女性時(ノーマル)の名前と、男装時の名前を入力してお楽しみください。
2章 囚われの魔術師
!!必読!!夢小説名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
意識の底から這い上がる感触は、泥の中に沈んでいた身体を無理やり引き摺り出されるような不快感を伴っていた。
ナマエが重い瞼を押し上げると、視界に飛び込んできたのは無機質な真っ白な天井だった。
ナマエ「……っ、うあ……」
思考を巡らせようとした瞬間、こめかみを太い釘で貫かれたような激痛が走る。ズキズキと脈打つ痛みに加え、平衡感覚が消失したような酷い浮遊感が全身を支配していた。
自分が今、仰向けに寝ているのか、それとも奈落へ落ちているのかさえ判別がつかない。
ナマエは混濁する意識を必死に手繰り寄せた。最後に見た、あの絶望的な光景。
馴染みの店主がすり替わっていたこと。背後からあの筋肉質の男、甚爾に逃げ場を塞がれ、抗えない力で抱きすくめられたこと。そして、あの軽薄な白髪、五条悟に唇を奪われ、口内を蹂躙されながら無理やり薬を流し込まれた記憶。
ナマエ「……あぁ、…やってしまった…」
掠れた声を絞り出そうとするが、喉が焼けるように熱く、音にならない吐息が漏れるだけだった。油断か、あるいは身体の衰弱が判断を鈍らせたのか。どちらにせよ、この15年間呪術師と鉢合わないように気を配っていたのに……最悪の結末を招いた事実は変わらない。
静まり返った部屋に、カツ、カツと硬い靴音が近づいてきた。
迷いのない手つきでカーテンが勢いよく開けられ、眩い光と共に一人の女性が姿を現した。指先には火のついた煙草が挟まれており、気怠そうな隈のある瞳がナマエを冷淡に、けれど興味深げに見下ろしている。
硝子「…ようやくお目覚め。アンタが例の『幻のヒーラー』さんね。……悟の奴が無理やり飲ませた薬、アンタの体質には合わなかったみたい。今、ひどい発熱をしてるわよ。…案外、繊細なのね」
ナマエ「…、……ここは……?」
硝子「見ての通り、呪術高専の医務室。私は家入硝子。アンタが寝てる間に採血もさせてもらったけど……。アンタの血、普通の人間とは組成が違いすぎるわ。面白いサンプルすぎて、解析が追いつかない」
硝子は淡々と告げると、ポケットからスマートフォンを取り出し、画面を素早く叩いた。
硝子「とりあえず、目が覚めたって報告しとくわ。…ふふ、…あぁ、もう来たみたいね。耳を塞いでおいたほうがいいわよ」
硝子の言葉が終わるか終わらないかのうちに、廊下から地響きのような、騒がしい複数の足音が近づいてきた。
五条「 目が覚めたって本当!? ボクの愛が通じちゃったかな!」
虎杖「マジで!? 良かった、あの後ずっと心配だったんだよ!」
釘崎「ちょっとアンタたち、病人の部屋に土足で踏み込まないの! どきなさいよ!」
扉が乱暴に開け放たれ、やかましい声の洪水がナマエの割れるような頭痛を容赦なく貫いた。先頭を切って飛び込んできたのは、やはりあの白髪の男、五条悟だった。その後ろには、マロンモールや新宿で見かけた生徒たちの顔もある。
ナマエ(……という事は……ここは……硝子さんが言っていた通り学校。…本当に、連れてこられてしまったんだ)
五条「おはよ。顔色悪いね。やっぱりボクのキスが激しすぎた?」
五条はベッドの脇に腰を下ろすと、当然のような顔をしてナマエの熱い額に長い指を滑らせた。
その触感は驚くほど冷たくて心地よいはずなのに、向けられる眼差しに含まれた粘りつくような独占欲が、ナマエの肌を粟立たせる。
甚爾「おい、勝手に触るんじゃねぇよ。俺が捕まえた獲物だぞ、そいつは」
後ろから現れた甚爾が、五条の肩を乱暴に掴んで引き剥がそうとする。その横では夏油が、聖母のような笑みを浮かべながらも、獲物を逃さない蜘蛛のような鋭い視線をナマエに固定していた。
夏油「皆、静かにしたまえ。彼女は病身なんだ。…怖がらなくていい。君のことは、私たちが責任を持って『保護』するからね。二度と、あんな危ない買い出しに行かなくて済むように」
夏油の言葉は優しいが、その「保護」という響きには、この高専から出す気は無いという断固たる意志が透けて見えた。
虎杖「魔術師さん、大丈夫? これ、俺の好きなジュース!冷たいから美味いよ!早く元気になってよ!」
釘崎「アンタ、女の姿の方が全然いいじゃない。今度、可愛い服持ってくるわね!」
生徒たちの純粋な善意と、背後に控える男たちの昏い情熱。その温度差に吐き気が増していく
ナマエは絶望に瞳を閉じ、再びズキズキと脈打つ頭痛の闇の中へと逃げ込もうとした。
next