性癖シチュ四大癖書
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2.両片思いなのに好きと言えないまま疎遠になって、偶然再会する。【三井寿】
寿くん、元気にしてるかな。
キラキラした笑顔を思い出して、まだ寿くんのことが好きで忘れられないことに気付く。
私は地元中学から都内の高校に進学してしまったから、卒業式以来、会う機会もないまま、高校三年生になってしまった。
駅や近くのコンビニとかで偶然会うことも無いし、彼がよくバスケをしていた公園を覗いたりもしてみたけれど、全く会えなかった。
湘北高校のバスケ部で全国を目指すと言っていたけれど、去年も一昨年も新聞やバスケ雑誌で彼の名前はもちろん、湘北高校という名前すら見つけることは出来なかった。
まだ、バスケ続けてるかな……
中学からの友達で、湘北高校に行っている子もいないから、全然情報も無いままだ。
高校では、彼を超えるほどの人に出会うこともなく、友達に「彼氏作りなよ」って紹介されても靡くことなく過ごしてきた。
このまま、短大に進学して、どんどん記憶が薄れていくのも寂しいな…って思ってるけれど、住んでいる家も知らない寿くんに会える望みは薄そうだ。
今日は、友達と買い物に行こうと待ち合わせ。思ったより早く着きすぎてしまった。駅前には、ガラの悪い男たちがたむろしているし、居心地は最悪だ。
……こういうの苦手なんだよな。
なんて思いながらも、なるべく距離を取ったところにいるけれど、向こうからなんとなく視線を感じる。
ちらっと視線を上げると、ガラの悪い男たちの内のサラサラストレートヘアの男が私の方を見ているようだ。
……なんか、見たことある…というか、
『もしかして、寿くん!?』
思わず出た大きな声に、向こうも気づいたようだ。
「知り合いか?」
という寿くんのお友達の声に、
「あー、まあ……」
歯切れの悪い返事が聞こえる。
「みっちゃん、行って来いよ」
「気になんだろ?」
「ちっ、めんどくせー」
なんて言いながら、私に近づいてきた。
『久しぶりだね。髪型で全然気づかなかった』
「まー、伸ばしたし」
『バスケ、どう?』
「は?見りゃわかんだろ。あんなん辞めたにきまってるだろ」
『ご、ごめん…』
あの頃のキラキラした寿くんはどこかに行ってしまったみたいだ。がっかりというより、何だか淋しい。
「じゃーな」
『あ、ごめんね。会えて……よかった』
「あ?んなわけねーだろ!こんな俺に会ったって…」
さらに寿くんは不機嫌になってしまった。
『ううん。ずっと会えたらいいなって思ってたから、嬉しいよ』
「そ、じゃ、ヤル?」
『……?』
意味が分かって、顔がカーッと熱くなる。
周りの子のそういう経験談は聞いたことがあっても、自分自身にそんな体験は無い。どうしていいか分からなくて、うつむいて、自分自身をぎゅっと抱きしめた。
「はー、嘘だよ。っつうか萎えた。おめーの記憶ん中の俺のことも、今の俺に会ったことも忘れろ」
『え……』
顔を上げると、寿くんは後悔をにじませ、遠くを見つめていた。そんな表情をする寿くんを私は知らない。中学の頃はいつも自信たっぷりで、成功を疑わないまっすぐな目をしていたのに。
寿くんは私に背を向けた。
『やだよ……』
その背中に向かって、私は声をふり絞る。
「は?勝手にしろ…」
小さな声だったけれど、確かに聞こえたそのセリフに私はぐっとこぶしを握った。かつて、寿くんが試合の前によくやっていたように。
『三井寿のこと忘れないから!』
仲間のところに戻っていく寿くんに、このセリフが届いたかは分からない。
もうこれっきり会えないのかもしれないけれど、大好きだったし、再会しても好きな気持ちが変わらない。ずっと忘れないよ……
なんて思っていたけれど、二回目の偶然は意外にも早く訪れた。それも、また思いもよらない形で……
「◯◯!?」
前回寿くんと会った時と同じ駅前の本屋にいたところで声をかけられた。
『えぇっ!寿くん??』
つい2カ月前に会った時は、長い髪の毛をしていたのに、バッサリと切ってすっきりしている。顔は絆創膏がはってあり、痛々しそうではあるが、前に会った時より表情も明るい。
「悪かったな」
『何が?』
「前、会った時、怖い思いさせて悪かった……」
少し顔を曇らせて、私に頭を下げた。
『謝らないで大丈夫だよ』
「いや、そういう訳には……」
二回目の偶然にまだドキドキが止まらないけれど、今日の寿くんなら昔みたいに気楽に話しかけても大丈夫な気がして、
『じゃ、ゆっくり話、聞かせて?許すかどうかは、高校に入ってからのこと聞いてからってのはどう?』
「マジか……それは、結構やべーな…」
『ふふ、でもさ、もう大丈夫って顔してる』
「そうか?……なあ、もし俺の話聞いて、許してくれるなら、また中学生ん時みてーにバスケ、応援してくれねぇ?試合見に来いとまでは言わねぇからさ」
『それも、話の内容次第かなぁ。でも、私、寿くんのこと好きだから、OKしちゃうかも』
こんなタイミングでしか言えない気がして、ずっと伝えられなかった二文字を伝えてみる。
「おまっ、す、好きって…」
顔をそむけた寿くんに途端に不安になる。
『……ごめん。重かった?』
「ちげー、俺もずっと好きだったんだよ。先に言われるとは思わなかったからよ…」
耳まで真っ赤なのは、勘違いなんかじゃなさそうだ。
偶然の再会のドキドキより、ずっと両想いだったことのドキドキの方が大きくなって、寿くんと目が合わせられない。彼の高校生の波乱の物語を聞いて、もっと好きになっちゃうのはもう少し後の話。
***
Thanks for the character's request!!
如月さま、ありがとうございました。
グレ期みっちゃんと会っても悲恋しか思いつかずなので2回出会ってもらいました(*´ω`*)
寿くん、元気にしてるかな。
キラキラした笑顔を思い出して、まだ寿くんのことが好きで忘れられないことに気付く。
私は地元中学から都内の高校に進学してしまったから、卒業式以来、会う機会もないまま、高校三年生になってしまった。
駅や近くのコンビニとかで偶然会うことも無いし、彼がよくバスケをしていた公園を覗いたりもしてみたけれど、全く会えなかった。
湘北高校のバスケ部で全国を目指すと言っていたけれど、去年も一昨年も新聞やバスケ雑誌で彼の名前はもちろん、湘北高校という名前すら見つけることは出来なかった。
まだ、バスケ続けてるかな……
中学からの友達で、湘北高校に行っている子もいないから、全然情報も無いままだ。
高校では、彼を超えるほどの人に出会うこともなく、友達に「彼氏作りなよ」って紹介されても靡くことなく過ごしてきた。
このまま、短大に進学して、どんどん記憶が薄れていくのも寂しいな…って思ってるけれど、住んでいる家も知らない寿くんに会える望みは薄そうだ。
今日は、友達と買い物に行こうと待ち合わせ。思ったより早く着きすぎてしまった。駅前には、ガラの悪い男たちがたむろしているし、居心地は最悪だ。
……こういうの苦手なんだよな。
なんて思いながらも、なるべく距離を取ったところにいるけれど、向こうからなんとなく視線を感じる。
ちらっと視線を上げると、ガラの悪い男たちの内のサラサラストレートヘアの男が私の方を見ているようだ。
……なんか、見たことある…というか、
『もしかして、寿くん!?』
思わず出た大きな声に、向こうも気づいたようだ。
「知り合いか?」
という寿くんのお友達の声に、
「あー、まあ……」
歯切れの悪い返事が聞こえる。
「みっちゃん、行って来いよ」
「気になんだろ?」
「ちっ、めんどくせー」
なんて言いながら、私に近づいてきた。
『久しぶりだね。髪型で全然気づかなかった』
「まー、伸ばしたし」
『バスケ、どう?』
「は?見りゃわかんだろ。あんなん辞めたにきまってるだろ」
『ご、ごめん…』
あの頃のキラキラした寿くんはどこかに行ってしまったみたいだ。がっかりというより、何だか淋しい。
「じゃーな」
『あ、ごめんね。会えて……よかった』
「あ?んなわけねーだろ!こんな俺に会ったって…」
さらに寿くんは不機嫌になってしまった。
『ううん。ずっと会えたらいいなって思ってたから、嬉しいよ』
「そ、じゃ、ヤル?」
『……?』
意味が分かって、顔がカーッと熱くなる。
周りの子のそういう経験談は聞いたことがあっても、自分自身にそんな体験は無い。どうしていいか分からなくて、うつむいて、自分自身をぎゅっと抱きしめた。
「はー、嘘だよ。っつうか萎えた。おめーの記憶ん中の俺のことも、今の俺に会ったことも忘れろ」
『え……』
顔を上げると、寿くんは後悔をにじませ、遠くを見つめていた。そんな表情をする寿くんを私は知らない。中学の頃はいつも自信たっぷりで、成功を疑わないまっすぐな目をしていたのに。
寿くんは私に背を向けた。
『やだよ……』
その背中に向かって、私は声をふり絞る。
「は?勝手にしろ…」
小さな声だったけれど、確かに聞こえたそのセリフに私はぐっとこぶしを握った。かつて、寿くんが試合の前によくやっていたように。
『三井寿のこと忘れないから!』
仲間のところに戻っていく寿くんに、このセリフが届いたかは分からない。
もうこれっきり会えないのかもしれないけれど、大好きだったし、再会しても好きな気持ちが変わらない。ずっと忘れないよ……
なんて思っていたけれど、二回目の偶然は意外にも早く訪れた。それも、また思いもよらない形で……
「◯◯!?」
前回寿くんと会った時と同じ駅前の本屋にいたところで声をかけられた。
『えぇっ!寿くん??』
つい2カ月前に会った時は、長い髪の毛をしていたのに、バッサリと切ってすっきりしている。顔は絆創膏がはってあり、痛々しそうではあるが、前に会った時より表情も明るい。
「悪かったな」
『何が?』
「前、会った時、怖い思いさせて悪かった……」
少し顔を曇らせて、私に頭を下げた。
『謝らないで大丈夫だよ』
「いや、そういう訳には……」
二回目の偶然にまだドキドキが止まらないけれど、今日の寿くんなら昔みたいに気楽に話しかけても大丈夫な気がして、
『じゃ、ゆっくり話、聞かせて?許すかどうかは、高校に入ってからのこと聞いてからってのはどう?』
「マジか……それは、結構やべーな…」
『ふふ、でもさ、もう大丈夫って顔してる』
「そうか?……なあ、もし俺の話聞いて、許してくれるなら、また中学生ん時みてーにバスケ、応援してくれねぇ?試合見に来いとまでは言わねぇからさ」
『それも、話の内容次第かなぁ。でも、私、寿くんのこと好きだから、OKしちゃうかも』
こんなタイミングでしか言えない気がして、ずっと伝えられなかった二文字を伝えてみる。
「おまっ、す、好きって…」
顔をそむけた寿くんに途端に不安になる。
『……ごめん。重かった?』
「ちげー、俺もずっと好きだったんだよ。先に言われるとは思わなかったからよ…」
耳まで真っ赤なのは、勘違いなんかじゃなさそうだ。
偶然の再会のドキドキより、ずっと両想いだったことのドキドキの方が大きくなって、寿くんと目が合わせられない。彼の高校生の波乱の物語を聞いて、もっと好きになっちゃうのはもう少し後の話。
***
Thanks for the character's request!!
如月さま、ありがとうございました。
グレ期みっちゃんと会っても悲恋しか思いつかずなので2回出会ってもらいました(*´ω`*)
