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両片思いの諸星達が、お互い距離を縮めたいのに中々縮まらないのが、もどかしくも切なかった~
と頂いた感想を元に書かせていただきました。
諸星くん&ヒロインちゃん共に高校二年生の設定です。
切夢なのでお気をつけください。
***
「また諸星君?」
『え?』
「喧嘩でもしたのかと思って」
『大君と?ううん、そんなことないけど……』
傍から見ると、付き合ってるも同然の距離感なのに、当の本人は、相変わらず片思いに悩んでいる。
「そう?ナマエが元気ない時はだいたい諸星大のことでしょ?」
『うっ……』
やっぱり彼のことで悩んでいるのだ。
この間は、大君がカッコよすぎて部活中彼ばかりを目で追いかけてしまう…他の部員のこともあるのにどうしよう……と悩んでいたけれど、今日もまた同じ悩みだろうか?
たまにバスケ部の練習風景を見に行くけれど、諸星君の我が友人への接し方を見ると明らかに好きだろうと分かるし、二人の距離感は近く感じる。
バスケ部のマネージャーと、バスケ部のキャプテンなんて恋愛マンガでだってド定番のお似合いのカップルだと思うのだけれど……
二人がどうして付き合っていないのか、こっちが聞きたいくらいだ。
私が、「諸星君、さっさと告白してあげなよ」って言えるほど親しければ良いのだが、あいにく諸星くんとは知り合いというより顔見知り程度の仲だ。
恋のキューピット役を買って出るには役不足の私は、友人の悩みを聞いたり、応援したりすることしか出来ない。
2月に入って、もうすぐ女子にとっての一大イベントがやってくるから、このチャンスを生かして欲しいと思っている私は、
「そういえば、もうすぐバレンタインだね~」
なんて、今思い出したように呟いた。
『そうなの。だから、悩んじゃって……』
ありゃ、そういうことか。
「いよいよ、告白するの?」
『違う。大君の負担になりたくないの。でも、ちょっとだけ特別なのあげたい…なぁって』
「ちょっとじゃなくて、堂々と特別なのあげたっていいじゃない?」
『それだと、他のみんなに悪いでしょ……』
本当にマネージャーの鑑、諸星君もこんなところに惹かれたに違いない。
「二人っきりの時にこっそり渡すのは?」
『大君と二人っきりなんて……』
チョコレートを渡すどころか二人っきりになるというだけで赤面しちゃうくらいピュアで可愛らしいところを見る度に、このまま諸星君と付き合わないで私にずっと恋の悩みを相談して欲しいなんていう独占欲じみた感情を持ちそうになってしまう。
「じゃあ、こっそり机とかに入れたら?…あ、でも諸星君モテるから、いっぱいかもね…」
あっ…これは余計な一言だった……
『そ、そうだよね……』
今度はがっくりとうなだれている。
「ごめんごめん。でもきっと諸星くんなら喜んでくれるって!直接渡せなくても、部室の諸星君だけが分かるとこに置くとかさ」
『うん、ありがと……』
それでもまだナマエは悩んでいるようだったけれど、バスケ部の皆へはチョコレートブラウニーを焼くというのでそれを手伝ったし、諸星君へのトクベツなチョコレートも一緒に選んだ。
――そして当日。
朝練を終えて、教室に現れたナマエは浮かない顔をしている。
『大君、チョコいっぱいもらってた…』
諸星君にチョコを渡すことは、出来なかったようだ。
廊下に諸星君の姿を見つけたけれど、他の女子がチョコレートを押し付けるように渡しているところが否が応でも目に入ってしまった。
何かこちらに向かって言いたげな表情ではあるけれど、友人を見ると俯いてしまっている。
「今日は、辞めといた方がいいかもね……ブラウニーは皆に配れた?」
『そっちは、大丈夫。もう皆に食べてもらったよ』
力なく笑うナマエに、「大君も食べた?」なんて聞けるはずもない。
『あのチョコ、自分で食べちゃおっかな』
「ううん、今日じゃなくても絶対渡した方が良いと思う」
『でもさ……』
今にも泣きそうな表情に、私もじんわり涙がこぼれ落ちそうだ。
「絶対大丈夫」の一言は今の彼女には響かないから、今は一緒に悲しんであげるしか出来ない。
早く二人に春が訪れますように…私は、ナマエが諸星君のために選んだ星型のチョコレートに祈りを込めた。
***
2024.2.2.
ナカさん感想ありがとうございました!
と頂いた感想を元に書かせていただきました。
諸星くん&ヒロインちゃん共に高校二年生の設定です。
切夢なのでお気をつけください。
***
「また諸星君?」
『え?』
「喧嘩でもしたのかと思って」
『大君と?ううん、そんなことないけど……』
傍から見ると、付き合ってるも同然の距離感なのに、当の本人は、相変わらず片思いに悩んでいる。
「そう?ナマエが元気ない時はだいたい諸星大のことでしょ?」
『うっ……』
やっぱり彼のことで悩んでいるのだ。
この間は、大君がカッコよすぎて部活中彼ばかりを目で追いかけてしまう…他の部員のこともあるのにどうしよう……と悩んでいたけれど、今日もまた同じ悩みだろうか?
たまにバスケ部の練習風景を見に行くけれど、諸星君の我が友人への接し方を見ると明らかに好きだろうと分かるし、二人の距離感は近く感じる。
バスケ部のマネージャーと、バスケ部のキャプテンなんて恋愛マンガでだってド定番のお似合いのカップルだと思うのだけれど……
二人がどうして付き合っていないのか、こっちが聞きたいくらいだ。
私が、「諸星君、さっさと告白してあげなよ」って言えるほど親しければ良いのだが、あいにく諸星くんとは知り合いというより顔見知り程度の仲だ。
恋のキューピット役を買って出るには役不足の私は、友人の悩みを聞いたり、応援したりすることしか出来ない。
2月に入って、もうすぐ女子にとっての一大イベントがやってくるから、このチャンスを生かして欲しいと思っている私は、
「そういえば、もうすぐバレンタインだね~」
なんて、今思い出したように呟いた。
『そうなの。だから、悩んじゃって……』
ありゃ、そういうことか。
「いよいよ、告白するの?」
『違う。大君の負担になりたくないの。でも、ちょっとだけ特別なのあげたい…なぁって』
「ちょっとじゃなくて、堂々と特別なのあげたっていいじゃない?」
『それだと、他のみんなに悪いでしょ……』
本当にマネージャーの鑑、諸星君もこんなところに惹かれたに違いない。
「二人っきりの時にこっそり渡すのは?」
『大君と二人っきりなんて……』
チョコレートを渡すどころか二人っきりになるというだけで赤面しちゃうくらいピュアで可愛らしいところを見る度に、このまま諸星君と付き合わないで私にずっと恋の悩みを相談して欲しいなんていう独占欲じみた感情を持ちそうになってしまう。
「じゃあ、こっそり机とかに入れたら?…あ、でも諸星君モテるから、いっぱいかもね…」
あっ…これは余計な一言だった……
『そ、そうだよね……』
今度はがっくりとうなだれている。
「ごめんごめん。でもきっと諸星くんなら喜んでくれるって!直接渡せなくても、部室の諸星君だけが分かるとこに置くとかさ」
『うん、ありがと……』
それでもまだナマエは悩んでいるようだったけれど、バスケ部の皆へはチョコレートブラウニーを焼くというのでそれを手伝ったし、諸星君へのトクベツなチョコレートも一緒に選んだ。
――そして当日。
朝練を終えて、教室に現れたナマエは浮かない顔をしている。
『大君、チョコいっぱいもらってた…』
諸星君にチョコを渡すことは、出来なかったようだ。
廊下に諸星君の姿を見つけたけれど、他の女子がチョコレートを押し付けるように渡しているところが否が応でも目に入ってしまった。
何かこちらに向かって言いたげな表情ではあるけれど、友人を見ると俯いてしまっている。
「今日は、辞めといた方がいいかもね……ブラウニーは皆に配れた?」
『そっちは、大丈夫。もう皆に食べてもらったよ』
力なく笑うナマエに、「大君も食べた?」なんて聞けるはずもない。
『あのチョコ、自分で食べちゃおっかな』
「ううん、今日じゃなくても絶対渡した方が良いと思う」
『でもさ……』
今にも泣きそうな表情に、私もじんわり涙がこぼれ落ちそうだ。
「絶対大丈夫」の一言は今の彼女には響かないから、今は一緒に悲しんであげるしか出来ない。
早く二人に春が訪れますように…私は、ナマエが諸星君のために選んだ星型のチョコレートに祈りを込めた。
***
2024.2.2.
ナカさん感想ありがとうございました!
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