Heartful First Year【藤真健司】
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一人暮らしを始めて一カ月、料理はまだまだだけど掃除や洗濯の家事にも慣れてきた。
一人ぼっちの寂しさよりも、門限や両親のことを気にしないで気楽に行動できるのはすごく楽しい。
もちろん、自分の選択に責任を持たなくちゃいけないのは分かっているけれど、それ以上に自由気ままな生活を満喫していた。
前よりも健司くんと一緒にいられる時間も増えたしね。
寮生活をしている健司くんが私の家にお泊りするのは今日で二回目。
大学バスケの試合が一段落して、明日はオフだからと外泊許可をもらって泊りに来てくれた。
一緒にご飯を食べて、別々にお風呂に入って…そして、布団を用意してそろそろ寝ようというところ。
ドキドキそわそわしてしまうのは、私だけかな。
恋人同士になって、キスは何度もしているけれど、まだその先には進んでいない。
ゆっくりでいいって健司くんが言ってくれたから、少しずつ進んでいけば良いよね。
そもそもキスだって、大好きな健司くんの顔が近づくってだけで恥ずかしい気持ちが中々薄まらない。
いい加減、慣れたいって思うんだけど…整った顔をしている健司くんが悪いってことにしておこう。
そんな私の気持ちを見透かしたように、藤真くんは私の近くに寄ってきたので、私はさりげなく距離を取ろうとしたけれど…
「慣れろ」
と言われて、肩に手を添えられて健司くんの方を向かされてしまった。
緊張で一瞬意識が遠のいて、ぎゅっとめをつぶる。
「目、開けてろよ」
そっと目を開けると、健司くんの色素の薄い瞳にとらわれる。
数秒、いや多分コンマ何秒の一瞬、見つめあっただけで、
『やっぱダメ!』
私は健司くんの肩を押し返してしまった。
「だーめ。慣れろって…」
今度は健司くんの両手で頬を包むように顔をホールドされてしまう。
それ程強い力ってわけではないと思うのだけど、その手から逃れることなんてできない。
必死に目線だけでも逸らせるけれど、健司くんがまっすぐな目でじっと私を見つめているのが嫌でもわかる。
「咲…」
一度名前を呼ばれただけで、ビクッとしてしまう。
健司くんは、呆れたようにクスリと笑った。
「小動物みてぇ…」
すっかり縮こまった私の頬から手を離して、頭をポンポンと撫でてくれる。
「待ってるから、咲からキスして?」
健司くんは腕組をしてそっと目を閉じた。
『うぅ…』
私は考えた挙句、健司くんの組んだ腕に手を添えて、少し背伸びをしてほっぺにエイってキスをした。
「それだけ?」
いたずらっぽく片目を開けて、今度は膝に手を当てて中腰になった。
「ここにお願いしまーす」
唇を大げさに突き出して、健司くんは私にキスをねだる。
「失礼…します…」
軽く唇を触れ合わせると、すぐに健司くんの腕が伸びてきてぎゅっと抱き寄せられ、深い口づけに変わる。
『んっ…』
私の鼻から甘い声が抜けるとやっと唇が離れた。
「ごちそうさま!」
得意げに健司くんは言うけれど、私はぽわぽわした気持ちで、自分の唇を抑えることしかできなかった。
そして、2つ布団を用意したのに【慣れる】という名目で、1つの布団に身体を寄せあって寝る羽目になってしまったのだった。
***
2022.3.15.
下記二つからお題お借りしました。
お題ガチャより
「好きすぎて恥ずかしくてまともに顔も見られないのに、「慣れろ」と言われて顔に手を添えられ健司の方を向かされて、緊張で一瞬意識が遠のく咲」
Thenks for Kisaragi-sama
ワードパレットより
「10.つらつら椿:一度、まっすぐな目、クスリと笑う、じっと、強い」
一人ぼっちの寂しさよりも、門限や両親のことを気にしないで気楽に行動できるのはすごく楽しい。
もちろん、自分の選択に責任を持たなくちゃいけないのは分かっているけれど、それ以上に自由気ままな生活を満喫していた。
前よりも健司くんと一緒にいられる時間も増えたしね。
寮生活をしている健司くんが私の家にお泊りするのは今日で二回目。
大学バスケの試合が一段落して、明日はオフだからと外泊許可をもらって泊りに来てくれた。
一緒にご飯を食べて、別々にお風呂に入って…そして、布団を用意してそろそろ寝ようというところ。
ドキドキそわそわしてしまうのは、私だけかな。
恋人同士になって、キスは何度もしているけれど、まだその先には進んでいない。
ゆっくりでいいって健司くんが言ってくれたから、少しずつ進んでいけば良いよね。
そもそもキスだって、大好きな健司くんの顔が近づくってだけで恥ずかしい気持ちが中々薄まらない。
いい加減、慣れたいって思うんだけど…整った顔をしている健司くんが悪いってことにしておこう。
そんな私の気持ちを見透かしたように、藤真くんは私の近くに寄ってきたので、私はさりげなく距離を取ろうとしたけれど…
「慣れろ」
と言われて、肩に手を添えられて健司くんの方を向かされてしまった。
緊張で一瞬意識が遠のいて、ぎゅっとめをつぶる。
「目、開けてろよ」
そっと目を開けると、健司くんの色素の薄い瞳にとらわれる。
数秒、いや多分コンマ何秒の一瞬、見つめあっただけで、
『やっぱダメ!』
私は健司くんの肩を押し返してしまった。
「だーめ。慣れろって…」
今度は健司くんの両手で頬を包むように顔をホールドされてしまう。
それ程強い力ってわけではないと思うのだけど、その手から逃れることなんてできない。
必死に目線だけでも逸らせるけれど、健司くんがまっすぐな目でじっと私を見つめているのが嫌でもわかる。
「咲…」
一度名前を呼ばれただけで、ビクッとしてしまう。
健司くんは、呆れたようにクスリと笑った。
「小動物みてぇ…」
すっかり縮こまった私の頬から手を離して、頭をポンポンと撫でてくれる。
「待ってるから、咲からキスして?」
健司くんは腕組をしてそっと目を閉じた。
『うぅ…』
私は考えた挙句、健司くんの組んだ腕に手を添えて、少し背伸びをしてほっぺにエイってキスをした。
「それだけ?」
いたずらっぽく片目を開けて、今度は膝に手を当てて中腰になった。
「ここにお願いしまーす」
唇を大げさに突き出して、健司くんは私にキスをねだる。
「失礼…します…」
軽く唇を触れ合わせると、すぐに健司くんの腕が伸びてきてぎゅっと抱き寄せられ、深い口づけに変わる。
『んっ…』
私の鼻から甘い声が抜けるとやっと唇が離れた。
「ごちそうさま!」
得意げに健司くんは言うけれど、私はぽわぽわした気持ちで、自分の唇を抑えることしかできなかった。
そして、2つ布団を用意したのに【慣れる】という名目で、1つの布団に身体を寄せあって寝る羽目になってしまったのだった。
***
2022.3.15.
下記二つからお題お借りしました。
お題ガチャより
「好きすぎて恥ずかしくてまともに顔も見られないのに、「慣れろ」と言われて顔に手を添えられ健司の方を向かされて、緊張で一瞬意識が遠のく咲」
Thenks for Kisaragi-sama
ワードパレットより
「10.つらつら椿:一度、まっすぐな目、クスリと笑う、じっと、強い」