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2章 囚われの魔術師
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浄化の残光が山を白く焼き、視界が揺らぐ。
五条と夏油は、全身の細胞が歓喜に震えるあまり、指一本動かすことができない。
二人の視界の端で、甚爾がナマエを軽々と腕に抱え、何もないはずの虚空へと足を踏み出す。
波紋のように空間が揺らぎ、二人の姿が吸い込まれるように消えていくのを、彼らはただ濁った瞳で見送るしかなかった。
五条「……あ、……ぁ……、待て……っ」
五条の声は形をなさず、甘美な痺れに溶けていく。見えない何かがそこにある。その確信だけが、麻薬的な快楽の中で辛うじて繋ぎ止められていた。
***
ドーム内に入ると、ナマエは甚爾の腕を振り払い、奥の部屋へと駆け込んだ。
数分後、彼女は先ほどのワンピースを脱ぎ捨て、動きやすいシンプルな黒のトップスとスリムなズボンに着替えて戻ってくる。
その顔は、恐怖と困惑に青ざめていた。
ナマエ「……信じられない。あの二人、どうやってここを? ソフィ、外縁の記録を再生して」
空中に浮かび上がったパネルには、高専の社用車が停まっている地点、何もない空間から唐突に二人の男が出現する様子が映し出されていた。
ナマエ「……甚爾さん。……あの二人って、一体なんなんですか。人間……ではないのですか? 空間を跳躍して、ピンポイントで現れるなんて」
甚爾はソファに深く腰掛け、剥き出しの胸板をさすりながら鼻で笑った。
甚爾「……人間、ね。一応、戸籍上はそうなんじゃねぇの。ま、中身は化け物の類だがな。……特にお坊ちゃんの方は、この世の物理法則を無視するのが趣味なんだよ」
ナマエ「戸籍上って……。そんな適当な回答、納得できません」
甚爾の投げやりな言葉に、ナマエは深いため息をついた。
けれど、彼の適当そうな言葉が、この星における残酷な真実を射抜いていることも、彼女はどこかで理解していた。
ナマエ「……甚爾さん。……あの人たち、外に放っておくわけにもいきません。……私の浄化魔法をあんなに浴びたら、しばらくはまともに動けないはずです。……申し訳ありませんが、中に運び入れてソファに転がしておいてくれませんか」
甚爾「あぁ? なんで俺がわざわざあのアホ共の世話をしなきゃならねぇんだよ」
ナマエ「……命令です。……あー……、いえ、……お願いです。ソフィ! リビングのソファを、大柄な男性二人が寝転がれるサイズに拡張して」
AIソフィア「了解。リビング・アメニティ、拡張シーティングモードへ移行します」
流線型のソファが音もなく形を変え、そのまま巨大なベッドへと変貌を遂げる。甚爾はモニターから外を見やると舌打ちを一つ。
甚爾「おーおー、あのアホ共、完全にイっちまってんな。……わざわざ入れてやんのか? そのまま呪霊の餌にでもして野垂れ死にさせときゃ、お前も俺も清々するのによ。……お人好しだねぇ、お嬢ちゃんも」
甚爾は文句を言いながらも、のっそりと立ち上がり、ドームの外へと向かった。
外では、五条と夏油がまだ地面に這いつくばっていた。甚爾は迷うことなく、二人の襟首を乱暴に掴み上げる。
甚爾「ほら、起きろよ最強様。……お姫様のご招待だぜ」
甚爾に担がれたまま、二人は現実感のない光景を目にすることになった。
鬱蒼とした森林を一歩抜けた瞬間、視界を埋め尽くしたのは、ホログラムによって投影された南国のビーチと、輝く星空だった。
完璧に手入れされた芝生の庭の先に、白亜の半円ドームが鎮座している。
五条(……なに、これ。……ゲーム……? 領域展開じゃ、ない……)
夏油(……あぁ、……空気が、あまりに清浄すぎて……頭がどうにかなりそうだ……)
自動で開かれたドアの先には、ブルーグリーンのライトが走る未来的な内装が広がっていた。
ナマエがキーボードを叩く音、浮遊するパステルカラーの光。
甚爾は二人を、広くなったばかりのソファベッドへ、ゴミ袋でも捨てるかのように乱暴に転がした。
甚爾「ほらよ。坊ちゃん達はここでネンネしてな。……いい夢見ろよ、ハハッ!」
二人の巨体がソファに沈み込む。五条のサングラスは床に転がりその美しい六眼は焦点が合わぬまま、天井を走る光のラインを追いかけていた。
夏油もまた、呼吸を整えようともがきながら、隣で勝ち誇った顔をしている甚爾を、憎悪と陶酔の混ざった目で見つめる。
ナマエ「ありがとうございます、甚爾さん。……お疲れ様でした」
ナマエはソファに転がる二人を冷ややかに、けれどどこか複雑な表情で見下ろした。
ナマエ「……それで。……傑さん、悟さん。……私の家を汚した罰は、たっぷり受けていただいたようですね。……少しは、落ち着きましたか?」
五条「……ナマエ、……。……おま、……その首……」
五条が震える指を差し、ナマエの首元に刻まれた「甚爾の跡」を指そうとするが、言葉が続かない。
夏油「……甚爾……貴様、……殺……す……」
夏油もまた、殺意を絞り出そうとするが、ナマエの魔力がもたらした多幸感が全身の神経をマッサージするように弛緩させ、その声には何の威力もなかった。
甚爾「おいおい、そんなツラで脅されても怖くねぇよ。……お前ら、今は俺に感謝しろ。……ナマエが優しくなきゃ、今頃山中の呪霊に食い散らかされてたんだからな」
甚爾はナマエの肩に図々しく腕を回し、ソファに倒れ伏す二人をこれ以上ないほど見下した。白亜の密室。異界のテクノロジーが支配するこの空間で、立場は完全に逆転していた。
ナマエ「……もう。……とりあえず、二人が正気に戻るまで、ここで大人しくしていてもらいますからね!」
ナマエの呆れたような声が、静かなドーム内に響き渡った。
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