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1章 幻を追って
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マロンモールの吹き抜けを突き抜け、エイは背後に迫る暴力的なまでの圧に背筋を凍らせた。
この十五年間、数多の呪術師との遭遇を潜り抜けてきたが、これほどまでに執着心が強く、かつ規格外の連中に追われたことはない。
甚爾「へえ、逃げるねぇ。そのステップ、呪術師のそれじゃねえな」
背後から突き刺さる声。甚爾がコンクリートの破片を足場に、重力を無視した速度で肉薄する。彼の手が、エイの首筋を刈り取るように伸びた。一撃の重みがこれまでの誰とも違う。掠めるだけで死を確信するほどの、絶対的な暴力。
エイ「(マズい、この男だけは異質だ!)」
エイは体を捻り、紙一重でその指先をかわす。甚爾の爪が法衣の金の刺繍を弾き、火花が散るような感触が肌に伝わった。
甚爾「ハッ! 逃がさねぇよ。お前の首には相当な額が懸かってんだ。俺の老後の資金になってもらうぜ、魔術師さん」
五条「ちょっと甚爾! 勝手に自分ひとりの獲物にしないでよ! ボクもその不思議な力に興味津々なんだからさ!」
五条が頭上から嘲笑混じりの声を投げかける。その隣では夏油が、何体もの呪霊を回廊に放ち、エイの逃げ道を物理的に埋めていた。
夏油「悟、はしゃぎすぎだよ。でも確かに、この清らかな感覚。呪術界で囁かれる『幻のヒーラー』の噂……どうやら本物みたいだね」
エイは奥歯を噛みしめた。土地の浄化を始めたばかりで魔力はまだ潤沢にあるが、この閉鎖空間でこの怪物共を相手にするのは得策ではない。
エイ「アイスニードル!」
短く詠唱を放つ。空中に無数の氷の針が生成され、マロンモールの頑強な壁と、外を包む「帳」を内側から粉砕した。轟音と共に日光が差し込み、エイはその隙間に滑り込むようにして森の中へと飛び出した。
鬱蒼と茂る森。エイは再び透明化魔法を最大出力で展開し、気配を殺して木々の間を縫うように走る。視覚的には完全に消失しているはずだが、肺を焼くような荒い呼吸と、浄化の魔法が残した甘い香りが、静寂の中で残酷な道標となっていた。
虎杖「いた! ……いや、見えねえけど、こっちからスゲーいい匂いがする! あっちだ!」
釘崎「ちょっと待ちなさいよアンタ! 大人しく姿を見せなさいよ!」
後方から虎杖と釘崎の怒鳴り声が聞こえる。全力疾走で追いすがる彼らの足音は、まるで地響きのように森を揺らしていた。
釘崎「悠二! 右のに回り込みなさい! 逃げ道を塞ぐわよ!」
虎杖「分かってるって! 野薔薇は左から挟みこんでよ! 捕まえたら奢りだからな!」
釘崎「あったりまえじゃない! 高級寿司一択よ!」
そんなわちゃわちゃとした言い合いをしながらも、彼らの連携には隙がない。エイが木々の影に身を隠そうとするたび、的確に追い詰めてくる。
エイ「(くっ、姿は見えていないはずなのに……連携が早すぎる!)」
視界の端に、影のような動きが映った。伏黒恵だ。
恵「『鵺』! 上空から残香の広がりを追え。広範囲に電撃を撒いて、あぶり出す」
空を舞う式神がエイの潜伏位置を特定し、雷を落として足止めを狙う。透明化したままのエイは咄嗟に魔力で障壁を張り、無理やり足を動かした。一歩でも止れば、即座に終わりだと本能が告げている。
恵「追い詰めた。……いや、まだ動くか。化け物め」
恵は冷静に式神を操り、迷路のように入り組んだ森の地形をエイの檻へと変えていく。
森の斜面を駆け下りるエイの足音が、湿った土を跳ね上げる。心臓の鼓動が耳の奥で鐘のように打ち鳴らされ、全身が熱い。透明化しているせいで自分の輪郭さえ曖昧に感じるが、肉体の疲弊だけは生々しい。
五条「あはは! いい足してるねぇ、魔術師さん。見えない相手を追いかけるのも、ゾクゾクして悪くないよ!」
五条が空中から急降下し、エイがいるであろう空間のすぐ横をすり抜けた。風圧で服がはためき、彼の纏う無限の感覚が肌を撫でる。
五条「どうしたの? 呼吸が乱れてるよ。透明になっても、ボクからは逃げられないって分かってるでしょ?」
エイ「(誰が捕まるもんか……!)」
エイは身を低くし、倒木の下を滑り抜ける。だがそこには夏油が待ち構えていた。
夏油「ここで行き止まりだよ。観念して、僕たちの保護下に入りなさい。悪いようにはしないから」
夏油が優しく、だが逃走を一切許さない冷徹な手つきで、何もない空間――エイの手首があるはずの場所へ手を伸ばす。指先がエイの肌に触れ、その熱にエイの心臓が跳ねた。
エイ「嫌だね!」
エイは夏油の手を振り払い、足元の土を泥化させて目くらましにする。
五条「おっと、傑を振り切るとはね。姿が見えない分、動きが予測しづらくてますます気に入っちゃった」
夏油「……悟、あまり彼を追い詰めすぎるなよ。壊れてしまったら元も子もない」
甚爾「ガタガタうるせぇよ。捕まえればそれで終わりだろ」
甚爾が再び影から飛び出し、透明な空間に向かって太い腕を伸ばす。エイは体を捻り、彼の腕の中を泳ぐようにして脱出した。布が擦れる音が、甚爾の耳を捉える。
甚爾「チッ、ヌルヌルとよく動く野郎だ。だがもう逃げ場はねえぞ」
気づけば、エイの周囲は完全に包囲されていた。
正面には五条と夏油。
背後には甚爾。
左右には、息を切らしながらも眼光を鋭く光らせる虎杖、恵、釘崎。
六人の視線が、何も見えないはずの中央の空間へと突き刺さる。森の空気は彼らの熱気と呪力で飽和し、逃げ場のない密室のようになっていた。
五条「さあ、鬼ごっこはこれでおしまい。魔術師さん、ゆっくりお話ししようか」
五条がアイマスクを指でずらし、吸い込まれるような蒼い瞳で「透明なエイ」を真っ向から見据える。その瞳に宿る、隠しきれない独占欲。
エイは荒い呼吸を整えようとしたが、酸素が足りない。全身を汗が伝い、透明化したままの法衣が肌に張り付く。
エイ「(……ついに、捕まったか)」
絶体絶命の状況。だが、彼らの瞳に宿る熱は、単なる捕縛だけを目的としているようには見えなかった。
五条「ねえ、姿を見せてよ。君のこと、もっと詳しく知りたいんだ」
一歩、また一歩と、彼らがエイとの距離を詰めていく。逃げ場のない円陣の中で、エイの心臓はこれまでで一番激しく脈打っていた。
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この十五年間、数多の呪術師との遭遇を潜り抜けてきたが、これほどまでに執着心が強く、かつ規格外の連中に追われたことはない。
甚爾「へえ、逃げるねぇ。そのステップ、呪術師のそれじゃねえな」
背後から突き刺さる声。甚爾がコンクリートの破片を足場に、重力を無視した速度で肉薄する。彼の手が、エイの首筋を刈り取るように伸びた。一撃の重みがこれまでの誰とも違う。掠めるだけで死を確信するほどの、絶対的な暴力。
エイ「(マズい、この男だけは異質だ!)」
エイは体を捻り、紙一重でその指先をかわす。甚爾の爪が法衣の金の刺繍を弾き、火花が散るような感触が肌に伝わった。
甚爾「ハッ! 逃がさねぇよ。お前の首には相当な額が懸かってんだ。俺の老後の資金になってもらうぜ、魔術師さん」
五条「ちょっと甚爾! 勝手に自分ひとりの獲物にしないでよ! ボクもその不思議な力に興味津々なんだからさ!」
五条が頭上から嘲笑混じりの声を投げかける。その隣では夏油が、何体もの呪霊を回廊に放ち、エイの逃げ道を物理的に埋めていた。
夏油「悟、はしゃぎすぎだよ。でも確かに、この清らかな感覚。呪術界で囁かれる『幻のヒーラー』の噂……どうやら本物みたいだね」
エイは奥歯を噛みしめた。土地の浄化を始めたばかりで魔力はまだ潤沢にあるが、この閉鎖空間でこの怪物共を相手にするのは得策ではない。
エイ「アイスニードル!」
短く詠唱を放つ。空中に無数の氷の針が生成され、マロンモールの頑強な壁と、外を包む「帳」を内側から粉砕した。轟音と共に日光が差し込み、エイはその隙間に滑り込むようにして森の中へと飛び出した。
鬱蒼と茂る森。エイは再び透明化魔法を最大出力で展開し、気配を殺して木々の間を縫うように走る。視覚的には完全に消失しているはずだが、肺を焼くような荒い呼吸と、浄化の魔法が残した甘い香りが、静寂の中で残酷な道標となっていた。
虎杖「いた! ……いや、見えねえけど、こっちからスゲーいい匂いがする! あっちだ!」
釘崎「ちょっと待ちなさいよアンタ! 大人しく姿を見せなさいよ!」
後方から虎杖と釘崎の怒鳴り声が聞こえる。全力疾走で追いすがる彼らの足音は、まるで地響きのように森を揺らしていた。
釘崎「悠二! 右のに回り込みなさい! 逃げ道を塞ぐわよ!」
虎杖「分かってるって! 野薔薇は左から挟みこんでよ! 捕まえたら奢りだからな!」
釘崎「あったりまえじゃない! 高級寿司一択よ!」
そんなわちゃわちゃとした言い合いをしながらも、彼らの連携には隙がない。エイが木々の影に身を隠そうとするたび、的確に追い詰めてくる。
エイ「(くっ、姿は見えていないはずなのに……連携が早すぎる!)」
視界の端に、影のような動きが映った。伏黒恵だ。
恵「『鵺』! 上空から残香の広がりを追え。広範囲に電撃を撒いて、あぶり出す」
空を舞う式神がエイの潜伏位置を特定し、雷を落として足止めを狙う。透明化したままのエイは咄嗟に魔力で障壁を張り、無理やり足を動かした。一歩でも止れば、即座に終わりだと本能が告げている。
恵「追い詰めた。……いや、まだ動くか。化け物め」
恵は冷静に式神を操り、迷路のように入り組んだ森の地形をエイの檻へと変えていく。
森の斜面を駆け下りるエイの足音が、湿った土を跳ね上げる。心臓の鼓動が耳の奥で鐘のように打ち鳴らされ、全身が熱い。透明化しているせいで自分の輪郭さえ曖昧に感じるが、肉体の疲弊だけは生々しい。
五条「あはは! いい足してるねぇ、魔術師さん。見えない相手を追いかけるのも、ゾクゾクして悪くないよ!」
五条が空中から急降下し、エイがいるであろう空間のすぐ横をすり抜けた。風圧で服がはためき、彼の纏う無限の感覚が肌を撫でる。
五条「どうしたの? 呼吸が乱れてるよ。透明になっても、ボクからは逃げられないって分かってるでしょ?」
エイ「(誰が捕まるもんか……!)」
エイは身を低くし、倒木の下を滑り抜ける。だがそこには夏油が待ち構えていた。
夏油「ここで行き止まりだよ。観念して、僕たちの保護下に入りなさい。悪いようにはしないから」
夏油が優しく、だが逃走を一切許さない冷徹な手つきで、何もない空間――エイの手首があるはずの場所へ手を伸ばす。指先がエイの肌に触れ、その熱にエイの心臓が跳ねた。
エイ「嫌だね!」
エイは夏油の手を振り払い、足元の土を泥化させて目くらましにする。
五条「おっと、傑を振り切るとはね。姿が見えない分、動きが予測しづらくてますます気に入っちゃった」
夏油「……悟、あまり彼を追い詰めすぎるなよ。壊れてしまったら元も子もない」
甚爾「ガタガタうるせぇよ。捕まえればそれで終わりだろ」
甚爾が再び影から飛び出し、透明な空間に向かって太い腕を伸ばす。エイは体を捻り、彼の腕の中を泳ぐようにして脱出した。布が擦れる音が、甚爾の耳を捉える。
甚爾「チッ、ヌルヌルとよく動く野郎だ。だがもう逃げ場はねえぞ」
気づけば、エイの周囲は完全に包囲されていた。
正面には五条と夏油。
背後には甚爾。
左右には、息を切らしながらも眼光を鋭く光らせる虎杖、恵、釘崎。
六人の視線が、何も見えないはずの中央の空間へと突き刺さる。森の空気は彼らの熱気と呪力で飽和し、逃げ場のない密室のようになっていた。
五条「さあ、鬼ごっこはこれでおしまい。魔術師さん、ゆっくりお話ししようか」
五条がアイマスクを指でずらし、吸い込まれるような蒼い瞳で「透明なエイ」を真っ向から見据える。その瞳に宿る、隠しきれない独占欲。
エイは荒い呼吸を整えようとしたが、酸素が足りない。全身を汗が伝い、透明化したままの法衣が肌に張り付く。
エイ「(……ついに、捕まったか)」
絶体絶命の状況。だが、彼らの瞳に宿る熱は、単なる捕縛だけを目的としているようには見えなかった。
五条「ねえ、姿を見せてよ。君のこと、もっと詳しく知りたいんだ」
一歩、また一歩と、彼らがエイとの距離を詰めていく。逃げ場のない円陣の中で、エイの心臓はこれまでで一番激しく脈打っていた。
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