赤木家の日常
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「バカタレが!」
ごつん!ごつん!!
今日も赤木家の大黒柱、赤木剛憲は息子二人にげんこつを落とした。
「ふぇ~ん」
とその後に続く幼い長女の泣き声もお決まりだ。
今日は、夕食のハンバーグの大きさがどっちが大きいか張り合って、喧嘩に発展し、長男のお茶の入ったコップが倒れて、お茶が赤木の服にかかって、げんこつが落ちた。
赤木家の長男は、小学2年生。
次男は小学1年生の年子だ。
末っ子の長女は3歳。
父親のげんこつにびっくりして、こぼれたお茶を拭いている母親にしがみついている。
兄たち二人は、たんこぶのできた頭を押さえて、お互いにプイと顔をそむける。
『ほら、父ちゃんの言う通りいい加減にして、あったかいうちに食べなさい』
妻の多佳子は、こぼれたお茶を拭き、長女を抱き上げて言った。
「「…いただきます」」
二人は黙って食べ始めた。
「父ちゃんと一緒に食べよう」
赤木は、泣かせてしまった長女を妻から受け取ろうとすると、
「かーちゃんがいい!」
そう言って、母親にぎゅっとしがみつく。
長女は、絶賛パパイヤ期だ。
赤木は、ばつの悪そうにして席について夕食を食べ始めた。
少し落ち着いてきた頃、
「おまえたち、今度、父ちゃんの高校に集まって、卒業生が試合をするが見に行くか?桜木や流川も来るぞ」
2人は目を輝かせて、
「「絶対行く!」」
と大声を張り上げた。
赤木家の兄は、桜木花道のファンである。
「桜木花道に会えるのか?リバウンド教えてもらう!」
一方、弟は、流川楓のファンだ。
「流川楓の方に会いてー!オレもバスケ教えてもらう!!」
桜木花道は、高校卒業後、実業団を経てプロ選手として第一線で活躍している。
流川楓は、高校3年生の夏のIHを制し、渡米後、大学を経て、NBAで数年間プレイした。
その後、日本に戻りプロとしして、今は桜木と同じチームでプレイしている。
男性人気は桜木花道、女性人気は流川楓とチームの顔の二人だ。
年をとっても相変わらず仲が悪いらしいが、試合となれば、びっくりするほど息の合ったプレイを魅せる。
赤木家の年子兄弟も、桜木・流川に負けないくらいのライバル意識を持っており、決して仲が良いとは言えない。
喧嘩は日常茶飯事で、赤木の落とすげんこつも毎日だ。
子ども達は、昨年からミニバスを始めた。
自分と同じ道を進もうとしている子供たちの成長は何よりも楽しみだ。
ちょっとばかり行き過ぎたライバル関係も、バスケに関して言えばプラスに働いている。
二人で切磋琢磨しているおかげか、上達も早い。
家ではもっと仲良くしてもらいたいものだが…
「桜木と流川もお前たちのように仲が悪くて、まとめあげるのに父ちゃんは苦労したんだぞ。同じチームなのに絶対パスを出し合わなかったりしたな」
今でこそ、同じプロチームで息抜群のプレイを披露している二人の高校時代の仲の悪さを思い出し、自身の子ども達に重ね合わせた、
「父ちゃん、俺達はパスしあう!」
「そうそう、俺たちのパスワークで全国制覇!!」
子ども達は、さも当然のようにかつての父の夢を口にする。
思わず、嬉しさがこみあげ、口角が上がる。
「じゃあもっと練習頑張らんとな」
長女も「ぜんこーせーはー」と喜んでいる。
『全国制覇。父ちゃんの夢を子ども達が叶えてくれるなんて幸せだね』
食事が終わった子ども達にリンゴを剥きながら、多佳子も微笑んだ。
子ども達は、食後も喧嘩しながら暴れまわって、布団に入ってころっと寝てしまった。
明日は休日。
朝はゆっくりのため、子ども達が寝静まってから俺と多佳子はビールで乾杯をした。
俺自身は、大学でもバスケを続け、実業団に入り2年プレイしたが、足の怪我をし、続けられなくなった。
その時支えてくれたのが、2つ上の職場の先輩だった多佳子だ。
怪我でバスケを続けられないくなり、やけくそになっていた俺を、多佳子は仕事終わりに飲み会に誘ったりして精神的に支えてくれた。
不器用なオレを包み込んでくれる優しさと強さを持った彼女に惹かれるのに時間はかからなかった。
付き合うを通り越して、最初の告白で、結婚を申し込んだ。
バスケを失った俺は、多佳子しかいなかった。
正式な退団後、すぐに結婚し、2男1女を授かった。
俺は、退団後もそのまま会社に残った。
バスケのない人生なんてと思っていたが、仕事は面白く、がむしゃらに働くうちに役職が付くようになった。
妻多佳子も、育休取得後に復職し、現在は違う部署で働いている。
『たけちゃんは、仲の悪い子たちをまとめあげる星のもとに生まれてきたのね。たけちゃんの部署の新人の子たちもライバル意識むき出しだって聞いたよ』
「そうだな。本当にオレの周りは騒がしいやつらばっかだな」
俺はふーっとため息をついて、グラスのビールをぐっと飲みほした。
昔はいちいち腹を立てていたが、年を重ねる内に、そういう役割を面白いと受け入れられるようになってきた。
多佳子は、俺のグラスにビールを注いで、
『まだ、バスケに未練ある?』
「いや、もう自分がバスケをするのはたまにでいいな。この家庭を守っていく方がずっと大切だ。それに…あいつらがオレの夢、全国制覇を叶えてくれるさ」
俺はそう言って、多佳子の肩を抱き寄せた。
***
こぼれ話→赤木家の日常
ごつん!ごつん!!
今日も赤木家の大黒柱、赤木剛憲は息子二人にげんこつを落とした。
「ふぇ~ん」
とその後に続く幼い長女の泣き声もお決まりだ。
今日は、夕食のハンバーグの大きさがどっちが大きいか張り合って、喧嘩に発展し、長男のお茶の入ったコップが倒れて、お茶が赤木の服にかかって、げんこつが落ちた。
赤木家の長男は、小学2年生。
次男は小学1年生の年子だ。
末っ子の長女は3歳。
父親のげんこつにびっくりして、こぼれたお茶を拭いている母親にしがみついている。
兄たち二人は、たんこぶのできた頭を押さえて、お互いにプイと顔をそむける。
『ほら、父ちゃんの言う通りいい加減にして、あったかいうちに食べなさい』
妻の多佳子は、こぼれたお茶を拭き、長女を抱き上げて言った。
「「…いただきます」」
二人は黙って食べ始めた。
「父ちゃんと一緒に食べよう」
赤木は、泣かせてしまった長女を妻から受け取ろうとすると、
「かーちゃんがいい!」
そう言って、母親にぎゅっとしがみつく。
長女は、絶賛パパイヤ期だ。
赤木は、ばつの悪そうにして席について夕食を食べ始めた。
少し落ち着いてきた頃、
「おまえたち、今度、父ちゃんの高校に集まって、卒業生が試合をするが見に行くか?桜木や流川も来るぞ」
2人は目を輝かせて、
「「絶対行く!」」
と大声を張り上げた。
赤木家の兄は、桜木花道のファンである。
「桜木花道に会えるのか?リバウンド教えてもらう!」
一方、弟は、流川楓のファンだ。
「流川楓の方に会いてー!オレもバスケ教えてもらう!!」
桜木花道は、高校卒業後、実業団を経てプロ選手として第一線で活躍している。
流川楓は、高校3年生の夏のIHを制し、渡米後、大学を経て、NBAで数年間プレイした。
その後、日本に戻りプロとしして、今は桜木と同じチームでプレイしている。
男性人気は桜木花道、女性人気は流川楓とチームの顔の二人だ。
年をとっても相変わらず仲が悪いらしいが、試合となれば、びっくりするほど息の合ったプレイを魅せる。
赤木家の年子兄弟も、桜木・流川に負けないくらいのライバル意識を持っており、決して仲が良いとは言えない。
喧嘩は日常茶飯事で、赤木の落とすげんこつも毎日だ。
子ども達は、昨年からミニバスを始めた。
自分と同じ道を進もうとしている子供たちの成長は何よりも楽しみだ。
ちょっとばかり行き過ぎたライバル関係も、バスケに関して言えばプラスに働いている。
二人で切磋琢磨しているおかげか、上達も早い。
家ではもっと仲良くしてもらいたいものだが…
「桜木と流川もお前たちのように仲が悪くて、まとめあげるのに父ちゃんは苦労したんだぞ。同じチームなのに絶対パスを出し合わなかったりしたな」
今でこそ、同じプロチームで息抜群のプレイを披露している二人の高校時代の仲の悪さを思い出し、自身の子ども達に重ね合わせた、
「父ちゃん、俺達はパスしあう!」
「そうそう、俺たちのパスワークで全国制覇!!」
子ども達は、さも当然のようにかつての父の夢を口にする。
思わず、嬉しさがこみあげ、口角が上がる。
「じゃあもっと練習頑張らんとな」
長女も「ぜんこーせーはー」と喜んでいる。
『全国制覇。父ちゃんの夢を子ども達が叶えてくれるなんて幸せだね』
食事が終わった子ども達にリンゴを剥きながら、多佳子も微笑んだ。
子ども達は、食後も喧嘩しながら暴れまわって、布団に入ってころっと寝てしまった。
明日は休日。
朝はゆっくりのため、子ども達が寝静まってから俺と多佳子はビールで乾杯をした。
俺自身は、大学でもバスケを続け、実業団に入り2年プレイしたが、足の怪我をし、続けられなくなった。
その時支えてくれたのが、2つ上の職場の先輩だった多佳子だ。
怪我でバスケを続けられないくなり、やけくそになっていた俺を、多佳子は仕事終わりに飲み会に誘ったりして精神的に支えてくれた。
不器用なオレを包み込んでくれる優しさと強さを持った彼女に惹かれるのに時間はかからなかった。
付き合うを通り越して、最初の告白で、結婚を申し込んだ。
バスケを失った俺は、多佳子しかいなかった。
正式な退団後、すぐに結婚し、2男1女を授かった。
俺は、退団後もそのまま会社に残った。
バスケのない人生なんてと思っていたが、仕事は面白く、がむしゃらに働くうちに役職が付くようになった。
妻多佳子も、育休取得後に復職し、現在は違う部署で働いている。
『たけちゃんは、仲の悪い子たちをまとめあげる星のもとに生まれてきたのね。たけちゃんの部署の新人の子たちもライバル意識むき出しだって聞いたよ』
「そうだな。本当にオレの周りは騒がしいやつらばっかだな」
俺はふーっとため息をついて、グラスのビールをぐっと飲みほした。
昔はいちいち腹を立てていたが、年を重ねる内に、そういう役割を面白いと受け入れられるようになってきた。
多佳子は、俺のグラスにビールを注いで、
『まだ、バスケに未練ある?』
「いや、もう自分がバスケをするのはたまにでいいな。この家庭を守っていく方がずっと大切だ。それに…あいつらがオレの夢、全国制覇を叶えてくれるさ」
俺はそう言って、多佳子の肩を抱き寄せた。
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こぼれ話→赤木家の日常
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