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2章 囚われの魔術師
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リビングを支配する未来的な光の筋と、甚爾が注文したホットドッグのジャンクな匂い。
そのあまりに不釣り合いな空間で、ナマエは仕事の手を止めて深く息を吐き出した。
(……あの男、適応能力が高すぎでしょ。たった数時間でこれ……?)
呆れを通り越し、もはや尊敬の念すら湧いてくる。
甚爾はラウンジチェアに深く沈み込み、まるで王のように振る舞っている。
その一方で、ソファに沈んだままの二人の怪物は、ようやく人間らしい呼吸を取り戻しつつあった。
ナマエ「……悟さん、傑さん。体調はいかがですか。起き上がれますか」
ナマエは二人の様子を案じ、拡張されたソファベッドの端にそっと腰掛けた。
自身の放った浄化魔法が、どれほど彼らの神経系に負荷をかけたのか。
彼女は心配そうに眉を寄せ、まずは五条の額に、次に夏油の首筋に白く細い指先を這わせた。
五条「……あー、……ナマエー。ボク、まだちょっと頭がクラクラする。……視界が回るっていうか、世界がキラキラして見えるんだよね」
五条はここぞとばかりに甘えた声を出し、ナマエの手首を掴むと、そのまま自分の胸元へと彼女を引き寄せた。無下限を解いた彼の胸板は驚くほど熱く、ナマエは不意に抱き留められた形になり、彼の心音を耳元で聞くことになった。
夏油「あぁ、……私もだ。……体内の呪力が根こそぎ洗われたせいで、感覚が麻痺しているみたいだね。……少し、こうしていてもいいかな」
夏油もまた、ナマエのもう片方の手を優しく掴んだ。彼は自分の頬を撫でさせるように、ナマエの掌を自身の顔に沿わせてゆっくりと動かしていく。
慈しむようなその手つきには、独占欲がこれでもかと詰め込まれていた。
ナマエ「……いや、多分貴方たち、もう元気よね。……顔色、良すぎるもの」
ナマエは苦笑しながら、二人を引き離そうとする。だが、最強二人の腕力は、衰弱している振りをしていようとも岩のように固い。
甚爾「ケッ。……こいつらは、お前と違ってあんなもんじゃ熱出たりしねぇよ。殺しても死なねぇくらいにタフだっての。……いい加減、その見え透いた芝居はやめたらどうだ、坊ちゃん達」
甚爾はコーヒーを啜りながら、冷めた目でその光景を眺めていた。だが、ナマエの肌に他人の指が触れているのが、どうしても癪に障るらしい。
甚爾「おい、ソフィア。……こいつら邪魔だ。俺の嫁に気安く触ってんだが、どうにかしろ」
AIソフィア「了解しました。……どのように撃退いたしますか。電気ショックによる強制排除、または空間圧縮による強制排出を選択可能です」
ナマエ「ソフィ! 待って待って! 大丈夫だから! 敵じゃないの、大事なお客さんとして登録して! ……甚爾さんってば、極端なこと言わないで!」
ナマエは慌てて空間を制止し、暴走しそうなAIの思考を食い止めた。
五条と夏油は、甚爾が平然と口にした「嫁」という単語、そして「番(つがい)」という耳慣れない響きに過敏に反応した。
夏油「……さっきから聞いていると、番だの、嫁だの。……甚爾、一体どうしたんだい。……狂ったのか? ……ねぇ、ソフィというのかい。アイツこそが一番の不純物だと思うのだけど、排除できないのかい?」
夏油の冷徹な問いかけに、ソフィアは一切の感情を排したまま、無慈悲な事実を突きつけた。
ソフィア「お客様、その要求は受諾不可能です。……個体:甚爾は正式に、マスターの番としてシステムに登録されております。……彼は現在、このドームの正当な居住権を保有しています」
五条「はぁ!? 登録って何だよ、誰が許可したわけ? ……ナマエ、これ本気なの?」
五条がナマエの肩を掴み、詰め寄る。その瞳には、かつてないほどの焦りと困惑が入り混じっていた。
ナマエ「……ねぇ、ソフィ。……その登録、冗談じゃなくて本気なの? 私の意志は無視?」
AIソフィア「はい、マスター。銀河登録名簿帳にも、マスターの任務を助けるパートナー個体として正式に登録済みです。……現在、資産運用のための個人口座開設、および銀河パスポートの認識手続きを並行して実行しております」
青ざめるナマエの隣で、甚爾だけが「銀河」という単語に興味を示した。
甚爾「……おん? ……なんだ、その口座だのパスポートっつーのは。……俺が使えるのか」
ソフィア「マスター甚爾。手続きが完了次第、詳細なブリーフィングの時間を設けますが、簡潔に述べます。……貴方の生物学的貢献、および警護活動は、魂の口座へ銀河共通通貨として還元されます。……現在、貴方がカジノで使用している資金がそれにあたります。……また、銀河パスポートは多次元における身分証明となり、他星系への移動の際に必須となる重要書類です」
甚爾「……俺ぁ他星なんか行けねぇけどな。……ま、いっか。貰えるもんは貰っとくか」
甚爾はカカッと豪快に笑い飛ばすと、再びタブレットの画面に視線を戻した。
何千万、何億という単位の銀河通貨が動くルーレットに興じ、彼はもはやこの世界の住人であることを疑っていない。
ナマエ「……信じられない。……なんて適応力なの」
あまりに大きな話を、ただの「小遣い稼ぎ」程度の感覚で受け入れる甚爾。
ナマエは自分がこの地に降り立ってから守ってきた世界の秘密が、この男によって土足で踏み荒らされ、かつ美しく整えられていく光景に、眩暈を覚えた。
五条「……おい、ソフィ。僕にもその口座とパスポートを作れ。……銀河最強の称号、僕がもらってやるよ」
夏油「私もだ。……能力の証明が必要なら、今ここでこのドームを呪霊で埋め尽くしてもいいがね」
二人が身を乗り出してAIに迫るが、ソフィアはピカピカと警告灯を明滅させた。
AIソフィア「却下します。……お二方のエネルギー特性、および精神構造は、現在『不安定』と判定。……銀河市民としての適格性が確認できるまで、即決即断は致しかねます。……まずは、マスターのゲストとしてのマナーを学習することを推奨します」
五条「……チッ、機械のくせに生意気な。……傑、後でこのAI、物理的に解体するか」
夏油「あぁ。……だが、まずはあの男から特権を取り上げるのが先決だね」
最強二人の煮え繰り返るような嫉妬。それとは対照的に、あつあつのコーヒーを啜りながらカジノで勝ち続ける甚爾。
白亜のドームの中は、時を超えて交差した、歪で、けれどどこか熱っぽい「日常」へと変貌を遂げていた。
ナマエ「……もう、好きにして。……私は仕事に戻るから!」
ナマエは赤くなった顔を隠すように、再び光のパネルへと向き直った。
背後で男たちの低く険しい言い合いを聞きながら、彼女は自分の運命が、予想もしなかった方向へと猛スピードで加速しているのを感じていた。
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