トモダチこれくしょん?
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視界が強烈な白に染まり、耳の奥でキーンという高い電子音が響いた。
五条の冷たい指先がナマエの手に重なり、強制的に「リセット」を確定させた瞬間、世界の輪郭が一度溶けて再構築される。
次に目覚めたとき、ナマエは島の中央にある広場のベンチに座っていた。
空は抜けるように青く、潮騒の音はどこまでも穏やかだ。
五条「おはよ、ナマエ。顔色悪いけど、変な夢でも見た?」
隣でひょいと顔を覗き込んできたのは、蒼い双眼と白いふわふわの髪をあどけなく揺らした五条だった。その態度には、昨夜の凍りつくような冷徹さも、ナマエを追い詰めた執念も見当たらない。夏油も、甚爾も、まるで「新しい住人が降臨した直後」の、ただの陽気な住人の顔をして笑っている。
--リセットは成功したはずだった。
ナマエの肌に残っていた生々しい赤みも、内側に残っていた熱い違和感も、システム上は「無かったこと」として完全に処理されている。
ーーけれど。
恵「……ナマエさん、お迎えにきました」
少し離れた場所から歩み寄ってきた恵を見て、ナマエの心臓が不自然に跳ねた。
彼はいつものように、真面目で、少し不器用そうな表情を浮かべている。
恵「昨日……いや、今さっき降ってきたばかりで、疲れてるんでしょう? ひとまず、俺の家で休みませんか。……少し、お話したいこともありますし」
…その声、その視線。
五条たちは、記憶を失くし、恵が昨夜の暴走を忘れた「無垢な生徒」に戻ったと信じきっている。
だが、ナマエの手を握る恵の指先が、ほんの少しだけ震え、昨夜と同じ強さで、指の骨が軋むほど強く食い込んだ。
恵「……ほかの大人に、管理者だとバレなきゃいいんだ。最初から俺だけを見てくれればいい――」
恵は五条たちに背を向けた瞬間、ナマエの耳元で、誰にも聞こえないほど細い、けれど狂気に満ちた声で囁いた。
ナマエ「……恵、くん……? あなた、まさか……」
恵「……何も言わないで。俺たちが何をしていたか、俺だけが覚えていればいい。リセットなんて、所詮はデータの書き換えだ。魂に刻まれたことは、消せやしないんですよ」
恵の瞳の奥に、真っ黒な情熱が居座っている。
彼は他の住人たちの前では完璧に「ただの友達」を演じながら、繋いだ手の中では、ナマエの掌を執拗に爪でなぞり、昨夜の愛撫を思い出させようとする。
恵「さあ、行きましょう。……『二人きり』で」
リセットされたはずの世界で、恵だけがバグのように「真実」を抱え込んだまま、ナマエを再び檻へと誘う。
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