ハンター【河田雅史】
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『私、サバイバルできる男の子がいいの』
「オレ、キャンプとかアウトドア得意だぜ」
『…じゃあ、そこにいる鴨、仕留められる?』
「えっ…」
『…そっか…じゃあ、ごめんなさい』
木陰で居眠りをしていた俺は、気まずいことに告白の現場に居合わせてしまった。
しかも、告白されている彼女は、青木さん。
同じ学年の人目を惹く美人で、俺のバスケ部でもファンが多い。
教養の講義が同じというだけで、話したことはないが、綺麗な人だと思っていた。
あまり友達とつるんでいるところは見たことがなく、いつも前の方の席に座り、真面目に講義を受けている。
俺は、でかいこともあって、なるべく後ろに座り、睡眠学習だ。
せっかくあんなイケメンに告白されたのに、変な断り方してもったいない…なんて思って起き上がると、がさっと大きな音が出てしまった。
俺の出した音を聞いて、告白した男は、足早に去っていった。
『誰?』
そう声をかけられた俺は、
「すまん。聞くつもりはなかったんだ…」
そう謝った。
『えっと…確か…講義一緒の…』
「うはっ、俺のこと知ってるなんて光栄っす」
『大きいから目立ってますよ…あっ、私、あなたの名前知らなくて…』
遠慮がちに聞かれる。
「河田雅史。青木麻紀さんでしょ?」
『何で、私の名前を?』
「美人で有名だから、自然と覚えたというか…」
『雅史くん、その…どこから聞いてた?』
雅史くんなんて呼ばれたのは小学生以来で、俺は柄にもなくドキッとしてしまう。
「鴨を仕留められるかとかいうとこ…かな?」
『そっか。驚いたでしょ?』
「あれは、断るための冗談だろ?」
『……冗談じゃないって言ったら?』
「俺、鴨、仕留められるべ」
『へっ?』
青木さんが、驚いた声を出した。
いつもあまり表情を変えない青木さんの驚いた顔が嬉しくて、続けた。
「俺、秋田の山奥が実家で、昔から親父に狩りを教えてもらったりしてたし。多分、青木さんの想像を軽く超える山奥だべ。今、捕まえてくっか?」
『うん!雅史くん、お願い!』
青木さんは、目をキラキラ輝かせた。
「うっし!」
青木さんにそんな目で見つめられたら、俺はバスケの試合以上に緊張してしまった。
上着を脱いで、気配を殺して、鴨に近づく。
ばっと一思いに、捕まえる。
うはっ、成功!心の中でガッツポーズする。
『かっこいい…』
青木さんは、俺の方に駆け寄って、満面の笑みで見つめてきた。
女の子にそんな目で見られたことがない俺は、顔がほてるのを感じた。
「本当は、捌いてごちそうと言いたいが、勝手に捕まえて捌くのはダメだったはずだから、放すべ」
そう言って、池の方に鴨を放した。
『雅史くん、さっき会ったばかりでこんなこと言うのは、変かもしれないけど…私、雅史くんのこと、もっと知りたいって思ったの!だから、付き合ってください』
「へっ?」
今度は俺が驚く番だった。今…付き合ってって言われたような…
『ごめんなさい。いきなり言われても困りますよね…』
「いや、えっと、あの…青木さんが俺と付き合いたいって、その…」
『はい。もちろん、恋人同士になりたいという意味です』
「うはっ、嬉しいけど、その…俺なんかで、いいのか?」
俺は、だんだん混乱してきた。
こんな美人が、俺に付き合ってと言ってくるなんて。
『雅史くんが、いいと思ったんだけど…もう、何度も言わせないで!恥ずかしい』
ばしっと腕を叩かれた。
思ったより力強い。
「すっすまん。俺の方こそ、よろしくお願いします」
こんな出会い方で、俺と青木さんは付き合うことになった。
『じゃあ、早速、これからデートしよ?』
「えっ?あ…すまん!俺、バスケ部で、これから練習で」
『バスケやってるんだ!練習見に行っていい?』
「うはっ、良いけど…青木さん、つまんないかも?」
『青木さんじゃなくて、麻紀って呼んで?私、彼女でしょ?』
「…麻紀」
『雅史くん、照れてるの?』
「ばっ…その…」
俺は、真っ赤になった顔が恥ずかしくて、青木さん…じゃなくて、麻紀から顔をそむけた。
『ふふふ。体育館の場所分かんないから、今から練習なら、一緒に連れてって!』
そう言って、麻紀は俺の腕にしがみついた。
今まで彼女はおろか、女の子にこんなに積極的にされたことがない俺は、どうしていいかわからず、麻紀にされるがままに体育館へと向かった。
ギャラリーに案内すると、
『頑張ってね!ここで、終わるまで待ってる』
と満面の笑みで言われ、ドキドキしてしまう。
「…おう」
試合とはまた別の緊張感で、おれはそう返事するので精一杯だった。
今日は、練習になるのだろうか…
部室に入ると先輩や同級生に囲まれた。
「河田、おまえ、いつの間に青木さんと仲良くなったんだ!?」
「まるで美女と野獣じゃねえか!」
「オレ、狙ってたんのに、おまえに取られるなんて…」
チームメイトは口々にまくしたてる。
俺だって、彼女と釣り合わないことくらい分かっている。
しかも、彼女に押しに押されて、付き合うことになったというのも、男らしくなくてなんだか悔しい。
さっきまで夢見心地だった気分は消え、だんだんと自分のふがいなさに腹が立ってきた。
バスケであいつらを黙らせて、麻紀にいいとこ見せてやろうじゃねーかという気になってくる。
少し冷静になろうと、いつもより長めに外周をして、体育館に戻った。
シュート練習では、いつもより3Pの確率がいい。
これは、調子のいいところを見せられそうだとほっとした。
休憩時間にギャラリーを見上げると、キラキラとした目をした麻紀と目が合った。
雅史くーんなんて手を振ってくれる彼女がかわいくて、にかっと笑って手を振り返した。
「いちゃついてんじゃねーよ」
と先輩たちから、ツッコミが入る。
休憩後のミニゲームでは、いつも以上にキツイマークにあったが、それを蹴散らしてダンクを決めた。
中々いいところを見せられたんじゃないだろうか?
練習後、着替え終えたら、ギャラリーに麻紀を迎えに行った。
俺を見つけると駆け寄って、抱き着いてきた。
『本当にかっこよかった!』
チームメイトの視線が痛いが、そんなことより、軽くシャワーを浴びたとはいえ、汗臭くないだろうかなんてことを心配してしまう。
「麻紀の応援のおかげで、いつも以上に調子がよかったべ」
と照れくさい言葉をかける。
『よかった!今日は雅史くん家行っていい?ご飯作ってあげる』
「えっ?俺ん家?汚いが…」
『いいの、いいの!私は彼女なんだから!』
なんだかんだ彼女のペースに乗せられてしまっている。
もうこうなったら、この美人な彼女の言う通りにしてしまえと腹をくくった。
俺は、完全に彼女に捕らえられてしまったようだ。
「オレ、キャンプとかアウトドア得意だぜ」
『…じゃあ、そこにいる鴨、仕留められる?』
「えっ…」
『…そっか…じゃあ、ごめんなさい』
木陰で居眠りをしていた俺は、気まずいことに告白の現場に居合わせてしまった。
しかも、告白されている彼女は、青木さん。
同じ学年の人目を惹く美人で、俺のバスケ部でもファンが多い。
教養の講義が同じというだけで、話したことはないが、綺麗な人だと思っていた。
あまり友達とつるんでいるところは見たことがなく、いつも前の方の席に座り、真面目に講義を受けている。
俺は、でかいこともあって、なるべく後ろに座り、睡眠学習だ。
せっかくあんなイケメンに告白されたのに、変な断り方してもったいない…なんて思って起き上がると、がさっと大きな音が出てしまった。
俺の出した音を聞いて、告白した男は、足早に去っていった。
『誰?』
そう声をかけられた俺は、
「すまん。聞くつもりはなかったんだ…」
そう謝った。
『えっと…確か…講義一緒の…』
「うはっ、俺のこと知ってるなんて光栄っす」
『大きいから目立ってますよ…あっ、私、あなたの名前知らなくて…』
遠慮がちに聞かれる。
「河田雅史。青木麻紀さんでしょ?」
『何で、私の名前を?』
「美人で有名だから、自然と覚えたというか…」
『雅史くん、その…どこから聞いてた?』
雅史くんなんて呼ばれたのは小学生以来で、俺は柄にもなくドキッとしてしまう。
「鴨を仕留められるかとかいうとこ…かな?」
『そっか。驚いたでしょ?』
「あれは、断るための冗談だろ?」
『……冗談じゃないって言ったら?』
「俺、鴨、仕留められるべ」
『へっ?』
青木さんが、驚いた声を出した。
いつもあまり表情を変えない青木さんの驚いた顔が嬉しくて、続けた。
「俺、秋田の山奥が実家で、昔から親父に狩りを教えてもらったりしてたし。多分、青木さんの想像を軽く超える山奥だべ。今、捕まえてくっか?」
『うん!雅史くん、お願い!』
青木さんは、目をキラキラ輝かせた。
「うっし!」
青木さんにそんな目で見つめられたら、俺はバスケの試合以上に緊張してしまった。
上着を脱いで、気配を殺して、鴨に近づく。
ばっと一思いに、捕まえる。
うはっ、成功!心の中でガッツポーズする。
『かっこいい…』
青木さんは、俺の方に駆け寄って、満面の笑みで見つめてきた。
女の子にそんな目で見られたことがない俺は、顔がほてるのを感じた。
「本当は、捌いてごちそうと言いたいが、勝手に捕まえて捌くのはダメだったはずだから、放すべ」
そう言って、池の方に鴨を放した。
『雅史くん、さっき会ったばかりでこんなこと言うのは、変かもしれないけど…私、雅史くんのこと、もっと知りたいって思ったの!だから、付き合ってください』
「へっ?」
今度は俺が驚く番だった。今…付き合ってって言われたような…
『ごめんなさい。いきなり言われても困りますよね…』
「いや、えっと、あの…青木さんが俺と付き合いたいって、その…」
『はい。もちろん、恋人同士になりたいという意味です』
「うはっ、嬉しいけど、その…俺なんかで、いいのか?」
俺は、だんだん混乱してきた。
こんな美人が、俺に付き合ってと言ってくるなんて。
『雅史くんが、いいと思ったんだけど…もう、何度も言わせないで!恥ずかしい』
ばしっと腕を叩かれた。
思ったより力強い。
「すっすまん。俺の方こそ、よろしくお願いします」
こんな出会い方で、俺と青木さんは付き合うことになった。
『じゃあ、早速、これからデートしよ?』
「えっ?あ…すまん!俺、バスケ部で、これから練習で」
『バスケやってるんだ!練習見に行っていい?』
「うはっ、良いけど…青木さん、つまんないかも?」
『青木さんじゃなくて、麻紀って呼んで?私、彼女でしょ?』
「…麻紀」
『雅史くん、照れてるの?』
「ばっ…その…」
俺は、真っ赤になった顔が恥ずかしくて、青木さん…じゃなくて、麻紀から顔をそむけた。
『ふふふ。体育館の場所分かんないから、今から練習なら、一緒に連れてって!』
そう言って、麻紀は俺の腕にしがみついた。
今まで彼女はおろか、女の子にこんなに積極的にされたことがない俺は、どうしていいかわからず、麻紀にされるがままに体育館へと向かった。
ギャラリーに案内すると、
『頑張ってね!ここで、終わるまで待ってる』
と満面の笑みで言われ、ドキドキしてしまう。
「…おう」
試合とはまた別の緊張感で、おれはそう返事するので精一杯だった。
今日は、練習になるのだろうか…
部室に入ると先輩や同級生に囲まれた。
「河田、おまえ、いつの間に青木さんと仲良くなったんだ!?」
「まるで美女と野獣じゃねえか!」
「オレ、狙ってたんのに、おまえに取られるなんて…」
チームメイトは口々にまくしたてる。
俺だって、彼女と釣り合わないことくらい分かっている。
しかも、彼女に押しに押されて、付き合うことになったというのも、男らしくなくてなんだか悔しい。
さっきまで夢見心地だった気分は消え、だんだんと自分のふがいなさに腹が立ってきた。
バスケであいつらを黙らせて、麻紀にいいとこ見せてやろうじゃねーかという気になってくる。
少し冷静になろうと、いつもより長めに外周をして、体育館に戻った。
シュート練習では、いつもより3Pの確率がいい。
これは、調子のいいところを見せられそうだとほっとした。
休憩時間にギャラリーを見上げると、キラキラとした目をした麻紀と目が合った。
雅史くーんなんて手を振ってくれる彼女がかわいくて、にかっと笑って手を振り返した。
「いちゃついてんじゃねーよ」
と先輩たちから、ツッコミが入る。
休憩後のミニゲームでは、いつも以上にキツイマークにあったが、それを蹴散らしてダンクを決めた。
中々いいところを見せられたんじゃないだろうか?
練習後、着替え終えたら、ギャラリーに麻紀を迎えに行った。
俺を見つけると駆け寄って、抱き着いてきた。
『本当にかっこよかった!』
チームメイトの視線が痛いが、そんなことより、軽くシャワーを浴びたとはいえ、汗臭くないだろうかなんてことを心配してしまう。
「麻紀の応援のおかげで、いつも以上に調子がよかったべ」
と照れくさい言葉をかける。
『よかった!今日は雅史くん家行っていい?ご飯作ってあげる』
「えっ?俺ん家?汚いが…」
『いいの、いいの!私は彼女なんだから!』
なんだかんだ彼女のペースに乗せられてしまっている。
もうこうなったら、この美人な彼女の言う通りにしてしまえと腹をくくった。
俺は、完全に彼女に捕らえられてしまったようだ。
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