Ⅳ・トーマス夢
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俺が「来いよ」と言えば、アイツが拒めないことを俺は知っている。
「今晩、俺の部屋に来いよ」
と昼間に言えば、この通り、今晩ちゃんと部屋に来たのが、何よりの証拠だ。
「ほら、早くこっち来いよ」
ポンポンとベッドを叩いて、俺の横の、1人は寝転がれるスペースを示せば、おずおずと近づいてきて腰を下ろした。
「ほら、横になれよ」
半ば無理矢理に寝かせ、俺がかけている布団をコイツにもかけてやる。
ハヅキは俺に背中を向けたままで、顔を見せようとはしない。だが、コイツが今どんな顔をしているのかは大体検討がつく。
「……あったけぇ」
ハヅキを抱き寄せ、首元に顔を埋めて、香りと温もりを味わう。ピクリ、とハヅキの体が震えた。
「なぁ、もっとこっち来いよ」
自分で来いよと言いながら、俺は抱き枕を扱うようにハヅキをきつく抱き締める。少し抵抗を見せたが、すぐに大人しくなった。
そのまま、時間が過ぎていく。
トクントクンという互いの心音が、俺に幸せを感じさせる。心地良い。
「なあ」
「な、に?」
まだ緊張してやがる。今日は何をしようって気はないのにコイツは。誘ってんじゃないかと俺は錯覚したが、まあいい。
「もしも、だ」
「はい」
「俺が旅に出るっつったら、お前はどうする」
腕の中にいるハヅキの体から、力が少し抜けた。
「……ついていきます。例え拒まれても、あなた様が良いと言うまで」
予想通りの答えだ。フッ、と思わず笑いが零れて、
「お前ならそういうだろうと思ったぜ」
ご褒美だ、と頬にキスしてやった。きっと今ハヅキは、優しい顔で微笑んでる。
「いいぜ? なら、その時は絶対について来いよ? いいな?」
(了)
2014.5.14~15 初稿
2022.2.25 加筆修正
5月14日って来いよ、だなと思って23時半から書き始めた。
Lemon Ruriboshi.
「今晩、俺の部屋に来いよ」
と昼間に言えば、この通り、今晩ちゃんと部屋に来たのが、何よりの証拠だ。
「ほら、早くこっち来いよ」
ポンポンとベッドを叩いて、俺の横の、1人は寝転がれるスペースを示せば、おずおずと近づいてきて腰を下ろした。
「ほら、横になれよ」
半ば無理矢理に寝かせ、俺がかけている布団をコイツにもかけてやる。
ハヅキは俺に背中を向けたままで、顔を見せようとはしない。だが、コイツが今どんな顔をしているのかは大体検討がつく。
「……あったけぇ」
ハヅキを抱き寄せ、首元に顔を埋めて、香りと温もりを味わう。ピクリ、とハヅキの体が震えた。
「なぁ、もっとこっち来いよ」
自分で来いよと言いながら、俺は抱き枕を扱うようにハヅキをきつく抱き締める。少し抵抗を見せたが、すぐに大人しくなった。
そのまま、時間が過ぎていく。
トクントクンという互いの心音が、俺に幸せを感じさせる。心地良い。
「なあ」
「な、に?」
まだ緊張してやがる。今日は何をしようって気はないのにコイツは。誘ってんじゃないかと俺は錯覚したが、まあいい。
「もしも、だ」
「はい」
「俺が旅に出るっつったら、お前はどうする」
腕の中にいるハヅキの体から、力が少し抜けた。
「……ついていきます。例え拒まれても、あなた様が良いと言うまで」
予想通りの答えだ。フッ、と思わず笑いが零れて、
「お前ならそういうだろうと思ったぜ」
ご褒美だ、と頬にキスしてやった。きっと今ハヅキは、優しい顔で微笑んでる。
「いいぜ? なら、その時は絶対について来いよ? いいな?」
(了)
2014.5.14~15 初稿
2022.2.25 加筆修正
5月14日って来いよ、だなと思って23時半から書き始めた。
Lemon Ruriboshi.