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3章 星を継ぐ希求
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※微裏
親愛を確かめる猫の毛繕いのように、甚爾の唇がナマエの額から頬、および顎のシャープな輪郭へと這う。肌が擦れ合うたびに、彼の熱い吐息がナマエの吐息と重なり合って、部屋の空気を一層濃密に変えていった。
互いが放つ固有の磁力のようなものに、頭の芯がクラクラと麻痺していく。
ナマエは、自身の体内に残るわずかな力を必死に手繰り寄せた。魔力切れの深刻な疲弊と、あの海底で浴びた地脈の澱の悪影響のせいで、鉛のように重く怠くなってしまった腕を動かす。
そして、甚爾の逞しい胸を滑らせるようにして、ゆっくりと彼の太い首の後ろへと回した。
初めてナマエの側から彼を強く抱きしめるような、躊躇いがちでありながらも明確な温かさが伝わる。その瞬間、甚爾の容赦のない愛撫がピタリと止まった。
甚爾「……ナマエ」
二人は至近距離で、お互いの瞳を見つめ合う。
潤んでしっとりと濡れた彼女の瞳に、甚爾はまるで底なしの深淵に吸い込まれていくかのような、強烈な錯覚を覚えていた。いつもは冷徹に世界を見つめる彼の黒い瞳が、今は揺るぎない熱を帯びてナマエだけを映している。
ナマエ「甚爾……さん」
ナマエは、掠れそうな小さな声で、その愛しい男の名を呼んだ。
ナマエ「……不思議なんです。あなたにこうして強く抱きしめられると、僕の胸の奥から、言葉にできないほど温かくて、嬉しくて、それなのに少しだけ切ない気持ちが、全身の血の巡りと一緒に駆け巡るようになったんです。……もしかして、これが、人間の言う……『好き』という気持ちなんでしょうか」
ナマエの紫色の瞳には、未知の感情に直面した戸惑いと、それを素直に差し出す純粋な視線が混ざり合っていた。
その言葉を聞いた瞬間、甚爾は一瞬だけ驚いたように目を見開いた。驚愕の後に、彼の強面の顔がゆっくりと和らぎ、静かに口の端を弓なりに釣り上げる。彼は低く、落ち着いた、包み込むような声色で応えた。
甚爾「……あぁ、そうだ。それが『好き』って感情だ。……そして、どうしようもなく相手が愛おしい、って言う気持ちだ。他の誰でもねぇ、俺に対してそれを持ったんだ。一生忘れるな、…覚えとけ」
甚爾は、ナマエの答えを完全に奪い去るように、再びその唇を重ねた。
彼の分厚い舌が、躊躇いもなくナマエの小さな口内へと深く侵入してくる。不器用に、けれど圧倒的な質量で舌が触れ合い、互いの唾液を絡め合うと、ナマエの脳は甘く、痺れるような感覚に満たされていった。
言葉を超えて、心が直接重なり合っていく。すべてが融け合って、一つの生き物になってしまいたいと本気で願うほど、二人は貪り合うように、深い深いキスを交わし続けた。
激しく舌を絡め合うままに、甚爾の大きな指先は、彼の黒いTシャツを纏うナマエの、華奢な身体の輪郭をゆっくりと走っていた。
さっきまで細い腰を大きな掌で撫でていた指が、滑らかな腹の皮を通り、徐々に上へと這い上がってくる。そして、Tシャツの薄い生地越しに、胸の柔らかな蕾をわずかに指先がかすめた瞬間、ナマエの身体がビクリと不随意に跳ね上がった。
ナマエ「んっ……、ンン……」
甚爾の指先はそのまま離れ、鎖骨、剥き出しになった首筋、敏感な耳の裏、銀髪を優しく撫で上げていく。しかし、彼の指先が肌の上を這うたびに、まるで微量の電気が走るような、甘くゾクゾクとした戦慄がナマエの全神経を激しく揺さぶる。
ふと唇が離れたとき、甚爾の表情は完全に情欲の熱に浮かされていた。その普段の傲慢さとは裏腹な、どこか切なさを孕んで憂う瞳が、ナマエの心を激しく揺さぶる。
甚爾「ナマエ……お前が好きだ。あの頭の固い機械に言われたからじゃねぇ。任務だの何だのの関係もねぇ。……お前を一目見たあの時から、俺はお前が欲しくてたまらなかったんだよ」
甚爾は絞り出すように呟くと、ナマエの細い首筋に顔を埋め、今度は自身の舌で、その白い肌を割るようになぞり始めた。
ナマエ「甚爾さん……っ、あ……」
ナマエの熱い吐息が、彼の耳元で小さく弾ける。
甚爾の大きな指先は、再びナマエの胸の蕾へと戻ってきた。しかし、彼の普段の荒々しく豪快な戦闘の様子からは意外なほどに、そのタッチはさわさわと優しく、絶妙な速度で、ゆっくりとそこを刺激してくる。
少しくすぐったいような、けれど、絶対に抗うことのできない、身体の奥深くが疼く感覚。ナマエの意思や理性の働きとは全く無関係に、下半身がヒクヒクと熱い愛液を求めて反応してしまう。
…じわりと、自らの身体の芯が、内側から沸騰するように熱くなっていくのをナマエは生々しく感じていた。
刺激によってツンと硬く立ち上がった胸の蕾を、甚爾が今度は指先でカリカリと、少しだけ爪を立てて強く刺激した。
ナマエ「……っ、あ、っ……」
ナマエの口から、耐えきれない甘い悲鳴が漏れ出た。
その尖った刺激に連動するように、子宮の奥がキュンと切なく疼き、ますます彼を求めて収縮してしまう。自分自身の身体の構造よりも、目の前にいるこの男の方が、よほど私の身体の快感の場所を知っているのではないか。
そう思ってしまうほどに、彼の指先一つ、愛撫一つで、自分の平穏な精神が簡単に狂わされていく。
ーー彼には、どうしても抗えないのだ。
宇宙の長い時間を巡り、二千年以上を孤独な観測者として生きてきた自分は、この伏黒甚爾という一人の傲慢な地球の男に、魂の根底からすべてを掴まれてしまった。
彼と出会ってから、ほんの僅かな期間の間に、僕は自分でも制御できないほどに、変わってしまったのだ。
思い返せば、初めて彼と対面したあの時、彼は凶悪な弾丸のように私の前に立ち塞がり、その大きな手が僕の身体を掠めて戦慄を植え付けた。
あの鬱蒼とした廃校の戦いでは、人間離れした圧倒的な脚力と戦闘センスで容赦なく窮地へと追い込んだ。
薬店で不意に捉えられた時、後ろから抱きしめる彼の背中から伝わってきた、あの異様なまでの強烈な熱。
車を運転してくれた時は、ぶっきらぼうで不器用ながらも、僕の体調を気遣ってくれていた。
…かつて彼を眠り薬で害そうとした僕は、結局その企みを見破られ、彼に組み敷かれて……、今みたいに、彼の高い熱を、その肌から直接、与えられていた。
ーーすべての記憶が、今のこの濃密な快感のなかで、一つの線となって繋がっていく。
甚爾「ナマエ……、こっち見ろ」
掠れた、掠れた低い声で再び名を呼ばれ、甚爾の熱い舌が再びナマエの口内へと深く侵入してくる。
ナマエの脳内は、快楽と愛着のせいで、もう何も考えられないほどに真っ白になりゆく。その幸福な光のなかで、ナマエは心の中で静かにつぶやいた。
(あぁ、僕はきっと、もう一生、君に抗うことなんてできないよ……甚爾さん)
彼にすべてを奪われることが、こんなにも満たされることだなんて知らなかった。
(……愛してる。僕の、大切な人)
夕方の斜陽が、抱き合う二人の身体をどこまでも赤く、優しく包み込んでいた。
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親愛を確かめる猫の毛繕いのように、甚爾の唇がナマエの額から頬、および顎のシャープな輪郭へと這う。肌が擦れ合うたびに、彼の熱い吐息がナマエの吐息と重なり合って、部屋の空気を一層濃密に変えていった。
互いが放つ固有の磁力のようなものに、頭の芯がクラクラと麻痺していく。
ナマエは、自身の体内に残るわずかな力を必死に手繰り寄せた。魔力切れの深刻な疲弊と、あの海底で浴びた地脈の澱の悪影響のせいで、鉛のように重く怠くなってしまった腕を動かす。
そして、甚爾の逞しい胸を滑らせるようにして、ゆっくりと彼の太い首の後ろへと回した。
初めてナマエの側から彼を強く抱きしめるような、躊躇いがちでありながらも明確な温かさが伝わる。その瞬間、甚爾の容赦のない愛撫がピタリと止まった。
甚爾「……ナマエ」
二人は至近距離で、お互いの瞳を見つめ合う。
潤んでしっとりと濡れた彼女の瞳に、甚爾はまるで底なしの深淵に吸い込まれていくかのような、強烈な錯覚を覚えていた。いつもは冷徹に世界を見つめる彼の黒い瞳が、今は揺るぎない熱を帯びてナマエだけを映している。
ナマエ「甚爾……さん」
ナマエは、掠れそうな小さな声で、その愛しい男の名を呼んだ。
ナマエ「……不思議なんです。あなたにこうして強く抱きしめられると、僕の胸の奥から、言葉にできないほど温かくて、嬉しくて、それなのに少しだけ切ない気持ちが、全身の血の巡りと一緒に駆け巡るようになったんです。……もしかして、これが、人間の言う……『好き』という気持ちなんでしょうか」
ナマエの紫色の瞳には、未知の感情に直面した戸惑いと、それを素直に差し出す純粋な視線が混ざり合っていた。
その言葉を聞いた瞬間、甚爾は一瞬だけ驚いたように目を見開いた。驚愕の後に、彼の強面の顔がゆっくりと和らぎ、静かに口の端を弓なりに釣り上げる。彼は低く、落ち着いた、包み込むような声色で応えた。
甚爾「……あぁ、そうだ。それが『好き』って感情だ。……そして、どうしようもなく相手が愛おしい、って言う気持ちだ。他の誰でもねぇ、俺に対してそれを持ったんだ。一生忘れるな、…覚えとけ」
甚爾は、ナマエの答えを完全に奪い去るように、再びその唇を重ねた。
彼の分厚い舌が、躊躇いもなくナマエの小さな口内へと深く侵入してくる。不器用に、けれど圧倒的な質量で舌が触れ合い、互いの唾液を絡め合うと、ナマエの脳は甘く、痺れるような感覚に満たされていった。
言葉を超えて、心が直接重なり合っていく。すべてが融け合って、一つの生き物になってしまいたいと本気で願うほど、二人は貪り合うように、深い深いキスを交わし続けた。
激しく舌を絡め合うままに、甚爾の大きな指先は、彼の黒いTシャツを纏うナマエの、華奢な身体の輪郭をゆっくりと走っていた。
さっきまで細い腰を大きな掌で撫でていた指が、滑らかな腹の皮を通り、徐々に上へと這い上がってくる。そして、Tシャツの薄い生地越しに、胸の柔らかな蕾をわずかに指先がかすめた瞬間、ナマエの身体がビクリと不随意に跳ね上がった。
ナマエ「んっ……、ンン……」
甚爾の指先はそのまま離れ、鎖骨、剥き出しになった首筋、敏感な耳の裏、銀髪を優しく撫で上げていく。しかし、彼の指先が肌の上を這うたびに、まるで微量の電気が走るような、甘くゾクゾクとした戦慄がナマエの全神経を激しく揺さぶる。
ふと唇が離れたとき、甚爾の表情は完全に情欲の熱に浮かされていた。その普段の傲慢さとは裏腹な、どこか切なさを孕んで憂う瞳が、ナマエの心を激しく揺さぶる。
甚爾「ナマエ……お前が好きだ。あの頭の固い機械に言われたからじゃねぇ。任務だの何だのの関係もねぇ。……お前を一目見たあの時から、俺はお前が欲しくてたまらなかったんだよ」
甚爾は絞り出すように呟くと、ナマエの細い首筋に顔を埋め、今度は自身の舌で、その白い肌を割るようになぞり始めた。
ナマエ「甚爾さん……っ、あ……」
ナマエの熱い吐息が、彼の耳元で小さく弾ける。
甚爾の大きな指先は、再びナマエの胸の蕾へと戻ってきた。しかし、彼の普段の荒々しく豪快な戦闘の様子からは意外なほどに、そのタッチはさわさわと優しく、絶妙な速度で、ゆっくりとそこを刺激してくる。
少しくすぐったいような、けれど、絶対に抗うことのできない、身体の奥深くが疼く感覚。ナマエの意思や理性の働きとは全く無関係に、下半身がヒクヒクと熱い愛液を求めて反応してしまう。
…じわりと、自らの身体の芯が、内側から沸騰するように熱くなっていくのをナマエは生々しく感じていた。
刺激によってツンと硬く立ち上がった胸の蕾を、甚爾が今度は指先でカリカリと、少しだけ爪を立てて強く刺激した。
ナマエ「……っ、あ、っ……」
ナマエの口から、耐えきれない甘い悲鳴が漏れ出た。
その尖った刺激に連動するように、子宮の奥がキュンと切なく疼き、ますます彼を求めて収縮してしまう。自分自身の身体の構造よりも、目の前にいるこの男の方が、よほど私の身体の快感の場所を知っているのではないか。
そう思ってしまうほどに、彼の指先一つ、愛撫一つで、自分の平穏な精神が簡単に狂わされていく。
ーー彼には、どうしても抗えないのだ。
宇宙の長い時間を巡り、二千年以上を孤独な観測者として生きてきた自分は、この伏黒甚爾という一人の傲慢な地球の男に、魂の根底からすべてを掴まれてしまった。
彼と出会ってから、ほんの僅かな期間の間に、僕は自分でも制御できないほどに、変わってしまったのだ。
思い返せば、初めて彼と対面したあの時、彼は凶悪な弾丸のように私の前に立ち塞がり、その大きな手が僕の身体を掠めて戦慄を植え付けた。
あの鬱蒼とした廃校の戦いでは、人間離れした圧倒的な脚力と戦闘センスで容赦なく窮地へと追い込んだ。
薬店で不意に捉えられた時、後ろから抱きしめる彼の背中から伝わってきた、あの異様なまでの強烈な熱。
車を運転してくれた時は、ぶっきらぼうで不器用ながらも、僕の体調を気遣ってくれていた。
…かつて彼を眠り薬で害そうとした僕は、結局その企みを見破られ、彼に組み敷かれて……、今みたいに、彼の高い熱を、その肌から直接、与えられていた。
ーーすべての記憶が、今のこの濃密な快感のなかで、一つの線となって繋がっていく。
甚爾「ナマエ……、こっち見ろ」
掠れた、掠れた低い声で再び名を呼ばれ、甚爾の熱い舌が再びナマエの口内へと深く侵入してくる。
ナマエの脳内は、快楽と愛着のせいで、もう何も考えられないほどに真っ白になりゆく。その幸福な光のなかで、ナマエは心の中で静かにつぶやいた。
(あぁ、僕はきっと、もう一生、君に抗うことなんてできないよ……甚爾さん)
彼にすべてを奪われることが、こんなにも満たされることだなんて知らなかった。
(……愛してる。僕の、大切な人)
夕方の斜陽が、抱き合う二人の身体をどこまでも赤く、優しく包み込んでいた。
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