トモダチこれくしょん?
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世界が「再起動」された広場には、何事もなかったかのように穏やかな時間が流れていた。
五条や夏油、そして甚爾たちの記憶からは、昨夜の生々しい争奪戦も、ナマエが「管理者」であるという決定的な事実も消し去られている。
今の彼らにとって、ナマエは「どこからか新しくやってきた、少しミステリアスな住人」でしかない。
五条「……ねえ傑。あの子、なんだか放っておけない気しない? 初対面のはずなんだけど、視界に入るとどうしても追っちゃうんだよね」
夏油「奇遇だね、悟。私も同じことを考えていたよ。魂が知っているというか……何か、決定的な縁を感じる」
二人は遠巻きにナマエを見つめる。記憶はなくても、六眼や呪術師としての本能が、彼女の持つ「異質さ」に無意識の反応を示していた。
しかし、その「気になる存在」であるナマエの隣には、常に影のように寄り添う少年がいた。
恵の頭上には、システム上の【片想い】マークがふわふわと浮いている。住人たちからすれば、恵が新入りのナマエに一目惚れし、不器用につきまとっている――そんな「いつもの島風景」に見えるはずだった。
甚爾「よぉ、新しい住人か? 俺は甚爾。よろしく」
ふらりと近づいてきた甚爾が、プログラムされた定型文通りの挨拶を投げかける。ナマエは心臓をバクつかせながらも、なんとか平静を装って返した。
ナマエ「……初めまして、ナマエです。よろしくお願いします」
その瞬間。
隣に立つ恵の瞳に、どろりとしたどす黒い光が宿った。
恵「……挨拶は済みましたよね。甚爾さん、俺たち急いでるんで。行こう、ナマエさん」
恵は甚爾を射殺さんばかりの視線で睨みつけると、ナマエの肩を抱き寄せ、半ば強引にその場を離れた。
甚爾「……あぁ? なんだあいつ。えらい殺気立ってんな」
五条「恵のあんな独占欲、初めて見たかも。よっぽどあの子に惚れ込んでるんだねえ」
大人たちは「若者の初恋」を微笑ましく眺めるような軽口を叩くが、ナマエだけは知っていた。恵の腕が、服の上からでもわかるほど怒りで震えていることを。
恵「……アイツの気配が、アンタにつくのが耐えられない。……リセットされたって、俺が一番だってことは変わらないはずだ」
二人きりの角に差し掛かった瞬間、恵はナマエを壁に押し込んだ。彼の指がナマエの頬を強く、痕がつくほどに撫でる。
恵「挨拶なんて二度としなくていい。返事もしなくていい。……アンタの言葉も、表情も、俺だけのものだ。……忘れたなんて、言わせませんよ」
「ただの片想い」を演じながら、その裏でナマエを精神的に監禁し、囲い込もうとする恵。記憶のない大人たちがナマエに惹かれれば惹かれるほど、恵の「演技」には狂気的な執着が混じり始めていく。
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