Rainy Day【宮城リョータ】
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「アヤちゃん!」
久しぶりにアヤちゃんから、飲みの誘いでテンションマックスで、会えば、隣には見たことのある男。
「リョータ、久しぶり!」
「あれ?ガードの宮城?彩子の友達って…」
確かアヤちゃんの通う大学のバスケ部の先輩
の…
センター、斉藤一樹とかいうやつだ。
アヤちゃんのこと、彩子だなんて…もしかして…
『かずくん!お待たせ~』
「おう!」
斉藤サンは、別の女の子から声をかけられ、軽く手を挙げた。
おっ!本命彼女いるじゃん。
よかったぜ…
今はまだ友達だけど…アヤちゃんはいつか俺の彼女になるんだからな!
アヤちゃんの隣に斉藤サン、俺の隣に斉藤サンの彼女らしき女の子が座った。
何か座る位置、変じゃね?
と疑問を抱えつつ、ビールを注文して乾杯した。
乾杯を終えると、アヤちゃんは早速切り出した。
「リョータ、私、斉藤一樹さんと付き合うことになったの」
「へっ!?こっちの彼女は?」
『えっ!?こっちの彼氏は?』
隣の女の子と同時に声が出た。
「彼女?宮城、こいつは俺の幼馴染の亜未。可愛くていい子だぜ!」
『亜未ちゃん、私の高校からの付き合いの宮城リョータ。彼氏じゃないのよ。見た目は厳ついかもしれないけど、良いやつなのよ!』
そうお互いを紹介された。
一杯目のビールを飲み終わると、二人は、
「じゃあ、後はお二人さんで、よろしく!」
とお金を置いて、消えていった。
「マジかよ…」
『ありえない…』
頭を抱えて、二人で机に突っ伏した。
しばらくして、俺が顔を上げると、隣の亜未ちゃんも顔をあげた。
はぁ~っと大きくため息をついて、
「あ…とりあえず、飲んどく?」
『そうですね…お互い、失恋…ですよね?』
「あぁ、そうだよな…」
そう言って、2杯目のビールを頼んだ。
隣同士で座っているのも変なので、俺は席を移動して、亜未ちゃんの向かいに座った。
よく見ると、亜未ちゃんは、控えめで清楚な感じで、アヤちゃんとはまたタイプの違う美人だ。
美人というより可愛らしいという言葉が良く似合う。
「なんで、斉藤サン、こんなにかわいい子が近くにいるのに、アヤちゃんなんだろ…」
『私もそう思いますよ。アヤさんでしたっけ?にはあなたみたいないい男がいるのに…って。はぁ…なんかもっと泣けるのかと思ったら、泣くのも馬鹿らしくなってきちゃった』
そう言って、亜未ちゃんは、豪快にビールを飲み干した。
「ははっ!見かけによらず、結構豪快なんだね!」
『見かけによらずって、どういうことですか!?リョータくんも見かけによらず、結構女々しいんだなって思いましたけど?』
初対面なのに、振られた者同士という共通点があるからか、お酒の力なのかぽんぽんと会話が弾む。
ビールの次は、ハイボールとお酒もどんどん進み、だんだん愚痴っぽくなっていく俺と彼女…
「デカイ彼氏は首が疲れるだろ?相合い傘したって、彼女の肩、濡れちまうだろ?エッチだって、身長差ないほうがさ…だから、俺ぐらいがちょうどいいんだってよー」
『何で、私じゃだめなのかな…ナイスバディじゃないけど、結構尽くすタイプなんだけどな…相合傘したら、私の肩びしょ濡れでも構わない…相合い傘 濡れてる方が 惚れているっていうじゃない…』
亜未ちゃんの目が心なしか潤んできている。
俺もそれを見て、思わず涙ぐむ。
『かずくん…』
「アヤちゃん…」
ほろりと亜未ちゃんの目から涙がこぼれた。
俺は酔っているからか、その涙に思わず手を伸ばして、ぬぐってやった。
『あっ…ありがと…リョータくんも』
俺も涙を流していたらしい。
亜未ちゃんがポケットからハンカチを取り出して、涙をぬぐってくれた。
「ごめん、情けねーな…」
『ううん。そろそろ帰ろっか?』
「そだね…」
奢ろうとする俺に、頑なに割り勘でと押し切られ、亜未ちゃんと俺は店を出た。
居酒屋に来た時は、晴れていたのに、外は土砂降りの雨だった。
「やべっ…傘もなんもねーや」
『小さい折り畳み傘だけど、駅まで入ってく?』
「いや、わりーよ」
『いいよ。また会って、愚痴、聞いてくれる?』
「いいぜ。まぁ…また俺も泣いちまうかもだけどよ」
『ふふっ。さ、どーぞ』
亜未ちゃんは傘を開いて、俺に入るよう促した。
「ここは、俺に持たせて。すこしぐらい男らしいとこ、見させてよ」
『はーい』
くすくす笑いながら、亜未ちゃんは傘を俺に渡して、隣に並んだ。
「もうちょっと寄って。濡れちゃうだろ」
『じゃあ、少し甘えさせて…』
亜未ちゃんは、俺の腕を取って身体を寄せた。
俺は少し照れくさくなって、傘を少し亜未ちゃんの方に向けて、歩き始めた。
『リョータくんぐらいの背の方が歩きやすいかも』
「だろっ?俺の良さ、分かってんじゃん」
亜未ちゃんは、悪戯っぽく笑って、傘を俺の方に寄せた。
『リョータくんの肩、濡れちゃってる…』
「気にしなくて良いのに…」
俺は、傘を真ん中にして、
「これで同じくらいだろ?」
『ふふっ。そうだね!』
どしゃ降りの中、駅までの道をゆっくりと歩く。
お互い同じくらい濡れながら。
***
2020.01.05.
こぼれ話→Rainy Day【宮城リョータ】
久しぶりにアヤちゃんから、飲みの誘いでテンションマックスで、会えば、隣には見たことのある男。
「リョータ、久しぶり!」
「あれ?ガードの宮城?彩子の友達って…」
確かアヤちゃんの通う大学のバスケ部の先輩
の…
センター、斉藤一樹とかいうやつだ。
アヤちゃんのこと、彩子だなんて…もしかして…
『かずくん!お待たせ~』
「おう!」
斉藤サンは、別の女の子から声をかけられ、軽く手を挙げた。
おっ!本命彼女いるじゃん。
よかったぜ…
今はまだ友達だけど…アヤちゃんはいつか俺の彼女になるんだからな!
アヤちゃんの隣に斉藤サン、俺の隣に斉藤サンの彼女らしき女の子が座った。
何か座る位置、変じゃね?
と疑問を抱えつつ、ビールを注文して乾杯した。
乾杯を終えると、アヤちゃんは早速切り出した。
「リョータ、私、斉藤一樹さんと付き合うことになったの」
「へっ!?こっちの彼女は?」
『えっ!?こっちの彼氏は?』
隣の女の子と同時に声が出た。
「彼女?宮城、こいつは俺の幼馴染の亜未。可愛くていい子だぜ!」
『亜未ちゃん、私の高校からの付き合いの宮城リョータ。彼氏じゃないのよ。見た目は厳ついかもしれないけど、良いやつなのよ!』
そうお互いを紹介された。
一杯目のビールを飲み終わると、二人は、
「じゃあ、後はお二人さんで、よろしく!」
とお金を置いて、消えていった。
「マジかよ…」
『ありえない…』
頭を抱えて、二人で机に突っ伏した。
しばらくして、俺が顔を上げると、隣の亜未ちゃんも顔をあげた。
はぁ~っと大きくため息をついて、
「あ…とりあえず、飲んどく?」
『そうですね…お互い、失恋…ですよね?』
「あぁ、そうだよな…」
そう言って、2杯目のビールを頼んだ。
隣同士で座っているのも変なので、俺は席を移動して、亜未ちゃんの向かいに座った。
よく見ると、亜未ちゃんは、控えめで清楚な感じで、アヤちゃんとはまたタイプの違う美人だ。
美人というより可愛らしいという言葉が良く似合う。
「なんで、斉藤サン、こんなにかわいい子が近くにいるのに、アヤちゃんなんだろ…」
『私もそう思いますよ。アヤさんでしたっけ?にはあなたみたいないい男がいるのに…って。はぁ…なんかもっと泣けるのかと思ったら、泣くのも馬鹿らしくなってきちゃった』
そう言って、亜未ちゃんは、豪快にビールを飲み干した。
「ははっ!見かけによらず、結構豪快なんだね!」
『見かけによらずって、どういうことですか!?リョータくんも見かけによらず、結構女々しいんだなって思いましたけど?』
初対面なのに、振られた者同士という共通点があるからか、お酒の力なのかぽんぽんと会話が弾む。
ビールの次は、ハイボールとお酒もどんどん進み、だんだん愚痴っぽくなっていく俺と彼女…
「デカイ彼氏は首が疲れるだろ?相合い傘したって、彼女の肩、濡れちまうだろ?エッチだって、身長差ないほうがさ…だから、俺ぐらいがちょうどいいんだってよー」
『何で、私じゃだめなのかな…ナイスバディじゃないけど、結構尽くすタイプなんだけどな…相合傘したら、私の肩びしょ濡れでも構わない…相合い傘 濡れてる方が 惚れているっていうじゃない…』
亜未ちゃんの目が心なしか潤んできている。
俺もそれを見て、思わず涙ぐむ。
『かずくん…』
「アヤちゃん…」
ほろりと亜未ちゃんの目から涙がこぼれた。
俺は酔っているからか、その涙に思わず手を伸ばして、ぬぐってやった。
『あっ…ありがと…リョータくんも』
俺も涙を流していたらしい。
亜未ちゃんがポケットからハンカチを取り出して、涙をぬぐってくれた。
「ごめん、情けねーな…」
『ううん。そろそろ帰ろっか?』
「そだね…」
奢ろうとする俺に、頑なに割り勘でと押し切られ、亜未ちゃんと俺は店を出た。
居酒屋に来た時は、晴れていたのに、外は土砂降りの雨だった。
「やべっ…傘もなんもねーや」
『小さい折り畳み傘だけど、駅まで入ってく?』
「いや、わりーよ」
『いいよ。また会って、愚痴、聞いてくれる?』
「いいぜ。まぁ…また俺も泣いちまうかもだけどよ」
『ふふっ。さ、どーぞ』
亜未ちゃんは傘を開いて、俺に入るよう促した。
「ここは、俺に持たせて。すこしぐらい男らしいとこ、見させてよ」
『はーい』
くすくす笑いながら、亜未ちゃんは傘を俺に渡して、隣に並んだ。
「もうちょっと寄って。濡れちゃうだろ」
『じゃあ、少し甘えさせて…』
亜未ちゃんは、俺の腕を取って身体を寄せた。
俺は少し照れくさくなって、傘を少し亜未ちゃんの方に向けて、歩き始めた。
『リョータくんぐらいの背の方が歩きやすいかも』
「だろっ?俺の良さ、分かってんじゃん」
亜未ちゃんは、悪戯っぽく笑って、傘を俺の方に寄せた。
『リョータくんの肩、濡れちゃってる…』
「気にしなくて良いのに…」
俺は、傘を真ん中にして、
「これで同じくらいだろ?」
『ふふっ。そうだね!』
どしゃ降りの中、駅までの道をゆっくりと歩く。
お互い同じくらい濡れながら。
***
2020.01.05.
こぼれ話→Rainy Day【宮城リョータ】
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