頼られたい男【清田信長】
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何となくもやもやした気持ちのままで、部活を終え、いつもよりおしゃれをして、南海のバイト先に向かった。
土曜日の夜だけあって、店内は混んでいたが、一人の俺はカウンター席に座れた。
すぐに店長が気付いてくれて、
「おっ、ノブくんいらっしゃい!一人なんて珍しいね!」
「ちわっす。南海、何時上がりっすか?たまには一緒に飲みにいこーと思って」
そう言って、南海を探すと、ひきつった顔で客の男と話している南海が目に入った。
「南海ちゃん!ノブくん来たよ!」
店長がそういうと、ぱっと顔を輝かせて、
『はーい』
とパタパタと駆け寄ってきた。
俺のだと抱きしめたい気持ちを抑えて、南海の肩に手を置き、顔を近づけて耳元で、
「ビール、ちょうだい」
と注文した。
俺の不意打ちに真っ赤な顔で、
『うっ…うん!』
とカウンターにビールを注ぎに行った。
「よっ!ラブラブだね~」
なんて、店長にからかわれるが、このくらいしておかないと虫よけにならないだろう。
「南海って、いつもこんなにモテるんすか?」
「ノブくん、心配?あのお客さんが特にしつこいかな…いつもは、イケメンダーリンがいるんですって、南海ちゃん、満面の笑みで言うと引き下がるんだけどね」
店長はさらりと嬉しいことを言ってくれる。
ビールを持ってきた南海に向かって、わざと大きな声で、
「南海、まだ終わんねーの?早くデート行こうぜ!」
というと、慌てた様子で、
『ノブくん、声大きいよ!もうちょっとだから、いい子で待ってて!』
そう言われ、へいへいともらったビールに口付けた。
さっきのしつこそうな男をちらっと見ると、悔しそうな顔をしていて、俺は満足した。
「南海ちゃん、遅番の子来たし、もう上がっていいよ。ノブくん、待ってるしさ。それに、あのお客さんしつこいだろ?一杯飲んで、ラブラブしていきな」
『ありがとうございます』
南海は照れたように笑って、着替えに行った。
『ノブくん、お待たせ』
バイト中に結んでいた髪をほどいて、化粧を直した南海が俺のもとにやってきて、先ほどの俺と同じように耳元でささやいた。
『店長がラブラブしていけって』
今度は俺が顔を赤くする番だった。
カウンターの椅子をくっつけて、身体を寄せ合うように俺達は座った。
ビールで乾杯して、ぐびっと飲むと、
『今日はありがとね。最近、バイトでしつこい人多くて、まいってたんだ』
「もっと、俺を頼ってくれよ。いつも頼りっぱなしじゃ、かっこ悪いじゃん」
『ふふっ。そうだね。もっと頼るようにする』
そう言って、南海は俺の肩にもたれかかった。
南海のバイト先を出て、二件目の居酒屋で、南海は珍しくふらふらになるまで飲んだ。
自宅まで帰れなさそうだったので、迷った末、居酒屋から近い宿舎まで連れて帰ることにした。
宿舎で、牧さんとすれ違ったが、べろべろの南海を見ると驚いて、見逃してくれた。
俺のベッドに南海を寝かすと、うぅ…とうなって寝てしまった。
いつもは、酒に強く南海がつぶれたところを見たことなかった俺は、新鮮でちょっと面白い。
髪をなでてやると、気持ちよさそうに身じろぎをした。
もっと頼りになる男にならねーとな。
南海の寝顔を見て、そうつぶやいた。
翌朝、
『あぁぁ~!ノブくん!』
初めて俺の部屋に入った南海は、あまりの汚さに驚いていた。
母親のように掃除をし、賞味期限切れのお菓子やら、期限切れの振込用紙やらを見つけて、怒りの声をあらわにした。
その怒号は宿舎中に響き渡っただろう…
その度に、俺は小さくなって謝った。
『本当にノブくんは私がいないとダメみたいだね…』
「これからも、よろしくオネガイシマス」
この彼女には、一生頭が上がらなそうだ。
***
こぼれ話→頼られたい男【清田信長】
土曜日の夜だけあって、店内は混んでいたが、一人の俺はカウンター席に座れた。
すぐに店長が気付いてくれて、
「おっ、ノブくんいらっしゃい!一人なんて珍しいね!」
「ちわっす。南海、何時上がりっすか?たまには一緒に飲みにいこーと思って」
そう言って、南海を探すと、ひきつった顔で客の男と話している南海が目に入った。
「南海ちゃん!ノブくん来たよ!」
店長がそういうと、ぱっと顔を輝かせて、
『はーい』
とパタパタと駆け寄ってきた。
俺のだと抱きしめたい気持ちを抑えて、南海の肩に手を置き、顔を近づけて耳元で、
「ビール、ちょうだい」
と注文した。
俺の不意打ちに真っ赤な顔で、
『うっ…うん!』
とカウンターにビールを注ぎに行った。
「よっ!ラブラブだね~」
なんて、店長にからかわれるが、このくらいしておかないと虫よけにならないだろう。
「南海って、いつもこんなにモテるんすか?」
「ノブくん、心配?あのお客さんが特にしつこいかな…いつもは、イケメンダーリンがいるんですって、南海ちゃん、満面の笑みで言うと引き下がるんだけどね」
店長はさらりと嬉しいことを言ってくれる。
ビールを持ってきた南海に向かって、わざと大きな声で、
「南海、まだ終わんねーの?早くデート行こうぜ!」
というと、慌てた様子で、
『ノブくん、声大きいよ!もうちょっとだから、いい子で待ってて!』
そう言われ、へいへいともらったビールに口付けた。
さっきのしつこそうな男をちらっと見ると、悔しそうな顔をしていて、俺は満足した。
「南海ちゃん、遅番の子来たし、もう上がっていいよ。ノブくん、待ってるしさ。それに、あのお客さんしつこいだろ?一杯飲んで、ラブラブしていきな」
『ありがとうございます』
南海は照れたように笑って、着替えに行った。
『ノブくん、お待たせ』
バイト中に結んでいた髪をほどいて、化粧を直した南海が俺のもとにやってきて、先ほどの俺と同じように耳元でささやいた。
『店長がラブラブしていけって』
今度は俺が顔を赤くする番だった。
カウンターの椅子をくっつけて、身体を寄せ合うように俺達は座った。
ビールで乾杯して、ぐびっと飲むと、
『今日はありがとね。最近、バイトでしつこい人多くて、まいってたんだ』
「もっと、俺を頼ってくれよ。いつも頼りっぱなしじゃ、かっこ悪いじゃん」
『ふふっ。そうだね。もっと頼るようにする』
そう言って、南海は俺の肩にもたれかかった。
南海のバイト先を出て、二件目の居酒屋で、南海は珍しくふらふらになるまで飲んだ。
自宅まで帰れなさそうだったので、迷った末、居酒屋から近い宿舎まで連れて帰ることにした。
宿舎で、牧さんとすれ違ったが、べろべろの南海を見ると驚いて、見逃してくれた。
俺のベッドに南海を寝かすと、うぅ…とうなって寝てしまった。
いつもは、酒に強く南海がつぶれたところを見たことなかった俺は、新鮮でちょっと面白い。
髪をなでてやると、気持ちよさそうに身じろぎをした。
もっと頼りになる男にならねーとな。
南海の寝顔を見て、そうつぶやいた。
翌朝、
『あぁぁ~!ノブくん!』
初めて俺の部屋に入った南海は、あまりの汚さに驚いていた。
母親のように掃除をし、賞味期限切れのお菓子やら、期限切れの振込用紙やらを見つけて、怒りの声をあらわにした。
その怒号は宿舎中に響き渡っただろう…
その度に、俺は小さくなって謝った。
『本当にノブくんは私がいないとダメみたいだね…』
「これからも、よろしくオネガイシマス」
この彼女には、一生頭が上がらなそうだ。
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こぼれ話→頼られたい男【清田信長】
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