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3章 星を継ぐ希求
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夕闇が迫る高専の正門前に、一台の社用車が滑り込んできた。
アスファルトを鳴らして止まった車から降りてきたのは、先ほどまで山中で煮湯を飲まされていた現代最強の二人だ。
五条悟は人差し指で車の鍵をクルクルと回しながら、不遜な笑みを浮かべて歩み寄る。
五条「あれ、ナマエー! 任務はもう終わってたんだね。……ちゃんと逃げずにココに来てくれて、ボク安心しちゃったよ」
五条の声は軽快だったが、その視線が甚爾の腕の中に収まるナマエを捉えた瞬間、温度が数度下がった。
隣を歩く夏油傑も、一年生三人が見たこともないような青い顔で顔を見合わせ、ヒヤヒヤとこちらを伺っている様子に、細い目をさらに細めた。
夏油「……どうしたんだい? 君たち、そんなに怯えたような顔をして。……まるでお化けでも見たかのようだよ」
虎杖、恵、釘崎の三人は、口をパクパクとさせながら、五条と夏油の間で視線を往復させる。
爆弾を抱えたまま、誰が最初に導火線に火をつけるかを押し付け合っているような、そんな緊迫感が漂っていた。
甚爾「あぁ? ……別に変なことはしてねぇよ。さっきな、ナマエが正式に俺の『妻』になった話を息子に聞かせてやっただけだ。……事実だろ、お嬢ちゃん?」
甚爾がニヤリと唇の端を吊り上げ、勝ち誇ったように言い放つ。その瞬間、五条と夏油から噴き出した殺気が、物理的な圧力となって正門付近の木々をざわつかせた。
五条「……テメェ、まだその話引っ張るわけ? ……本当に、一回バラバラに解体された方がいいんじゃないかな」
夏油「……気安くその単語を口にするなと言ったはずだがね。……お前が、なんて……不愉快だ。」
最強二人の鋭い眼光を浴びながら、伏黒恵は縋るような思いで五条を見上げた。
恵「……五条先生。……親父が言ってることって、まさか……」
五条は忌々しそうに顔を歪め、指の間で鍵を強く握りしめた。
五条「……あぁ、胸糞悪いけど本当だよ。ナマエの管理AIがさぁ、甚爾をサポーターとして勝手に登録しちゃったんだ。僕らが行った時には、もうこいつ、面の皮厚く旦那ヅラしてたわけ」
夏油「……AIの口振りや、あのドームの設備にアイツが自由にアクセスできていたあたり、システム上の権限は本物らしい。……不本意なんて言葉じゃ足りないがね」
恵「うそ……だろ……? ナマエさん、本当に……?」
絶望に染まった恵の問いかけに、ナマエは甚爾の腕の中で深く、深いため息をついた。
ナマエ「……ごめんね、恵くん。色々あってね……僕の管理AI……ソフィアが、甚爾さんを僕の『番(つがい)』として銀河ネットワークに正式登録してしまったの。地球の法律やシステム上では、僕たちは夫婦ではないけれど……もっとその先、僕の所属する銀河の法理では、彼は正式に『夫』として受理されてしまったようなのよ」
ナマエが申し訳なさそうに、けれど事実をありのままに告げると、虎杖と釘崎が「ねぇ、ヤバくないこの展開!?」と小声で騒ぎ始めた。
恵「じゃあ……、じゃあ……本当に。……貴女が俺の『母』になったということ……なんですね?」
恵の瞳には、受け入れがたい現実と、それでも信じたいナマエという存在への信頼が入り混じっていた。
ナマエは甚爾の腕からようやく下ろしてもらうと、恵の目の前まで歩み寄り、その少し震える肩に手を置いた。
ナマエ「……生物学上も、この地球の戸籍上も、僕は貴方の母親ではないわ。……でも、銀河の契約に基づけば、実質そのような立ち位置になってしまうのかもしれない。正直、私にもまだ実感がわかないの」
ナマエは困ったように眉を下げ、優しく微笑んだ。
ナマエ「でもね、恵くん。……貴方のことも、そこの二人のことも……僕は、必要とあらば力になりたいと思っているわ。 今まで呪術師に捕まらないように逃げ回ってはいたけれど、別に地球人を敵視しているわけじゃないの。……むしろ、貴方たちのことは、とても好ましく思っているのよ」
ナマエのその柔らかな声音と慈愛に満ちた眼差しに、釘崎が真っ先に陥落した。
釘崎「ちょっと、あんた、やっぱりめちゃくちゃイイヤツじゃない! ……あんなクソ親父には勿体なすぎるわよ!」
虎杖も「な、恵! 良かったじゃん!」と、まだ呆然としている恵の肩を強引に組み、少しでも彼を元気付けようと明るく振る舞う。
だが、そんな微笑ましい光景をぶち壊したのは、やはりあの白い男だった。
五条「あーあ! 納得いかないね! 僕だって『夫』に登録してほしいんだけど! 別に一人一つまでって決まりはないでしょ? 複数いたっていいじゃん、銀河なんだから!」
夏油「……悟にしては珍しく道理にかなった意見だ。ソフィアに認められればいいんだろう? ……彼女の演算を上書きするくらいのことは、私たちが協力すれば容易いはずだ」
甚爾「うるせぇなお前ら。……俺の家庭に口出しすんな。お前らは黙って指咥えて、俺たちの幸せな新婚生活を眺めてろよ」
甚爾がナマエの腰を再び抱き寄せ、勝ち誇った顔で二人を挑発する。
ナマエ「……もう、いい加減にして。……今はそんなことより、アクアラインの件で任務の報告があるんです。……立ち話で解決する規模の話じゃないわ。……悟さん、傑さん、とりあえず中に入りませんか?」
ナマエの制止に、男たちは互いに火花を散らしながらも、渋々と足を進め始めた。
夕闇に包まれていく高専の校舎。
その中に、史上最も複雑な家庭環境と、宇宙規模の危機を抱えた一行が吸い込まれていった。
ナマエは背後で繰り広げられる「夫」の座を巡る低俗な言い合いを聞き流しながら、これから始まる過酷な戦いと、さらに過酷になりそうな共同生活に、再び深い溜息を漏らすのだった。
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