性癖シチュ四大癖書
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4.別れられない別れ話。【藤真健司】
今朝はいやな夢を見た。
どんなシチュエーションだったかは覚えていないのだけれど、健司のセリフだけが妙にリアルに耳に残っている。
「別れようぜ」
そのインパクト大のセリフは夢の中のことだって分かっていても、私の心を曇らせるには十分だ。
いつもよりお化粧のノリだって悪い気がするし、朝ごはんのトーストは焦がしてしまうし、なんだか今日はついてなさそうだ。
こんな日は、一日一歩も家から出ずダラダラしていたいけれど、学校をサボるわけにはいかないから、身支度をする。
アイライナーだって上手くいかない。
こんな日は、健司に会いたくないな……
ため息をつきながら家を出た。
さらに悪いことは続くもので、定期券を忘れて、電車賃を支払うことになってしまった。はぁ〜〜と、長いため息しか出ない。
眠たい講義は何とか終えて、今日はバイトも締め切りが近いレポートもないからさっさと家に帰るつもりが、いつもの癖でバスケ部が練習している体育館へと足を踏み入れてしまった。
「キャー、藤真くぅ~ん!」
なんて黄色い歓声を浴びている健司を見て、何だか気分が重い。
別にいつものことなのに、今日は応援している女子全員が私より可愛くて健司にお似合いな気がして、気が滅入る。
そそくさと体育館を出てまだ明るい空に向かって、
『もう、こうなったら酒しかない』
と宣言する。怪訝な目で見られた気がするが、とことんツイてない日だからもう気にしない。
コンビニでストロング系の缶酎ハイとおつまみを買って自宅にこもる。
『嫌な一日に乾杯~』
ぐびぐびと煽れば、のどがカーッと熱くなって、ちょっといい気分だ。
『嫌な一日に完敗ってとこかな…』
自虐的に笑ってみる。
一本を空にして、だんだんと酩酊してきた。すきっ腹にアルコール度数の高いお酒はやっぱり良くないみたいだけれど、モヤモヤした気持ちは幾分楽になった気がする。そうなるとなおさら、飲まずにはいられなくて、二本目もぐびぐびと景気よく煽った。三本で止めようとプルタブを開けたところで、ドアのチャイムがピンポーンとなった。
モニターを確認すると健司だった。
「大丈夫か?」
『何が?』
「体調。今日は、せっかく練習見に来たのにすぐ帰っちまっただろ?」
あ、やっぱり気づいてたんだ。
「っつうか、入れてくれよ。こんなとこで話すのもなんか変だし…」
急に体育館で応援していた女子達のことを思い出して、私の口からは自分でも思ってもみない言葉が出てしまった。
『健司、別れよ…』
「は?」
アルコールの力は恐ろしい。ボロボロと涙があふれてくる。
『別れた方が…きっとお互いのためだよ……』
「なんでだよ!?嫌いになったのか?とりあえず、顔見て話さねぇと分かんねぇよ!」
ドンドンと扉を叩かれたので鍵を開ける。
悲しそうな顔をしている健司を見て、さらに涙があふれる。
『別れたくない~~捨てないでぇ~~!!』
涙でぐしょぐしょになりながら、健司にすがる。さっきは自分から別れようと言ったけれど、先に別れを切り出したのは夢の中の健司なのだ。別れたくない。
「言ってることが無茶苦茶……とりあえず、中に上がっていいか?」
『う…ん……』
健司は部屋の中に入って、机の上の缶酎ハイの缶を見て、悟ったようだ。
お酒のんで、別れよって言ったのに別れたくないって、ハチャメチャだと呆れられるだろう。
そんな私に愛想つかして出て行ってしまうかもしれないと思うと涙が止まらない。
号泣という表現では足りないほど泣いてしまう。
「酒くせーし、落ち着けって。さっきからどうしたんだよ…まず確認だけど、◯◯は俺のこと好きってことでいいんだよな?」
私は大きくうなずく。
「別れたくないんだよな?」
『…うん』
「じゃあ、別れようって言ったのはなんなんだ?」
『健司が夢の中で言った』
「は?」
『健司が夢の中で私に別れようって言ったの』
「じゃ夢ん中のことは取り消し。俺は別れない」
『本当に…?』
鼻を急にむぎゅって掴まれた。
『ふがっ…!』
「好きだぜ。な、夢じゃないだろ?」
『でもぉ……』
アルコールでふわふわした頭では、理解がおぼつかない。
『もっと……あ、お尻たたいて!いつもバスケの試合のメンバーに気合入れてるやつ』
「は?」
『あれ、やってくれたらきっと大丈夫…』
「マジかよ……仕方ねぇ…っしゃ!行くぜ」
健司が私の方に右手を置いて、左手でバシッとお尻を叩いた。
『痛っ!夢じゃない…ね?』
「…おう、大丈夫か?」
『うん、なんかくよくよしてたのが馬鹿らしくなった…へへへっ……』
私は、今度は気分がよくなって酎ハイの缶に手を伸ばす。けれど、その手は健司に止められた。
「ったく、ただの酔っ払いだな。ま、気分持ち直したなら、いいんだけどな」
『今日はいい日だな』
このセリフを最後に私の記憶は途絶えた。
その日の夜は、健司に甘やかされる夢を見た……となれば良かったのだが、泥のように眠り、翌朝は気持ち悪くて最悪だし、朝まで介抱してくれた健司にも怒られた。
やっぱり昨日は、最悪な一日だったのだった。
***
2024.7.25.
Thanks for the character's request!!
とらさま、ありがとうございました。
ケツしばかれたい願望もがっつり入れさせてもらいました(*˘︶˘*)
今朝はいやな夢を見た。
どんなシチュエーションだったかは覚えていないのだけれど、健司のセリフだけが妙にリアルに耳に残っている。
「別れようぜ」
そのインパクト大のセリフは夢の中のことだって分かっていても、私の心を曇らせるには十分だ。
いつもよりお化粧のノリだって悪い気がするし、朝ごはんのトーストは焦がしてしまうし、なんだか今日はついてなさそうだ。
こんな日は、一日一歩も家から出ずダラダラしていたいけれど、学校をサボるわけにはいかないから、身支度をする。
アイライナーだって上手くいかない。
こんな日は、健司に会いたくないな……
ため息をつきながら家を出た。
さらに悪いことは続くもので、定期券を忘れて、電車賃を支払うことになってしまった。はぁ〜〜と、長いため息しか出ない。
眠たい講義は何とか終えて、今日はバイトも締め切りが近いレポートもないからさっさと家に帰るつもりが、いつもの癖でバスケ部が練習している体育館へと足を踏み入れてしまった。
「キャー、藤真くぅ~ん!」
なんて黄色い歓声を浴びている健司を見て、何だか気分が重い。
別にいつものことなのに、今日は応援している女子全員が私より可愛くて健司にお似合いな気がして、気が滅入る。
そそくさと体育館を出てまだ明るい空に向かって、
『もう、こうなったら酒しかない』
と宣言する。怪訝な目で見られた気がするが、とことんツイてない日だからもう気にしない。
コンビニでストロング系の缶酎ハイとおつまみを買って自宅にこもる。
『嫌な一日に乾杯~』
ぐびぐびと煽れば、のどがカーッと熱くなって、ちょっといい気分だ。
『嫌な一日に完敗ってとこかな…』
自虐的に笑ってみる。
一本を空にして、だんだんと酩酊してきた。すきっ腹にアルコール度数の高いお酒はやっぱり良くないみたいだけれど、モヤモヤした気持ちは幾分楽になった気がする。そうなるとなおさら、飲まずにはいられなくて、二本目もぐびぐびと景気よく煽った。三本で止めようとプルタブを開けたところで、ドアのチャイムがピンポーンとなった。
モニターを確認すると健司だった。
「大丈夫か?」
『何が?』
「体調。今日は、せっかく練習見に来たのにすぐ帰っちまっただろ?」
あ、やっぱり気づいてたんだ。
「っつうか、入れてくれよ。こんなとこで話すのもなんか変だし…」
急に体育館で応援していた女子達のことを思い出して、私の口からは自分でも思ってもみない言葉が出てしまった。
『健司、別れよ…』
「は?」
アルコールの力は恐ろしい。ボロボロと涙があふれてくる。
『別れた方が…きっとお互いのためだよ……』
「なんでだよ!?嫌いになったのか?とりあえず、顔見て話さねぇと分かんねぇよ!」
ドンドンと扉を叩かれたので鍵を開ける。
悲しそうな顔をしている健司を見て、さらに涙があふれる。
『別れたくない~~捨てないでぇ~~!!』
涙でぐしょぐしょになりながら、健司にすがる。さっきは自分から別れようと言ったけれど、先に別れを切り出したのは夢の中の健司なのだ。別れたくない。
「言ってることが無茶苦茶……とりあえず、中に上がっていいか?」
『う…ん……』
健司は部屋の中に入って、机の上の缶酎ハイの缶を見て、悟ったようだ。
お酒のんで、別れよって言ったのに別れたくないって、ハチャメチャだと呆れられるだろう。
そんな私に愛想つかして出て行ってしまうかもしれないと思うと涙が止まらない。
号泣という表現では足りないほど泣いてしまう。
「酒くせーし、落ち着けって。さっきからどうしたんだよ…まず確認だけど、◯◯は俺のこと好きってことでいいんだよな?」
私は大きくうなずく。
「別れたくないんだよな?」
『…うん』
「じゃあ、別れようって言ったのはなんなんだ?」
『健司が夢の中で言った』
「は?」
『健司が夢の中で私に別れようって言ったの』
「じゃ夢ん中のことは取り消し。俺は別れない」
『本当に…?』
鼻を急にむぎゅって掴まれた。
『ふがっ…!』
「好きだぜ。な、夢じゃないだろ?」
『でもぉ……』
アルコールでふわふわした頭では、理解がおぼつかない。
『もっと……あ、お尻たたいて!いつもバスケの試合のメンバーに気合入れてるやつ』
「は?」
『あれ、やってくれたらきっと大丈夫…』
「マジかよ……仕方ねぇ…っしゃ!行くぜ」
健司が私の方に右手を置いて、左手でバシッとお尻を叩いた。
『痛っ!夢じゃない…ね?』
「…おう、大丈夫か?」
『うん、なんかくよくよしてたのが馬鹿らしくなった…へへへっ……』
私は、今度は気分がよくなって酎ハイの缶に手を伸ばす。けれど、その手は健司に止められた。
「ったく、ただの酔っ払いだな。ま、気分持ち直したなら、いいんだけどな」
『今日はいい日だな』
このセリフを最後に私の記憶は途絶えた。
その日の夜は、健司に甘やかされる夢を見た……となれば良かったのだが、泥のように眠り、翌朝は気持ち悪くて最悪だし、朝まで介抱してくれた健司にも怒られた。
やっぱり昨日は、最悪な一日だったのだった。
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2024.7.25.
Thanks for the character's request!!
とらさま、ありがとうございました。
ケツしばかれたい願望もがっつり入れさせてもらいました(*˘︶˘*)
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