神くんとの一日【神宗一郎】
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【ポカリスウェットが狙う頬】
バスケ部の熱気は本当にすごい。
昼休みは練習を課せられた時間ではないのに、レギュラー部員が集まって、思い思いに練習している。
部員はたくさんいるけれど、私が目で追いかけるのは神くんただ一人。
私と同じように神くん目当ての女子も当然いるし、キャプテンの牧先輩や一年生の清田くん目当ての女子もいて、ギャラリーもそれなりに埋まっているから、改めてバスケ部人気を思い知らされる。
神くんにはギャラリーの声援は聞こえていないみたいに、冷静に、綺麗なフォームで、軽々と投げられたバスケットボールは、きれいな弧を描いてバスケットゴールに吸い込まれていく。
その軌道は、毎回、寸分も狂いの無いように見えるし、こんなに練習しなくてももう十分なんじゃあ…なんて運動が特段好きではない私なんかは思ってしまうけれど、神くんは一定のリズムで淡々とシュートの練習を続けている。
ひと際キリっとした顔でシュートを打った後にほっとした表情でシュートを打つのをやめた神くんは、コートサイドのタオルを手に取って汗を拭ってギャラリーを見上げた。
すぐにその瞳に私をとらえると、にこりと笑って軽く手を振ってくれた。
周りの神くん目当ての女の子たちの視線を感じて軽く冷や汗をかきながらも、いそいそと手を振り返す。
その後、神くんは着替えのためか荷物をもって体育館を出て行ってしまったから、私も一息つく。
ギャラリーのフェンスをぎゅっと握っていたから汗びっしょりだ。
時計を見れば、もう後10分ほどで昼休みも終わりの時間だ。
他のバスケ部の部員たちも片付けを始めて、ギャラリーの女の子たちも教室に戻り始めているから、私もそろそろ…と思っていると、
「あ、神くんお疲れ様!」
先ほどのギャラリーの女の子達の声が聞こえてくる。
なんで、神くん?
私の頭の中にははてながいっぱいの中、振り向いて状況を確かめようとするより早く、ほっぺにピタっと冷たいものが当てられた。
『ひゃっ!』
思わず声が出て、横を見れば、神くんのイタズラっぽく笑う顔が見える。
『じじ、神くん!?』
「そんなに驚かないでよ…」
ちょっと眉をひそめて不服そうな神くんに、再びポカリスウェットの缶がほっぺに押し当てられた。
『冷たいよ…』
「これ、応援に来てくれたお礼」
『いいの?』
「もちろん!」
『ありがとう』
「じゃ、戻ろうか」
何てことないように神くんは私の手をとって歩き始めた。
『ちょ、ちょっと…』
また心臓が飛び出そうな展開に、私はとにかくポカリを落とさない様についていくので精一杯だ。
「ねぇ、今日放課後の部活、ミーティングだけだから、一緒に帰ってくれる?」
『は、はい?』
「いいよね?」
手をさらにぎゅっと握られて、にこりと微笑まれたら、私が返す返事は一つしかない。
『う、うん…』
「教室で待ってて」
『分かった』
その返事に神くんは嬉しそうに目を細めた。
そんな神くんの表情は初めてで、繋がれた手をどうすることも出来ないし、ただただドキドキとうるさい胸の鼓動を聞きながら神くんの後を着いていく。
チャイムギリギリで教室に戻った私たちは、誰に気づかれることもなく手を繋いだまま席に着く。
授業が始まるとその手は自然と離されたけれど、私はポカリを仕舞うのも忘れたまま、ぽけーっと放課後までの時間を過ごすことになったのだった。
バスケ部の熱気は本当にすごい。
昼休みは練習を課せられた時間ではないのに、レギュラー部員が集まって、思い思いに練習している。
部員はたくさんいるけれど、私が目で追いかけるのは神くんただ一人。
私と同じように神くん目当ての女子も当然いるし、キャプテンの牧先輩や一年生の清田くん目当ての女子もいて、ギャラリーもそれなりに埋まっているから、改めてバスケ部人気を思い知らされる。
神くんにはギャラリーの声援は聞こえていないみたいに、冷静に、綺麗なフォームで、軽々と投げられたバスケットボールは、きれいな弧を描いてバスケットゴールに吸い込まれていく。
その軌道は、毎回、寸分も狂いの無いように見えるし、こんなに練習しなくてももう十分なんじゃあ…なんて運動が特段好きではない私なんかは思ってしまうけれど、神くんは一定のリズムで淡々とシュートの練習を続けている。
ひと際キリっとした顔でシュートを打った後にほっとした表情でシュートを打つのをやめた神くんは、コートサイドのタオルを手に取って汗を拭ってギャラリーを見上げた。
すぐにその瞳に私をとらえると、にこりと笑って軽く手を振ってくれた。
周りの神くん目当ての女の子たちの視線を感じて軽く冷や汗をかきながらも、いそいそと手を振り返す。
その後、神くんは着替えのためか荷物をもって体育館を出て行ってしまったから、私も一息つく。
ギャラリーのフェンスをぎゅっと握っていたから汗びっしょりだ。
時計を見れば、もう後10分ほどで昼休みも終わりの時間だ。
他のバスケ部の部員たちも片付けを始めて、ギャラリーの女の子たちも教室に戻り始めているから、私もそろそろ…と思っていると、
「あ、神くんお疲れ様!」
先ほどのギャラリーの女の子達の声が聞こえてくる。
なんで、神くん?
私の頭の中にははてながいっぱいの中、振り向いて状況を確かめようとするより早く、ほっぺにピタっと冷たいものが当てられた。
『ひゃっ!』
思わず声が出て、横を見れば、神くんのイタズラっぽく笑う顔が見える。
『じじ、神くん!?』
「そんなに驚かないでよ…」
ちょっと眉をひそめて不服そうな神くんに、再びポカリスウェットの缶がほっぺに押し当てられた。
『冷たいよ…』
「これ、応援に来てくれたお礼」
『いいの?』
「もちろん!」
『ありがとう』
「じゃ、戻ろうか」
何てことないように神くんは私の手をとって歩き始めた。
『ちょ、ちょっと…』
また心臓が飛び出そうな展開に、私はとにかくポカリを落とさない様についていくので精一杯だ。
「ねぇ、今日放課後の部活、ミーティングだけだから、一緒に帰ってくれる?」
『は、はい?』
「いいよね?」
手をさらにぎゅっと握られて、にこりと微笑まれたら、私が返す返事は一つしかない。
『う、うん…』
「教室で待ってて」
『分かった』
その返事に神くんは嬉しそうに目を細めた。
そんな神くんの表情は初めてで、繋がれた手をどうすることも出来ないし、ただただドキドキとうるさい胸の鼓動を聞きながら神くんの後を着いていく。
チャイムギリギリで教室に戻った私たちは、誰に気づかれることもなく手を繋いだまま席に着く。
授業が始まるとその手は自然と離されたけれど、私はポカリを仕舞うのも忘れたまま、ぽけーっと放課後までの時間を過ごすことになったのだった。