平穏な日々。
私にはそれだけでつまらない毎日だ。

私の目は翠色、髪は赤茶色のいわゆるハーフだ。

そのせいか20年友達と呼べる人も少ない。

私の恋人はゲームの中の“彼”だけである。

「疲れたー！仕事遅くなっちゃったなぁ…早く帰らなきゃ」

愛紗美はそう言うと足早々に歩く。

疲れているせいかいつもの道のりがやたら遠い。そして足元の石につまずき転けてしまった。

「あーもうやだ…私の人生……。早くクラウドに会いたい」

早く帰ってゲームをしよう、
そう思い重い腰をあげた。
つまずいた石をよく見てみると綺麗に装飾されているネックレスだった。

「…綺麗……何だか吸い込まれそうなくらい素敵♪これはもうけもんかな」

帰り道重たい足取りが、
素敵なネックレスのおかげで足取りが軽くなった。

このネックレスが運命を変えるとも知らずに……




家に帰りシャワーを浴び、疲れた体を引きずりゲームをし、
いつも通り眠りにつく。

「今日も独り…か……明日も……。もう独りはやだよパパ、ママ………」

早くに他界した父と母。

「誰かに愛されたいと願うのは罪ですか…神様………私はもう独りは嫌です」

愛紗美は泣きながら眠りについた。

先ほど拾ったネックレスが淡く光だしているのに気が付かず……