Heartful First Year【藤真健司】
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「なぁ、咲…いいだろ?」
『だから、女子会だからダメ!』
私が大学の女友達とスイーツビュッフェに行くと言ったら、俺も着いていきたいと子どもみたいに駄々をこねているのは彼氏の健司くん。
黙っていれば、カッコいいのに…なんて、まだ知り合って日の浅い私の友達たちが口をそろえて言うくらいに健司くんはどうもちょっと子供っぽいところがある。
そして、甘いものが好きなのは知っているけれど、さすがに女子の集まりに私だけ彼氏を連れて行くなんていう恥ずかしいことはしたくない。
私のことを気にかけてくれているのは嬉しいし、それが健司くんの愛情表現だって分かってはいて、もやっぱり今日はだめだ。
「咲の服を着て、咲の女友達ってことにしてくれれば大丈夫だって!」
『確かに健司くんはお化粧して女装すれば似合うかもしれないけど、絶対にダメです!』
「ケチ…」
『それに、今日も練習あるんじゃないの?』
「ミーティングだけ…」
『じゃあ、行かなくちゃでしょ?』
「でも、俺、女装してでも行きたい!!」
『もう…絶対ダメだからね!!』
しょんぼりしている姿を見てしまえば、じゃあ…なんて甘やかしてあげたくなるけれど、私と健司くんが付き合っていることを知らない子の方が多い場に連れて行くわけにはいかない。
『…16時には終わるから…待ち合わせしよ?』
「約束…な?」
健司くんは小指を差し出してきたので、私も小指を絡めて、
『約束!…じゃあ、また連絡するね!』
そう言って、私は友だちと待ち合わせをしている駅へと向かった。
流行りのお店だけあって、予約していても少し待つようで店の外で案内されているのを待っていると、
「ねぇ…咲ちゃん、あれ…」
友だちが背後の電柱を指さすので、目を向けると怪しい男の人。
「あれって、バスケ部の藤真健司じゃない?」
って、また別の子が言うから私はびっくりしてしまう。
…まさか、諦めきれずについてくるなんて微塵も思ってなかった。
それに、多分本人はバレていないと思っている…
ここで、帰ってって言いに行くのもみんなに付き合ってますって宣言するみたいで気が引けて、まずは無視しビュッフェを楽しむことにした。
…んだけど、外は梅雨時だけあって雨もぱらつきはじめたようだ。
とたんに心配になって、最初に取ったスイーツを急いで食べて、
『ごめん!ちょっと用事思い出したから、抜けるね…』
幹事の子にお金を渡して、お店を後にした。
目立たないようにまだ電柱の影にいる健司くんに声をかける。
『部活は…?』
「げげっ!…咲!?」
『心配してくれるのは嬉しいけど、信用して欲しいな…』
「ごめん…」
私は折り畳み傘を取り出して広げた。
『もう、抜けてきたから帰ろ?』
「まじで!」
途端に嬉しそうな顔になる健司くんにくぎを刺す。
『次は、ストーカーみたいなことしないでね!』
「…はい」
抜け出した女子会で、私と健司くんの話題で盛り上がったというのを後から聞いて、抜け出したのが正解だったのか、最後までいてみんなの前で健司くんと遭遇した方が良かったのか…と私が憂いたのは言うまでもない。
***June
2022.2.6.
お題ガチャより
「咲が飲み会に行くと言うと、ついていきたがる健司。今日は女子会だから男の人いないよ、と言ったのに、女装してついてこようとする健司。さすがに怒られたので、電柱の陰から見守った。」
Thanks for Kisaragi-sama!
『だから、女子会だからダメ!』
私が大学の女友達とスイーツビュッフェに行くと言ったら、俺も着いていきたいと子どもみたいに駄々をこねているのは彼氏の健司くん。
黙っていれば、カッコいいのに…なんて、まだ知り合って日の浅い私の友達たちが口をそろえて言うくらいに健司くんはどうもちょっと子供っぽいところがある。
そして、甘いものが好きなのは知っているけれど、さすがに女子の集まりに私だけ彼氏を連れて行くなんていう恥ずかしいことはしたくない。
私のことを気にかけてくれているのは嬉しいし、それが健司くんの愛情表現だって分かってはいて、もやっぱり今日はだめだ。
「咲の服を着て、咲の女友達ってことにしてくれれば大丈夫だって!」
『確かに健司くんはお化粧して女装すれば似合うかもしれないけど、絶対にダメです!』
「ケチ…」
『それに、今日も練習あるんじゃないの?』
「ミーティングだけ…」
『じゃあ、行かなくちゃでしょ?』
「でも、俺、女装してでも行きたい!!」
『もう…絶対ダメだからね!!』
しょんぼりしている姿を見てしまえば、じゃあ…なんて甘やかしてあげたくなるけれど、私と健司くんが付き合っていることを知らない子の方が多い場に連れて行くわけにはいかない。
『…16時には終わるから…待ち合わせしよ?』
「約束…な?」
健司くんは小指を差し出してきたので、私も小指を絡めて、
『約束!…じゃあ、また連絡するね!』
そう言って、私は友だちと待ち合わせをしている駅へと向かった。
流行りのお店だけあって、予約していても少し待つようで店の外で案内されているのを待っていると、
「ねぇ…咲ちゃん、あれ…」
友だちが背後の電柱を指さすので、目を向けると怪しい男の人。
「あれって、バスケ部の藤真健司じゃない?」
って、また別の子が言うから私はびっくりしてしまう。
…まさか、諦めきれずについてくるなんて微塵も思ってなかった。
それに、多分本人はバレていないと思っている…
ここで、帰ってって言いに行くのもみんなに付き合ってますって宣言するみたいで気が引けて、まずは無視しビュッフェを楽しむことにした。
…んだけど、外は梅雨時だけあって雨もぱらつきはじめたようだ。
とたんに心配になって、最初に取ったスイーツを急いで食べて、
『ごめん!ちょっと用事思い出したから、抜けるね…』
幹事の子にお金を渡して、お店を後にした。
目立たないようにまだ電柱の影にいる健司くんに声をかける。
『部活は…?』
「げげっ!…咲!?」
『心配してくれるのは嬉しいけど、信用して欲しいな…』
「ごめん…」
私は折り畳み傘を取り出して広げた。
『もう、抜けてきたから帰ろ?』
「まじで!」
途端に嬉しそうな顔になる健司くんにくぎを刺す。
『次は、ストーカーみたいなことしないでね!』
「…はい」
抜け出した女子会で、私と健司くんの話題で盛り上がったというのを後から聞いて、抜け出したのが正解だったのか、最後までいてみんなの前で健司くんと遭遇した方が良かったのか…と私が憂いたのは言うまでもない。
***June
2022.2.6.
お題ガチャより
「咲が飲み会に行くと言うと、ついていきたがる健司。今日は女子会だから男の人いないよ、と言ったのに、女装してついてこようとする健司。さすがに怒られたので、電柱の陰から見守った。」
Thanks for Kisaragi-sama!