トモダチこれくしょん?
夢小説設定
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恵のワンルームは、彼の性格を映したように必要最低限の家具しか置かれていなかった。けれど、その余白の多い空間が、今はかえって逃げ場のない檻のようにナマエを追い詰める。
背中に感じる冷たい壁と、目の前にある恵の熱い体温。
恵「……アンタが俺を好きになる『設定』に、今すぐ書き換えてください。……できますよね? 管理者なら」
…恵の声は低く、ひび割れていた。
彼はナマエの首筋に顔を埋め、深く、肺の奥まで彼女の香りを吸い込む。吐息が直接肌を撫で、ナマエの背筋にゾクリとした戦慄が走った。
ナマエ「恵くん、落ち着いて……。設定なんて、そんなに簡単に……」
恵「……何度も会えば、イベントが発生しますよね?」
恵はナマエの言葉を遮り、縋るような力強さで彼女の腰を抱き寄せた。不器用なほど強く回された腕が、ナマエの自由を奪う。彼は首筋に唇を押し当てたまま、こもった声で執拗に言葉を紡いだ。
恵「俺とこの部屋で、『何度も会えば』いいんです。……外に出る必要なんてない。食事だって、あなたがメニュー画面から出せばいい。そうやって俺と二人きりで時間を過ごせば、システム上、確率は上がるはずだ」
ナマエ「そんなの……」
恵「……俺のステータス、今すぐ見れますよね? 好感度も、交友関係も、空腹も。全部見てください。……俺の心の中は、もう、あなた一色で壊れそうなんだ」
恵が顔を上げ、ナマエを至近距離で見つめた。
真面目で清廉だったはずの瞳は、今や濁った独占欲と、拒絶されることへの恐怖で揺れている。彼はナマエの震える手を取り、強引に空中へメニュー画面を呼び出させた。
恵「ほら、俺の項目を開いて。……イベント、発生してるでしょう? 『恋の悩みを聞く』でも、『デートに誘う』でもいい。……俺のイベントに、OKを出してください。そうすれば、あなたは俺のものになる」
画面上に浮かぶ恵のアイコン。そこには確かに、ピンク色に激しく脈打つようなアイコンが点滅していた。
恵「ボタン一つでいい……。俺を、あなたの『特別』に設定してくれ。……それとも、やっぱり俺じゃダメですか? 五条先生や夏油さん、親父みたいな、余裕のある大人がいいんですか?」
恵の指が、ナマエの指に重なる。
震える指先を誘導し、決定ボタンへと導いていく。彼の体温は驚くほど高く、ナマエを縛り付ける腕には、絶対に離さないという狂気じみた執着が宿っていた。
もしここで頷けば、恵はこの部屋を永遠に閉ざすだろう。
管理者の権限を、自分一人を愛するためだけの道具として消費させようとする少年の、あまりに切実で生々しい反乱。
恵「……返事、してください。ナマエさん……」
首筋に再び、熱い唇が落とされる。それは親愛の証などではなく、自分だけの所有物であることを刻み込もうとする、歪な烙印のようだった。
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