女性時(ノーマル)の名前と、男装時の名前を入力してお楽しみください。
3章 星を継ぐ希求
!!必読!!夢小説名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
嵐のような喧騒が一旦高専の敷地へと引き揚げ、セトルドームの重厚な自動ドアが閉まった瞬間、リビングには張り詰めていた空気が抜けるような、完全な静寂が戻ってきた。
残されたナマエと伏黒甚爾の二人は、同時に「ふぅ」と深い、けれどどこか可笑しそうなため息を漏らしてソファへと身体を預けた。
甚爾「……、はぁ。俺はよ、今日こそお前と二人きりで誰にも邪魔されずにのんびり過ごせると思ってたんだがな。ことごとく、あのガキどもの邪魔が入る。おい、ナマエ。先に釘を刺しておくが、今日は絶対に別室なんて用意するなよ? 昨夜みたいに、俺はお前のベッドで、お前を抱き潰して寝るからな。これは決定事項だ」
ナマエ「……、まさか今日も新しい宿泊者が出るとは、僕も思いませんでしたよ。でも、高専の皆様と親睦を深めるには、とても良い機会だと思いますけれど。甚爾さん、そんなに嫌そうな顔をしないでください」
ナマエは少し困ったように眉を下げて笑うが、その表情には、甚爾のあからさまな独占欲を心地よく受け入れているような、甘やかな光が滲んでいた。
甚爾はその隙を見逃さず、太い腕を伸ばしてナマエの華奢な身体を強引に抱き寄せると、今のうちにとばかりに、彼女の薄い唇へと深く、吸い付くようなキスを落とした。
***
一方その頃、高専の寮へと戻り、セトルドームへ泊まるための準備を進めていた面々と夜蛾たちは、それぞれが全く異なる思いを胸に抱き、完全に浮き足立っていた。
夜蛾正道は、ナマエから託された手のひらサイズの銀色端末を厳かに見つめ、異世界の超高度人工知能であるAIソフィアとの対話がどのようなものになるか、早く試したくて仕方がなかった。その隣を歩く家入硝子は、いつも通りの気怠げな足取りながらも、瞳の奥に好奇心の火を灯している。
硝子「ねぇ、学長。その端末、ちょっと私にも貸してよ。そこから銀河の変わったお酒とか、地球にない度数の強いやつが出せるか試したいんだけど。……、っていうかさ、あのナマエの研究室、思い出すだけでゾクゾクするね。あの真空振動増幅器があれば、反転術式の呪力を細胞レベルで均一に定着させる術式プラントが組める。やりたい実験の妄想が止まらないよ」
夜蛾「硝子、酒の注文はほどほどにしろ。……、しかし、先ほどのセトルドームでの様子を思い返すと、色々と驚かされるな。あの甚爾の表情が、ナマエの前では随分と柔らかくなっていた。何より、あの伏黒が、あんな子供のように目を輝かせる顔をするとはな」
硝子「ククッ、本当だね。あの伏黒親子を揃って骨抜きにしちゃうなんてさ。ナマエって子は、本当に面白くて、恐ろしい異星人だわね」
その頃、一年生の寮の廊下では、伏黒恵が普段は滅多に見せることのない少年のような剥き出しの好奇心を隠しきれず、そわそわと落ち着かない様子で小説を握りしめていた。
その様子を、虎杖悠仁と釘崎野薔薇の二人がニヤニヤとしながら見守っている。
虎杖「なぁ釘崎、今夜さ、あの端末で何注文する? 俺、あのオリオンのスタミナ丼ってやつ、絶対に限界まで食うって決めてんだ!」
釘崎「あんたは本当に胃袋のことしか頭にないわけ? 私はもちろん、あのアルシオンの宝石アクセサリーのカタログを全部チェックするわよ! ああ、最高の夜になりそうだわ!」
二年生の部屋でも、狗巻棘とパンダが「あのVRゲームの球乗りのやつ、今度は俺たちが新記録出すぞ!」「しゃけ、おかか!」と大はしゃぎで拳を突き合わせていた。
その傍らで、乙骨憂太と禪院真希は、先ほどVR空間で遭遇した他星のプレイヤーたちの話に花を咲かせている。
乙骨「あのゲームの最中に話しかけてきた異星人の人たち、自動翻訳のおかげで意味は分かったけど、その翻訳の裏から聞こえてくる生の音声、今まで聞いたこともないような不思議な言語だったよね」
真希「あぁ。機械の翻訳がなけりゃ、ただの不気味なノイズにしか聞こえねぇような音だったな。だが、あいつらが普通にエンジョイしてゲームしてるのを見ると、星が違ってもやることは変わんねぇんだなって実感したわ」
それぞれが寮での支度を電光石火の速さで終わらせると、枕や着替え、中にはお気に入りの私物を抱え、まるで修学旅行の夜を迎える学生のように、ガヤガヤと賑やかな笑い声を響かせながらセトルドームへと戻ってきた。
ドームの自動ドアが開き、ナマエが優しく出迎えると、家中が一瞬にして若者たちの活気で満たされる。
ナマエ「おかえりなさい。端末の詳しい使い方や、何か新しく注文したいものがあれば、悟さんや傑さんに聞いてみてくださいね。もし『こういう部屋を作ってほしい』といった特別な提案があれば、僕か甚爾さんに声を掛けてください」
ナマエの説明が終わるや否や、生徒たちは四方八方、先ほどまで熱中していたコンテンツへと一斉に散っていった。
そんな狂騒のなか、伏黒恵は大事そうに抱えていた一冊のSF小説を握りしめて、少しだけ緊張した面持ちで控えめにナマエの元へと近づいていった。
伏黒「あの、ナマエさん。……今、お時間は大丈夫ですか」
柔らかく、けれどその緑の瞳の奥には確かな興奮が宿っている。そんな恵の姿を見て、ナマエは「もちろんですよ!」と弾んだ声で答えた。
ナマエ「約束ですからね、恵くん。まずは、他の皆んながまだ立ち入っていない場所も含めて、このドームのルームツアーに行きましょうか。仕組みを理解するには、全体を見るのが一番ですから」
ナマエは恵を連れて、リビングの奥へと歩き出した。生徒たちが立ち入らなかった最先端の研究室はもちろん、ナマエと甚爾のプライベートな領域である「寝室」の前まで案内する。
その様子をリビングのソファから片目を開けて監視していた甚爾が、すぐさま低い声を張り上げた。
甚爾「おい、ナマエ! なんでそのガキを俺たちの寝室の前にまで連れてってんだよ。そこは立ち入らせるな、俺の領域だぞ」
ナマエ「もう、甚爾さん、うるさいですよ。恵くんは学術的な興味で見て回っているだけです。あ、そうだわ。恵くん、ちょうど良いものをお見せしますね。この寝室の壁にある武器コレクション、僕の故郷の技術で作られたものなんですけれど」
ナマエは寝室のドアを少しだけ開き、壁に美しくディスプレイされていたコレクションの中から、一対の洗練された双剣を手に取った。それは、以前ナマエが廃学校で襲撃された際、自らの腕からトンファーのように沿わせる形で出現させていた、極薄の半透明な刃を持つ武器だった。
ナマエ「この双剣の出現プロトコルと、物質化の仕組みも、恵くんの知りたがっている空間固定の技術が使われているの。リビングに持っていって、後でゆっくり構造を説明しますね」
甚爾「チッ、難しい話ばっかしやがって……」
甚爾の不満げな愚痴を背中で受け流しながら、ルームツアーを終えたナマエは、伏黒を連れてセトルドームと高専の中間地点……すなわち、ドームの敷地内を覆っている、あの南国の浜辺を模したホログラムの庭へと案内した。
波の音が優しく響く白い石畳の上で、ナマエは立ち止まり、伏黒の方を振り返った。
ナマエ「恵くん、少し腕を出してみていただけますか?」
伏黒「え? あ、はい……」
伏黒が戸惑いながらも制服の袖を少し捲り、右腕を差し出すと、ナマエはその細く白い両手で、伏黒の少年らしい少し硬い腕をそっと包み込むようにして取った。
その唐突な肌の触れ合いと、ナマエから漂う甘く優しい香りに、伏黒はドギマギとした気恥ずかしさを抑えきれず、一瞬にして顔を耳の根元まで真っ赤に染めて視線を彷徨わせた。
ナマエ「ふふ、動かないでくださいね。ソフィ、このセクションのホログラム粒子を、一時的に彼の腕の生体電流に同期させて」
ナマエが優しく微笑むと、空中に漂っていた無数の光の粒子が、まるで意思を持つかのように伏黒の右腕の皮膚へと吸い寄せられていった。
次の瞬間、伏黒の腕とデジタルの光の粒子が、目も眩むような精密さで混ざり合い始める。
彼の腕の表面に、まるでサイバーパンクの回路図のような青い光のラインが幾何学的に走り、肌の境界線から、淡く美しい青い粒子が煙のように優しく立ち上っていく。
ナマエ「これも、後程リビングでお話しする空間固定と、生体エネルギーの視覚化技術の応用なの。まずは言葉で説明するよりも、この不思議な『現象』を、その身体で直接体験してほしくて」
伏黒は、自分の腕から立ち上る、現実のものとは思えないほど美しいサイバーな光の粒子を、息を呑んで見つめていた。
そのビジュアルはあまりにも洗練されており、SF小説や最先端のテクノロジーに密かに深い憧れを抱く伏黒にとっては、まさに魂を揺さぶられるほどの衝撃的な現象だった。
伏黒「……、すごい。本当に、小説に書いてあった通りだ。架空の技術だと思ってたものが、いま、俺の腕の上で……」
伏黒の瞳は、まるで満天の星空をそのまま映し出したかのように輝いていた。その純粋な少年らしさと、未知の技術への深い敬意に、ナマエは心からの愛おしさを込めて、そっとその横顔を見つめ、優しく微笑み返すのだった。
next