Candy【三井寿】
昨日は、三井君に会うのに緊張して、よく眠れなかった。
朝も、髪型やお化粧が気になって、学校にはぎりぎりに着いた。
教室のあたりが、なんだか騒がしい。
「友ちゃん、おはよ!三井君が…すごいんだよ!」
いきなり三井君の名前が出て、私の心臓は飛び跳ねた。
『へっ!?三井君?』
友人に手を引かれて、教室に入れば、皆にじろじろ見られてる三井君。
長かった髪の毛は短く刈られ、すっきりしている。
完全にイケメンの部類に入るであろう三井君に思わず見惚れてしまった。
いつの間にか人気者になっていた三井君に声をかけることが出来ず、授業が始まった。
「如月、ちょっといいか」
三井君に声をかけられたのは、昼休み。
『はいっ!』
びっくりして、思わず立ち上がる。
「くくっ!何だよそれ。そのよ…渡してーもんあるんだけど」
クラス中の視線が集まる。
『三井君、えっと…ここでじゃなきゃダメ?』
「えっ?あぁ…どっか、いけるか?」
そそくさと鞄をつかんで廊下へでる三井君を見て、お弁当でも一緒に食べるんだと思い、私もお弁当をもって、廊下へ出た。
『三井君、お弁当?』
「いや、てきとーに何か食うけど」
違うんだと思いつつ、人気の少ない屋上へと来た。
途中の廊下での好奇の視線さらされたのははずかしかったけど。
屋上に座ろうとする前に、三井君が切り出した。
「今まで、悪かったな…」
『えっ?悪かったって?』
「そのよ…いつもお菓子くれんのにそっけねー態度とったり、この間は、タオルまで、悪かった…」
そう言って、鞄から可愛いラッピングのタオルとクッキーのセットを出して、渡してくれた。
『えっ…いいの?ありがとう!』
私は三井君からプレゼントをもらい、照れくさそうな彼を見て、私は彼のことを好きだって確信した。
「あとよ…この間の…」
何か言いたそうな三井君の言葉をさえぎって、私は、
『私も、三井君のこと、好きだよ!』
緊張で、声が震えた気もするけど、ちゃんと言えた。
ちょっと恥ずかしくなってうつむくけれど、この真っ赤な顔は、三井君に見られてるだろう。
「ちょっとまってくれ…」
明らかに動揺の色が見える三井君を見て、私、また勘違いしちゃったかもと不安に駆られる。
『ごめんっ…三井君のあの言葉、忘れてって言われたのに…私…』
もう最悪だ。
早とちりしちゃって恥ずかしい…
込み上げる涙を見られたくなくて、三井君に背を向けた。
拳を握りしめ、上を向く。
「悪ぃ…そういうんじゃねー」
三井君は、謝ってくれるけど、私が勝手に勘違いしちゃったのが悪いんだ。
『本当に変なこと言って、ごめん…私、また調子に乗っちゃって…』
涙が頬を伝うけれど、拭ったら、泣いてるって分かっちゃう。
三井君、早く、教室戻ってくれないかな…
「あぁぁ!如月、俺、お前の事、めちゃくちゃ好きだ!」
『えっ…だって…』
私は、混乱する。三井君は、気の迷いで好きだって言ったんじゃ…
「俺、バスケ部ぶっ潰して学校辞めるつもりで喧嘩しかけたけどよ…仲間がバスケしてーっつう俺の気持ちに気付いて、庇ってくれてよ…バスケ部の奴らも許してくれて、俺、またバスケ出来るんだ。そんなダセー俺の事を、如月が好きって言ってくれるなんて、俺、信じられねー」
私は、振り向いて、三井君の告白に耳を傾けた。
「如月が、飴とかくれて、お前の事、どんどん好きになって…でも、俺はお前の横にいていい男じゃねぇよ。バスケも如月も手に入れるなんて、そんな最高なこと、あっていーのか?」
つまり、三井君は、バスケが好きで、私の事も好きになってくれて、全部手に入れられることに困惑してるってことなのかな?
気付けば涙も止まって、そんな風に思っている三井君の事、好きだって気持ちが溢れてきた。
『三井君、私もめちゃくちゃ大好き!』
そう言って、私は三井君に抱き着いた。
「おい、如月…本当に俺なんかでいいのかよ…」
視線を上げると、耳まで真っ赤な顔の三井君と目が合った。
そんな三井君がおかしくて、目を合わせたまま、
『ふふふっ。三井君じゃなきゃ、私、や…』
やだよと伝えようとした唇が柔らかいもので塞がれた。
チュッという音とともに離れたのは、三井君の唇…
恥ずかしくなって、抱きついていた腕をほどいて、口を押さえた。
「悪ぃ。おまえ、可愛すぎる…」
そして、口を押えていた手をとられ、再度キスされる…そう思って目を閉じると、
「…げっ!?お前、流川…?」
「先輩…」
目を開けて、三井君の視線の先を見れば、顔の整った男の子…
湘北の有名人、流川楓くんがそこにはいた。
恥ずかしくなって、思わず三井君の後ろに隠れる。
「流川、色々悪かったな…このことは…」
「別にいいっす」
そう言って、流川くんは屋上から去っていった。
『あ~びっくりした!どこに誰がいるか分からないもんだね…』
キスを見られていたかと思うと本当に恥ずかしい。
「本当に悪かった。でよ…その…俺と付き合ってくれるってことで…」
今日の三井君は謝ってばかりだ。
そのことが、何だかおかしくなって、
『うん、よろしくね。三井君!』
自分からキスをするのは恥ずかしくて、私は少し背伸びをして、三井君のおでこにコツンと自分のおでこを押し当てた。
そして、耳まで真っ赤な三井君と視線を合わせて、気持ちを伝えた。
『三井君、大好きだよ』
朝も、髪型やお化粧が気になって、学校にはぎりぎりに着いた。
教室のあたりが、なんだか騒がしい。
「友ちゃん、おはよ!三井君が…すごいんだよ!」
いきなり三井君の名前が出て、私の心臓は飛び跳ねた。
『へっ!?三井君?』
友人に手を引かれて、教室に入れば、皆にじろじろ見られてる三井君。
長かった髪の毛は短く刈られ、すっきりしている。
完全にイケメンの部類に入るであろう三井君に思わず見惚れてしまった。
いつの間にか人気者になっていた三井君に声をかけることが出来ず、授業が始まった。
「如月、ちょっといいか」
三井君に声をかけられたのは、昼休み。
『はいっ!』
びっくりして、思わず立ち上がる。
「くくっ!何だよそれ。そのよ…渡してーもんあるんだけど」
クラス中の視線が集まる。
『三井君、えっと…ここでじゃなきゃダメ?』
「えっ?あぁ…どっか、いけるか?」
そそくさと鞄をつかんで廊下へでる三井君を見て、お弁当でも一緒に食べるんだと思い、私もお弁当をもって、廊下へ出た。
『三井君、お弁当?』
「いや、てきとーに何か食うけど」
違うんだと思いつつ、人気の少ない屋上へと来た。
途中の廊下での好奇の視線さらされたのははずかしかったけど。
屋上に座ろうとする前に、三井君が切り出した。
「今まで、悪かったな…」
『えっ?悪かったって?』
「そのよ…いつもお菓子くれんのにそっけねー態度とったり、この間は、タオルまで、悪かった…」
そう言って、鞄から可愛いラッピングのタオルとクッキーのセットを出して、渡してくれた。
『えっ…いいの?ありがとう!』
私は三井君からプレゼントをもらい、照れくさそうな彼を見て、私は彼のことを好きだって確信した。
「あとよ…この間の…」
何か言いたそうな三井君の言葉をさえぎって、私は、
『私も、三井君のこと、好きだよ!』
緊張で、声が震えた気もするけど、ちゃんと言えた。
ちょっと恥ずかしくなってうつむくけれど、この真っ赤な顔は、三井君に見られてるだろう。
「ちょっとまってくれ…」
明らかに動揺の色が見える三井君を見て、私、また勘違いしちゃったかもと不安に駆られる。
『ごめんっ…三井君のあの言葉、忘れてって言われたのに…私…』
もう最悪だ。
早とちりしちゃって恥ずかしい…
込み上げる涙を見られたくなくて、三井君に背を向けた。
拳を握りしめ、上を向く。
「悪ぃ…そういうんじゃねー」
三井君は、謝ってくれるけど、私が勝手に勘違いしちゃったのが悪いんだ。
『本当に変なこと言って、ごめん…私、また調子に乗っちゃって…』
涙が頬を伝うけれど、拭ったら、泣いてるって分かっちゃう。
三井君、早く、教室戻ってくれないかな…
「あぁぁ!如月、俺、お前の事、めちゃくちゃ好きだ!」
『えっ…だって…』
私は、混乱する。三井君は、気の迷いで好きだって言ったんじゃ…
「俺、バスケ部ぶっ潰して学校辞めるつもりで喧嘩しかけたけどよ…仲間がバスケしてーっつう俺の気持ちに気付いて、庇ってくれてよ…バスケ部の奴らも許してくれて、俺、またバスケ出来るんだ。そんなダセー俺の事を、如月が好きって言ってくれるなんて、俺、信じられねー」
私は、振り向いて、三井君の告白に耳を傾けた。
「如月が、飴とかくれて、お前の事、どんどん好きになって…でも、俺はお前の横にいていい男じゃねぇよ。バスケも如月も手に入れるなんて、そんな最高なこと、あっていーのか?」
つまり、三井君は、バスケが好きで、私の事も好きになってくれて、全部手に入れられることに困惑してるってことなのかな?
気付けば涙も止まって、そんな風に思っている三井君の事、好きだって気持ちが溢れてきた。
『三井君、私もめちゃくちゃ大好き!』
そう言って、私は三井君に抱き着いた。
「おい、如月…本当に俺なんかでいいのかよ…」
視線を上げると、耳まで真っ赤な顔の三井君と目が合った。
そんな三井君がおかしくて、目を合わせたまま、
『ふふふっ。三井君じゃなきゃ、私、や…』
やだよと伝えようとした唇が柔らかいもので塞がれた。
チュッという音とともに離れたのは、三井君の唇…
恥ずかしくなって、抱きついていた腕をほどいて、口を押さえた。
「悪ぃ。おまえ、可愛すぎる…」
そして、口を押えていた手をとられ、再度キスされる…そう思って目を閉じると、
「…げっ!?お前、流川…?」
「先輩…」
目を開けて、三井君の視線の先を見れば、顔の整った男の子…
湘北の有名人、流川楓くんがそこにはいた。
恥ずかしくなって、思わず三井君の後ろに隠れる。
「流川、色々悪かったな…このことは…」
「別にいいっす」
そう言って、流川くんは屋上から去っていった。
『あ~びっくりした!どこに誰がいるか分からないもんだね…』
キスを見られていたかと思うと本当に恥ずかしい。
「本当に悪かった。でよ…その…俺と付き合ってくれるってことで…」
今日の三井君は謝ってばかりだ。
そのことが、何だかおかしくなって、
『うん、よろしくね。三井君!』
自分からキスをするのは恥ずかしくて、私は少し背伸びをして、三井君のおでこにコツンと自分のおでこを押し当てた。
そして、耳まで真っ赤な三井君と視線を合わせて、気持ちを伝えた。
『三井君、大好きだよ』