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2章 囚われの魔術師
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※16話:事後直後からの虎杖の心境
医務室の扉を背にした瞬間、虎杖悠仁の肺は冷たい夜気に焼かれるような痛みを感じた。
五条から手渡されたティッシュの束、そこに付着した生々しい「事後」の証。
……そして、宿儺が意識を沈める直前に脳髄へ直接流し込んってきた、粘りつくような快楽の残滓。
悠仁「(……嘘だろ。あんなの、あんなこと……)」
視界が歪む。
意識の薄膜越しに、宿儺の感覚を共有していた。ナマエの肌の熱さ、彼女が苦痛と快楽の狭間で上げた高い声、実て己の肉体が彼女の深奥を貫いた瞬間の、吸い付くような抵抗感。
すべてが自分の犯した罪として、鋭いナイフのように心を抉り、血を流させる。
居た堪れなさに突き動かされ、悠仁は男子寮へと続く道を全力で走った。心臓の鼓動が耳元でうるさく打ち鳴らされ、逃げ場のない現実から少しでも遠ざかりたかった。
寮の手前に差し掛かると、廊下に集まる人影が見えた。伏黒、釘崎、そして二年生の先輩たち。彼らは一様に、医務室から強制退去させられた後の「続き」を案じて、顔を突き合わせていた。
釘崎「あ! きたきた……ちょっとアンタ! あれからどうなったのよ。宿儺よ、宿儺! あの魔術師さんに跨ったとこで追い出されちゃってさ」
野薔薇が詰め寄る。その瞳には好奇心と、憧れに近い対象であるナマエへの心配が混ざり合っていた。
だが、悠仁は足を止め、項垂れたまま言葉を失う。
悠仁「……。俺、……ナマエさんの初めて、奪っちゃったっぽくて。シーツに、血が……」
その一言が、夜の静寂を切り裂いた。
集まっていた一同の間に、爆弾が落ちたような衝撃が走る。空気が一瞬で凝固し、誰もが次の言葉を探して口を噤んだ。
乙骨「……それは、……本当に最後まで、したっていうこと?」
憂太の声が微かに震える。彼にとって、あの美しくも儚い魔術師は、どこか神聖な存在として映っていたはずだ。それを、同級生の肉体を使った呪いの王が蹂躙した。その事実の重さに、彼は顔を青ざめさせた。
狗巻「おかか……(そんなぁ……)」
真希「マジかよ。おい、待て。さっき五条の野郎が、宿儺とあいつは知り合いだって言ってただろ。少なくとも千年以上生きてんだぞ? 初めてなんて、そんなことあんのかよ」
真希が信じられないといった風に額を押さえる。現実味のない時間の長さに、パンダが腕を組んで唸った。
パンダ「仕事熱心そうだったもんな、あの魔術師さん。色恋沙汰にうつつを抜かす暇もなかったってことか? それにしても、初陣が宿儺ってのは……流石にハードすぎんだろ」
伏黒「……」
恵は一言も発さず、ただ地面を睨みつけていた。握りしめられた拳が白く震えている。自分たちが追い求め、ようやく捕らえた「幻」を、最も最悪な形で汚されたことへの憤り。
そして、それを誰も止められなかった無力感。
悠仁「でも、交代した瞬間……目の前の光景が全部語ってたんだよ。シーツの汚れも、ナマエさんの泣き顔も。もーどーしたらいいか俺わかんねーよ! 宿儺がやったことだって分かってても、俺の身体なんだ。大変なことやらかして、明日からどんな顔して会えばいいんだよ!」
悠仁は頭を抱え、
釘崎「ちょっと、アンタが絶望してどうすんのよ! 悪いのは全部、中の腐れミイラでしょ! ほら、シャキッとしなさいよ、このバカ!」
野薔薇が怒鳴りつけるが、その声もどこか上擦っている。
真希「……合わせる顔がないのは、私たち全員同じかもな。捕まえて、和解して助けるはずが、結局はあんな目に遭わせた。五条たちも、止めるどころか半分くらい楽しんで見てただろ、あれ」
真希の指摘は鋭かった。あの場に残った大人たちの、加熱した独占欲。それを生徒たちも肌で感じていたのだ。
乙骨「……ナマエさん、大丈夫かな。心も、身体も……ボロボロになってないかな」
憂太の呟きが、夜の闇に虚しく響く。
虎杖悠仁。伏黒恵。釘崎野薔薇。そして二年生たち。
少年たちの心に刻まれたのは、憧れの女性を「壊してしまった」という、消えることのない暗い影だった。
悠仁「(……ごめん、ナマエさん。本当に、ごめんなさい……)」
胸の奥で、宿儺が嘲笑う気配がした。
少年は、自分の手に残る、決して拭いきれない熱と香りに、一晩中苛まれ続けることになる。
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