花火SS~Twitter診断メーカーより
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去年の花火は綺麗だった。
王者山王高校の監督として、当然のごとく優勝に導いた後の祝杯の花火だったんだから。
しかし、今年は初戦敗退。
毎年、家族と欠かさずに行っていた花火大会に今年は行く気になれず、家にいると言う俺に妻も付き合ってくれた。
実家の縁側に腰掛け俯いていると、
『また、白髪増えてる…』
妻の花火が隣に座って、俺に微笑みかけた。
その目尻にくっきりとしわが刻まれているのを見て、お互い歳を重ねたことをしみじみと感じる。
「花火、良かったのか…?」
『うん、こうやって花火の音だけ聞くってのも悪くないよ?』
全て俺のことはお見通しと言わんばかりの表情に、俺はばつが悪くなって、星空を見上げた。
遠くから響いてくる花火の音を聞きながら、俺は本音を吐き出す。
「負けたことがあるというのがいつか財産になるなんて言っても、負けるってのはいくつになっても悔しいし、引きずっちまうな…」
ぼそっと呟くと、花火はコツンと俺の肩にもたれかかった。
『五郎ちゃん、お疲れ様…バスケ部の子たちも、みんな頑張ったよ…』
久しぶりに触れ合って、呼ばれた名前に気恥ずかしさを覚えながらも、俺は花火の腰をそっと抱き寄せた。
「ありがとな…」
花火をちらっと見れば、頬にきらっと光るものが見える。溢れ出る涙をぬぐうこともせず、じっと星空を見つめる花火に愛おしさがこみ上げる。
今まで花火の存在にどれだけ助けられただろうか?そう思うと目頭に熱いものが込み上げる。
負けたあの日から一度も涙を流すことはなかったのに…
この感謝、これからもずっと側にいて欲しい気持ちを届かないとしても伝えたい。
***
Request from べにおsama
王者山王高校の監督として、当然のごとく優勝に導いた後の祝杯の花火だったんだから。
しかし、今年は初戦敗退。
毎年、家族と欠かさずに行っていた花火大会に今年は行く気になれず、家にいると言う俺に妻も付き合ってくれた。
実家の縁側に腰掛け俯いていると、
『また、白髪増えてる…』
妻の花火が隣に座って、俺に微笑みかけた。
その目尻にくっきりとしわが刻まれているのを見て、お互い歳を重ねたことをしみじみと感じる。
「花火、良かったのか…?」
『うん、こうやって花火の音だけ聞くってのも悪くないよ?』
全て俺のことはお見通しと言わんばかりの表情に、俺はばつが悪くなって、星空を見上げた。
遠くから響いてくる花火の音を聞きながら、俺は本音を吐き出す。
「負けたことがあるというのがいつか財産になるなんて言っても、負けるってのはいくつになっても悔しいし、引きずっちまうな…」
ぼそっと呟くと、花火はコツンと俺の肩にもたれかかった。
『五郎ちゃん、お疲れ様…バスケ部の子たちも、みんな頑張ったよ…』
久しぶりに触れ合って、呼ばれた名前に気恥ずかしさを覚えながらも、俺は花火の腰をそっと抱き寄せた。
「ありがとな…」
花火をちらっと見れば、頬にきらっと光るものが見える。溢れ出る涙をぬぐうこともせず、じっと星空を見つめる花火に愛おしさがこみ上げる。
今まで花火の存在にどれだけ助けられただろうか?そう思うと目頭に熱いものが込み上げる。
負けたあの日から一度も涙を流すことはなかったのに…
この感謝、これからもずっと側にいて欲しい気持ちを届かないとしても伝えたい。
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