カイト夢
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昼間の公園で俺は凍りついた。
「兄さん、赤ちゃんってどこから来るの?」
気分転換にハルトとセツナを連れて訪れた春の暖かい公園は、老若男女問わず、のんびりと過ごす人で賑わっている。
中には赤ん坊を連れた家族、臨月の女性とその旦那であろう夫婦もいて、ハルトは彼らを見て思ったのだろう。
「ねぇ、兄さん?」
俺はどうしたらいい? 本当のことを教えるのはハルトにはまだ早すぎないか?
だからと言って嘘は如何なものか。
ぐるぐると思考は回り、果たして俺は今、何を見つめているのだろう。
幸か不幸か、セツナは飲み物を買いに行っていてここにはいない。
ハルトは、兄さん? と右から不思議そうな目を向けて詰め寄ってくる。
「どうしたの?」
瞬間、脳内が真っ白になった。なんというタイミング。
声の主であるセツナの方を向いて、手渡された缶コーヒーを受け取る。
「暑いの? 顔が赤いけど?」
「……知らん」
カコンと缶を開けて、さっきまでのどろどろとした気持ちと一緒に飲み込んだ。
セツナはハルトにアップルジュースを手渡すと、ハルトの右隣に座って自分の分のプルタブを引いた。
「セツナ姉さん」
「なぁに?」
「赤ちゃんってどこから来るの?」
セツナの顔が驚きで強張った。
しかし、それでもたじろぐことはなく、うーん、と少し考えてから、
「その子のお父さんとお母さんが最高に愛し合ったら、神様がお母さんのお腹に赤ちゃんを送ってくれるんだよ」
と微笑んだ。まあ、強ち間違いではない。
もう少し大きくなったら分かるわ、とハルトの頭を撫でるセツナに少し余裕すら感じるのは、やはり女性だからだろうか。
「じゃあさ」
「うん」
「兄さんとセツナ姉さんにも、赤ちゃん生まれるの?」
飲み込みかけていたコーヒーが気管に入り、俺はひどく咳き込んだ。
(了)
2014.5.3 初稿
2022.2.26 加筆修正
赤どこ(赤ちゃんはどこからくるの)される兄さん妄想だけで1ヶ月くらい生きてた。
Lemon Ruriboshi.
「兄さん、赤ちゃんってどこから来るの?」
気分転換にハルトとセツナを連れて訪れた春の暖かい公園は、老若男女問わず、のんびりと過ごす人で賑わっている。
中には赤ん坊を連れた家族、臨月の女性とその旦那であろう夫婦もいて、ハルトは彼らを見て思ったのだろう。
「ねぇ、兄さん?」
俺はどうしたらいい? 本当のことを教えるのはハルトにはまだ早すぎないか?
だからと言って嘘は如何なものか。
ぐるぐると思考は回り、果たして俺は今、何を見つめているのだろう。
幸か不幸か、セツナは飲み物を買いに行っていてここにはいない。
ハルトは、兄さん? と右から不思議そうな目を向けて詰め寄ってくる。
「どうしたの?」
瞬間、脳内が真っ白になった。なんというタイミング。
声の主であるセツナの方を向いて、手渡された缶コーヒーを受け取る。
「暑いの? 顔が赤いけど?」
「……知らん」
カコンと缶を開けて、さっきまでのどろどろとした気持ちと一緒に飲み込んだ。
セツナはハルトにアップルジュースを手渡すと、ハルトの右隣に座って自分の分のプルタブを引いた。
「セツナ姉さん」
「なぁに?」
「赤ちゃんってどこから来るの?」
セツナの顔が驚きで強張った。
しかし、それでもたじろぐことはなく、うーん、と少し考えてから、
「その子のお父さんとお母さんが最高に愛し合ったら、神様がお母さんのお腹に赤ちゃんを送ってくれるんだよ」
と微笑んだ。まあ、強ち間違いではない。
もう少し大きくなったら分かるわ、とハルトの頭を撫でるセツナに少し余裕すら感じるのは、やはり女性だからだろうか。
「じゃあさ」
「うん」
「兄さんとセツナ姉さんにも、赤ちゃん生まれるの?」
飲み込みかけていたコーヒーが気管に入り、俺はひどく咳き込んだ。
(了)
2014.5.3 初稿
2022.2.26 加筆修正
赤どこ(赤ちゃんはどこからくるの)される兄さん妄想だけで1ヶ月くらい生きてた。
Lemon Ruriboshi.
1/8ページ