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2章 囚われの魔術師
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リビング中央に拡張された巨大なソファの上で、現代最強の呪術師二人が無様にのびている。
その光景を視界の端に追いやりながら、ナマエは仕事机の前に陣取った。
空中に展開された複数の光パネルが、彼女の瞳をブルーグリーンに染め上げる。
ナマエは、ドームの外縁カメラが捉えた「異常な記録」を解析し始めた。
高専の社用車の隣に、一瞬で、まるで最初からそこにいたかのように出現した二人の男。その座標移動のメカニズムを、彼女は自身の研究データとして打ち込んでいく。
ナマエ「………『呪霊』という負の生命体を召喚し、使役する個体。および、因果を無視して空間を超越する個体の存在を確認。……信じられない。この星の進化系統はどうなっているの?」
独り言を漏らしながら、キーボードを叩く指先が加速する。証拠映像とデータを紐付け、未知の生態報告書を編み上げていく。
その姿は、先ほどまで甚爾の下で喘いでいた女とは別人のように冷徹で、知性に溢れていた。
そんな彼女の斜め後ろ、最も「主」に近い特等席を、甚爾が当然のように占拠した。彼は空中に向かって、顎をしゃくりながらふてぶてしく言い放つ。
甚爾「おい、ソフィアだか何だか知らねぇが。……俺に椅子を出せ。そこの仕事用じゃねぇ、もっと座り心地のいいやつだ」
AIソフィア「了解。番である個体:甚爾のバイタルに適した休息ユニットを選択。……実体化を開始します」
パチパチと火花が散るようなホログラムの粒子が舞い、次の瞬間には甚爾の逞しい体格に完璧にフィットする、上質な革張りのラウンジチェアが出現した。
甚爾は満足げにその身を預け、すっかり使いこなしている透明なタブレットを指先で弾く。
甚爾「タンザニアの深焙煎のコーヒー。それから、地球のメニューから一番高いホットドッグだ。……あぁ、ケチャップとオニオンは多めで頼むぜ」
椅子のサイドテーブルに、あつあつの注文品が光と共に現れる。芳醇な豆の香りと、焼きたてのパンの匂いが室内に漂った。
甚爾「ほーん。……地球のモンも食い放題、頼み放題か。……ククッ、こりゃ最高だぜ。……高専のシケた食堂とは大違いだな」
甚爾はホットドッグを豪快に頬張りながら、宇宙規模のカジノページを開いた。
けたたましい電子音と、ルーレットが回る騒がしいBGMが静かなドーム内に響き渡る。
その音量は、仕事中のナマエはもちろん、ソファでようやく意識を取り戻し始めた五条や夏油の鼓膜をも遠慮なく叩いた。
ナマエ「……ちょっと! またカジノですか? それ、元はと言えば私のお金なんですけど。……よくそんな短時間でやり方を覚えましたね?」
ナマエはパネルから顔を背け、呆れたように甚爾を睨んだ。
甚爾「あぁ? お前の金、さっきのブラックジャックで三倍に増やしてやったぞ。……今はその勝ち金で遊んでんだ。文句ねぇだろ?」
ナマエ「……はぁ。まぁ、そこに入れてる分くらいならいいですけど。……さすがにすっからかんにしたら怒りますからね? 私、このドームの維持費にいくらかかると思ってるんですか」
甚爾「ハッ! そりゃ保証しねぇな。……ギャンブルっちゅーもんは、どっちに転ぶかわからねぇから楽しいんだろうが。……おら、赤に全額だ!」
ナマエ「……なんなの、この人。……私の常識が、この数時間で全部壊されていく気がする……」
甚爾「食いもんの相場から計算してみたが、お前のチャージ金額、相当なモンだったぞ。……一生かかっても使い切れねぇだろうよ。俺が有効活用してやるよ」
ナマエ「……私は仕事漬けですから、報酬が勝手に貯まるんです。……いいですか、そこに入っているチャージ額以外の、他の口座には絶対に触らないでくださいよ! 機材費も、設備の調整費も、バカにならないんですから!」
甚爾「あいあい。……そもそも触り方すらわかんねぇよ。……お、また当たったぜ。……おいナマエ、今夜は宇宙一高い酒でも開けるか?」
甚爾の不敵な笑い声がドームに響く。
一方で、ソファで寝かされていた五条と夏油は、ようやく四肢の感覚を取り戻しつつあった。
浄化による多幸感の波は去り、代わりにこみ上げてきたのは、焼け付くような「怒り」と猛烈な「違和感」だ。
自分たちが一歩も立ち入ることができなかった彼女の聖域。
そこで、あの「ゴミ屑」が、まるで最初からこの家の主であったかのように振る舞っている。
彼女と当たり前のように言葉を交わし、彼女の資産を使い、彼女の隣で寛いでいる。
五条「……おい、……傑。……あいつ、殺していいかな」
五条の声は地を這うように低く、殺意で凍りついていた。六眼が捉える景色。
甚爾が座るその椅子は、ナマエを管理するAIが「番」として認めた証。
その事実が、五条の脳を怒りで沸騰させる。
夏油「……珍しく意見が合うね、悟。……あんな猿が彼女の隣に座るなど、万死に値するよ。……ナマエ、今すぐその椅子を消しなさい。……不潔だ」
夏油もまた、冷徹な瞳を甚爾に向けていた。
しかし、そんな二人の殺気を、甚爾はホットドッグを飲み込みながら、軽薄な笑いで受け流す。
甚爾「おーおー、お目覚めかよ、お坊ちゃん達。……そんな怖い顔すんなよ。……ほら、ソフィア。この不機嫌な客共にも、何か薄い茶でも出してやれ。」
甚爾の煽りに、ドーム内の緊張感は再び臨界点へと達しようとしていた。
主であるナマエの困惑を余所に、男たちの醜い所有欲が、白亜の壁に囲まれた未来の空間で火花を散らす。
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