トモダチこれくしょん?
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甚爾の家へと続く道。夜風を切り裂くような足取りで、彼はナマエを肩に担いだまま玄関のドアを蹴破るようにして開けた。
甚爾「おい、直哉。今日から新しい住人が増える。邪魔すんじゃねぇぞ」
リビングのソファで不機嫌そうに雑誌を眺めていた禪院直哉が、弾かれたように顔を上げた。端正な顔立ちを歪め、鋭い視線が甚爾と、その肩で戸惑うナマエを射抜く。
直哉「……は? 甚爾君、何言うてんの。そこの女、誰や。まさか、それをここに住まわせるつもりか?」
甚爾はナマエを無造作にソファへ下ろした。ナマエは乱れた服を整えながら、直哉の突き刺さるような冷たい視線に身を縮める。直哉は立ち上がり、ナマエの目の前まで歩み寄ると、見下すように鼻を鳴らした。
直哉「自分、何者や。甚爾君に色目使って、ええ度胸してるやん。……甚爾君、説明してえな。俺という恋人がいながら、こんな新人の素性も分からん女を連れ込むなんて、冗談にも程があるわ」
甚爾「恋人? ああ、そんな設定もあったな。……だが、こいつは特別だ。この島の『神様』なんだよ。俺を一番に選んだな」
甚爾は直哉の「設定て…!けったいな、、」という抗議を無視し、ナマエの隣にどっかと腰を下ろした。その大きな手がナマエの肩を抱き寄せ、見せつけるように指先で彼女の鎖骨をなぞる。
直哉「神様やと? 笑わせんといて。少し綺麗なだけな女やないの。おい、自分。甚爾君から離れえや。見てて反吐が出る」
直哉がナマエの腕を掴もうと手を伸ばした、その時。
閉め忘れていた玄関から、二つの不穏な影が滑り込んできた。
夏油「残念ながら、そこまでにしてもらおうか。甚爾、君のやり方はあまりに独りよがりだ」
柔らかな、けれど凍てつくような冷気を孕んだ夏油の声。
その後ろには、目隠しを外した五条が、宝石のような瞳をギラつかせて立っていた。
五条「独り占めはルール違反。この島の住人はみんな平等に、ナマエを愛でる権利があるんだよ。……ねえ、甚爾。力ずくで奪われる気分って、どう?」
五条が指先を向けると、空間が微かに歪む。甚爾は舌打ちし、ナマエを自分の背後に隠した。
甚爾「五条、傑……。しつけぇんだよ、お前ら。せっかくの初夜を邪魔するんじゃねぇ」
直哉「……五条君に夏油君まで? 一体何が起きてるんや……」
状況に置いてけぼりにされた直哉が絶句する中、庭に面した窓から、必死の形相をした恵が飛び込んできた。
恵「ナマエさん!!」
恵の息は上がり、髪は乱れ、瞳には涙を堪えたような光がある。一度は絶望に沈んだはずの彼を動かしたのは、理屈ではない、彼女を奪われたくないという本能だった。
恵「甚爾……ナマエを離せ。あんたみたいな人に、彼女を任せるわけにはいかない。たとえ俺が選ばれなかったとしても……あんたに利用されるのを、ただ見てるなんてできないんだ」
甚爾「ハッ、面白い。ガキのくせに親に牙剥くか?」
狭いリビングで、最強の男たちが一人の女性を巡って対峙する。
甚爾の強引な領有欲。直哉のプライドを傷つけられた嫉妬。五条と夏油の冷徹な独占欲。そして、恵の泥臭く、純粋な執着。
ナマエ(……どうして、こんなことに……っ)
男たちの荒い呼吸と、張り詰めた呪力が空気を震わせる。ナマエを掴む甚爾の手の力が強まり、反対側からは五条がその細い手首を狙って手を伸ばしていた。
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