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そのほかいろいろ

頬杖をついて、横の席の女の横顔をまじまじと眺める。
席替えをしたらしい。前のようにむさ苦しい野郎の顔はない。女だ。しかもよくよく見ると大分俺様好みだ。

「どうしたの、獏良くん?」

視線に気付いたのか、こちらを向いて尋ねてきた。
正面から見ても、俺様好みだ。

「ああ? 何でもねぇよ」

少し面食らったような顔をして、そう、と答えると女は前に向き直った。
そういえば獏良了はそんな喋り方しなかったなと気付いたが、まあ問題ないだろう。

改めてその女を眺める。全くもって俺様好みの女だな、と舐め回すように見ていると、やはり気になるのか、目線を一度だけ寄越すと俯き気味になった。
恥じらってるらしく、ますますそそるじゃねぇかと心の内でニヤリと笑う。

さて、この女、どうやって手に入れようか。
俺様は手段は選ばない盗賊だ。女も力ずくで手に入れるのが“礼儀”というものだろう。
しかしそれでは単純すぎやしないか。要は面白くない。夢中にさせるのも悪くない筈だ。だがきっとそれは長い時間が必要だ。気の短い自分に耐えられるだろうか?

「獏良!」

思わず飛び上がった。誰だ良い時に邪魔してくれた上に、気安く呼んだ野郎は。

「獏良、次の問題に答えろ!」

先生(という人種らしい)が意地悪っぽく笑っているのが腹立たしい。
だが、問題という面倒なものに関わるのは御免だ。さっさと獏良了に代わって貰おうか。
意識が沈み始めて、1つだけ後悔した。


ああ、名前聞いてねぇ……。

 (了)




2014.5.3 初稿
2022.2.1 加筆修正

呟き一行創作タグから。

Lemon Ruriboshi.
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