去年の花火は綺麗だった。花火ちゃんと一緒に見た花火だからってのは、言うまでもねぇだろ？

ダチの三っちゃんがバスケ部に復帰して、俺は三っちゃんの応援に夢中になった。

バスケットなんて大嫌いな学校の体育でやらされたことしかないけれど、ルールなんかもベンキョーしてちいっとは詳しくなっている。

俺の大好きな三っちゃんは、スリーポイントシューターとして、インターハイでもめちゃくちゃ活躍したんだぜ！

…って、なんで三っちゃんの話をしたかっつーと、俺と花火ちゃんとの出会いは、三っちゃんの応援に行った広島でのインターハイだからなんだ。

三っちゃんの大活躍で、ガラの悪い豊玉、絶対王者の山王を破る快挙を成し遂げた湘北は、3日目の愛和の試合で負けちまった。

とぼとぼと帰り支度をしている時に、三っちゃんの応援旗をゴツンと花火ちゃんの頭にぶつけちまうという最悪の出会い方をした。

「す…すいません！」

女の子にケガさせちまったかもしれないと慌てる俺に、

『私の不注意なので気にしないでください。それより、熱い応援、見ていて気持ちよかったです！』

なんて声をかけられたもんだから、俺は舞い上がって話している内に、気が付けばその晩にあるという地元の花火大会に行くことになったんだ。

花火ちゃんと見た花火のことは一生忘れねーぜ。

でもよ、連絡先を教えてもらったのに連絡できないまま、俺は卒業式を迎えちまった。

だから今日こそは、連絡するって決めてるんだ！

この感謝と熱い気持ちを花火ちゃんに、届かないとしても伝えたい。

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