トモダチこれくしょん?
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五条と夏油が同居する家は、外観のモダンさ以上に、内装も二人のこだわりがぶつかり合う奇妙な調和を保っていた。
高級ホテルのような洗練されたリビングに、五条が買い込んだであろう派手な雑貨や、夏油が好む落ち着いた和の調合香が混ざり合う。ナマエは玄関を抜けた瞬間、形容しがたい既視感に足を止めた。
ナマエ「あ、あの……私……家のデザインや部屋に見覚えがあって……」
その呟きは、背後で扉を閉めた音と重なった。
カチャリ、という静かな施錠の音が、なぜかひどく重々しく響く。
甚爾「ん?……あぁ。もしかして、お前…どこか見覚えがあると思ったが…画面の向こう側の奴か? もしかするとプレイヤー様がここに来たってのか?」
ソファに深く腰掛け、ナマエを品定めするように見ていた甚爾が、鼻で笑いながらそう言った。その言葉に、ナマエの背筋を冷たいものが走る。
ナマエ「……こちら側から、画面の向こうって見えてたんですか」
室内の空気が一気に変わり、問いかける声が震える。
隣に立っていた夏油が、ナマエの肩にふわりと手を置いた。細長い指先が、首筋の柔らかな肌をかすめるようにして、そのまま耳元へと近づく。
夏油「あぁ、知ってるよ。現れない時だって私達は生活してるけど……なにか?」
傑の声音は穏やかだが、その瞳は笑っていない。
むしろ、今まで自分たちを「操作」し、「観察」し、神のように気まぐれに食べ物や服を与えていた存在が、いまや自分たちより遥かに小さく無防備な肉体を持って目の前に現れたことへの、暗い愉悦と独占欲が滲んでいる。
五条「そーいうこと! ナマエ、君が画面をタップして僕らに話しかけるたび、結構嬉しかったんだよ?」
五条が反対側からナマエの腰を抱き寄せ、顔を覗き込んできた。射抜くような視線。彼はわざとらしく、ナマエの耳たぶに自分の鼻先を押し当て、深く呼吸した。
五条「へぇ……画面越しじゃ分かんなかったけど、ナマエってこんなにいい匂いするんだ。ねえ、心臓バクバク言ってるよ? 怖いの? それとも、僕らにこうされるの、本当は期待してた?」
ナマエ「っ……離して、悟さん……っ、。どうしてそんな、そんな意地悪な事言わないで……」
ナマエが身をよじって逃げようとするが、二人の大男に挟まれた状態では、その抵抗はあまりに無力だった。五条の腕は鋼のように強固で、夏油の手はいつの間にかナマエの手首を優しく、けれど確実に拘束している。
夏油「意地悪? 滅相もない。ただ、立場が変わったのだと実感してほしくてね。今までは君が私たちを管理していたけれど、この島に落ちた以上、君の衣食住のすべてを握っているのは私たちだ。……もう、あの画面を閉じて逃げることはできないんだよ?」
恵「……いい加減にしてください」
一歩引いた場所で、恵が殺気すら感じる視線を大人たちに向けていた。
恵「ナマエさんは、あんたたちの玩具じゃない。……ナマエさん、こっちに来てください」
恵はナマエを助け出しようと手を伸ばすが、甚爾がその行く手を遮るように足を投げ出した。
甚爾「待てよ、恵。プレイヤー様のご降臨だぞ? 散々上から目線で俺たちの人生弄んでくれたんだ、下々の俺たちが手厚く『もてなして』、二度とあっちの世界に帰れねえように飼い慣らすのが筋ってもんだろ」
ナマエ「帰れない、って……そんな、嘘でしょう……?」
絶望に目を見開くナマエの様子に、大人たちは満足げに目を細める。一触即発の空気が流れる中、夏油がナマエの髪を一房手に取り、愛おしそうに唇を寄せた。
夏油「恵、そんなに怖い顔をしないでくれ。私たちはただ、彼女にこの『世界』を存分に楽しんでもらいたいだけだよ。ねえ、ナマエ……君が作ったこの関係性、この島での生活。今度はその身で、直接味わってみるといい」
五条「あは、傑の言う通り。これからは僕たちが君の『トモダチ』になってあげる。仲良く…してね?」
逃げ場のない室内。
五条の心拍が背中から伝わり、夏油の白檀の香りが鼻腔を支配する。
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