしてしまう。
「彼氏様って何だよ!」
『私の大好きな藤真健司くんのことです…って照れるよぉ…』
恥ずかしそうな声が聞こえて、うじうじしてなんかいられないと一気に元気が出てくる。
俺って単純だな…
監督にも先輩にも次があるって言われても中々切り替えられなかったのに、咲の言葉でこんなにも気分が晴れるなんてな。
声を聞くだけじゃなくて、すぐにでも会ってぎゅっと抱きしめたくなってしまう。
「会いたくなった…」
『うん。健司くんの声聞いたら私も会いたくなった』
同じ気持ちでいてくれることがめちゃくちゃ嬉しい。
『あのね…来月くらいに一人暮らし始めようと思うんだ』
「まじか!」
『元気になってくれてよかったぁ…引っ越したら遊びに来てね!』
「ぜってー行く!…ありがとな」
俺はすっかり終わった試合のことなんかどうでもよくなってきて、改めて咲がいてくれて良かったと思うのだった。
***
2021.2.21.
お題ガチャより
「かっこ悪いところを見せてしまって落ち込む健司と、かっこ悪いところも含めて愛しくてたまらない咲」
Thanks for Kisaragi-sama