if...【桜木花道】
幼馴染のヒロイン
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小さい頃は女の子に間違えられるくらいふわふわで色素の薄い栗色の髪が嫌だった。
意外かもしれないが、小学校に入ってすぐ仲良くなったのが、女の子の友達。
帰り道が一緒で、帰ってからもよく遊んで、姉妹に間違えられたこともあった。
はなという名前のその子は、オレと違ってサラサラで真っ黒な髪がよく似合う女の子だった。
そういえば、オレの大嫌いなあいつみたいにサラサラで真っ黒な髪だった。
小学校高学年になって、何がきっかけか忘れたが、親にこの髪の毛が嫌だとブチキレた。
親父は少し怒りのこもった顔で、知り合いの床屋に連れていかれ、好きな色に染めてもらえと言われた。
引っ込みがつかなくなったオレは、一番派手な赤色を選んだ。
ブリーチしなくても色素の薄い髪の毛はきれいな赤に染まった。
やけくそだったが、真っ赤な髪の毛になり、生まれ変わったようで、嬉しかった。
親父に感謝すると、「お前に似合ういい色だな」と褒められた。
母親は、少し悲しそうな顔をしたが、嬉しそうな俺に何も言わなかった。
友達には、真っ赤な猿だとからかわれることもあった。
でも、はなに見せたら、目を輝かせて
『花道くん、かっこいいね!』
と言われて、舞い上がった。
それから、髪が伸びる度に赤く染めてもらった。
あまりに頻繁にくるので、髪の染めかたを教えてもらい、家でできるようになった。
今でも週に一回、染めるのが日課だ。
『かっこいいな~』
赤く染めるたびに、はなに言われて、嬉しかった。
『花道くんの赤い髪、私、大好きだよ!』
「はなの黒い髪もオレ、好きだ」
そういいあって、お互いにちょっと照れながら笑ったこともあったっけ。
けど、赤い髪はあまりにも目立ち、因縁をつけられ、喧嘩することが増えた。
喧嘩が増えるにつれ、目つきも悪くなった。
成長期を迎え、背はぐんぐん伸び、喧嘩という名の運動で鍛えた身体はどんどん逞しくなった。
いつからか、オレははなを避けるようになった。
オレのそばにいたら、危ない目に合わせることが分かっていたから。
はなは、当時荒れていた同じ和光中には進まなかった。
小学校の卒業式にさよならも言えず、それきり、離れ離れになった。
中学に入っても、けんかに明け暮れたオレは、目つきが悪くなり、どんどん厳つい体になっていた。
今思えば、底なしの体力と溢れる闘争心もこの喧嘩のおかげかもなんて。
洋平たちとつるむようになって、ときめいた女の子を見つけては、告白した。
いつも好きになるのは、はなの面影がある黒髪がよく似合う女の子。
そのころは、はなのことは記憶に蓋をしていて、思い出すこともなかったが…
女の子と付き合えたら、何か変われる気がしていた。
そんな願いもむなしく、振られる日々が続いていた。
湘北高校に入学して、オレは晴子さんに、そしてバスケットに出会った。
バスケットはやればやっただけ、上達して、ただひたすら楽しかった。
試合に負ければ、悔しくて、逃げだしそうになったこともあったが、がむしゃらに練習した。
晴子さんは、オレのバスケットに出会わせてくれた恩人だ。
いつものように一目惚れだったが、バスケットに打ち込むうちに、恋心は薄れた。
晴子さんは、オレじゃなく大嫌いなキツネのことが大好きで、マネージャーとキャプテンとしての信頼関係はあっても、恋人同士になることはなかった。
そして、高校3年生の夏。
オレは…オレ達は、IHを制した。
文字通り、日本一の高校生になった。
優勝した時の興奮は今でも忘れない。
大嫌いなキツネとがっつりハイタッチした写真がテレビや雑誌に載っちまったのは、最悪だったが。
キツネは、夏が終わってすぐ、アメリカに飛び立った。
今は、次のNBAプレイヤー候補なんて言われてるのは、気に食わない。
オレは、高校卒業後、愛知の実業団で2年プレーをした。
そして、今年、プロチームにスカウトされ、新天地、東京で生活することになった。
新しい部屋に引っ越してきた日。
隣の部屋から出てきた女性に、
『花道くんっ!?』
そう声をかけられてびっくりした。
ファンにはよく桜木花道と呼び捨てにされることに慣れていたオレは、驚いた。
こんな綺麗な女性の知り合いはいない…はずだ。
「あの…どこかで…」
戸惑うオレを見て、少し残念そうな顔をしたその女性は、
『あっ…ごめんなさい。バスケット選手の桜木花道さんですよね。赤い髪ですぐわかりました』
とにこやかに微笑んだ。
「あっありがとうございます!今日、ここに引っ越してきたばかりで、よろしくっす!」
東京にもオレのファンがいて、やっぱ天才バスケットマンは違うな~そう思っていると、
『まさかこんな有名なバスケットマンが隣の部屋に引っ越してくるなんて、夢みたいです。よろしくお願いしますね』
そう笑った彼女の声と笑顔はどこか懐かしい感じがした。
意外かもしれないが、小学校に入ってすぐ仲良くなったのが、女の子の友達。
帰り道が一緒で、帰ってからもよく遊んで、姉妹に間違えられたこともあった。
はなという名前のその子は、オレと違ってサラサラで真っ黒な髪がよく似合う女の子だった。
そういえば、オレの大嫌いなあいつみたいにサラサラで真っ黒な髪だった。
小学校高学年になって、何がきっかけか忘れたが、親にこの髪の毛が嫌だとブチキレた。
親父は少し怒りのこもった顔で、知り合いの床屋に連れていかれ、好きな色に染めてもらえと言われた。
引っ込みがつかなくなったオレは、一番派手な赤色を選んだ。
ブリーチしなくても色素の薄い髪の毛はきれいな赤に染まった。
やけくそだったが、真っ赤な髪の毛になり、生まれ変わったようで、嬉しかった。
親父に感謝すると、「お前に似合ういい色だな」と褒められた。
母親は、少し悲しそうな顔をしたが、嬉しそうな俺に何も言わなかった。
友達には、真っ赤な猿だとからかわれることもあった。
でも、はなに見せたら、目を輝かせて
『花道くん、かっこいいね!』
と言われて、舞い上がった。
それから、髪が伸びる度に赤く染めてもらった。
あまりに頻繁にくるので、髪の染めかたを教えてもらい、家でできるようになった。
今でも週に一回、染めるのが日課だ。
『かっこいいな~』
赤く染めるたびに、はなに言われて、嬉しかった。
『花道くんの赤い髪、私、大好きだよ!』
「はなの黒い髪もオレ、好きだ」
そういいあって、お互いにちょっと照れながら笑ったこともあったっけ。
けど、赤い髪はあまりにも目立ち、因縁をつけられ、喧嘩することが増えた。
喧嘩が増えるにつれ、目つきも悪くなった。
成長期を迎え、背はぐんぐん伸び、喧嘩という名の運動で鍛えた身体はどんどん逞しくなった。
いつからか、オレははなを避けるようになった。
オレのそばにいたら、危ない目に合わせることが分かっていたから。
はなは、当時荒れていた同じ和光中には進まなかった。
小学校の卒業式にさよならも言えず、それきり、離れ離れになった。
中学に入っても、けんかに明け暮れたオレは、目つきが悪くなり、どんどん厳つい体になっていた。
今思えば、底なしの体力と溢れる闘争心もこの喧嘩のおかげかもなんて。
洋平たちとつるむようになって、ときめいた女の子を見つけては、告白した。
いつも好きになるのは、はなの面影がある黒髪がよく似合う女の子。
そのころは、はなのことは記憶に蓋をしていて、思い出すこともなかったが…
女の子と付き合えたら、何か変われる気がしていた。
そんな願いもむなしく、振られる日々が続いていた。
湘北高校に入学して、オレは晴子さんに、そしてバスケットに出会った。
バスケットはやればやっただけ、上達して、ただひたすら楽しかった。
試合に負ければ、悔しくて、逃げだしそうになったこともあったが、がむしゃらに練習した。
晴子さんは、オレのバスケットに出会わせてくれた恩人だ。
いつものように一目惚れだったが、バスケットに打ち込むうちに、恋心は薄れた。
晴子さんは、オレじゃなく大嫌いなキツネのことが大好きで、マネージャーとキャプテンとしての信頼関係はあっても、恋人同士になることはなかった。
そして、高校3年生の夏。
オレは…オレ達は、IHを制した。
文字通り、日本一の高校生になった。
優勝した時の興奮は今でも忘れない。
大嫌いなキツネとがっつりハイタッチした写真がテレビや雑誌に載っちまったのは、最悪だったが。
キツネは、夏が終わってすぐ、アメリカに飛び立った。
今は、次のNBAプレイヤー候補なんて言われてるのは、気に食わない。
オレは、高校卒業後、愛知の実業団で2年プレーをした。
そして、今年、プロチームにスカウトされ、新天地、東京で生活することになった。
新しい部屋に引っ越してきた日。
隣の部屋から出てきた女性に、
『花道くんっ!?』
そう声をかけられてびっくりした。
ファンにはよく桜木花道と呼び捨てにされることに慣れていたオレは、驚いた。
こんな綺麗な女性の知り合いはいない…はずだ。
「あの…どこかで…」
戸惑うオレを見て、少し残念そうな顔をしたその女性は、
『あっ…ごめんなさい。バスケット選手の桜木花道さんですよね。赤い髪ですぐわかりました』
とにこやかに微笑んだ。
「あっありがとうございます!今日、ここに引っ越してきたばかりで、よろしくっす!」
東京にもオレのファンがいて、やっぱ天才バスケットマンは違うな~そう思っていると、
『まさかこんな有名なバスケットマンが隣の部屋に引っ越してくるなんて、夢みたいです。よろしくお願いしますね』
そう笑った彼女の声と笑顔はどこか懐かしい感じがした。
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