Phototaxis
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なんだよ、凪木も先に戻っちゃうのか?
円堂に声をかけられて私は振り返る。
アフロディたちの猛攻を受けていた円堂は目も当てられないくらいボロボロだ。今すぐ休んで欲しいところだけど、この後すぐに優勝インタビューや写真撮影と引っ張りダコで、しばらくは抜け出せそうにない。
西垣くんに優勝報告へ向かった一之瀬と土門、それから夕香ちゃんに会いに行った豪炎寺はそれらに参加しないようだったから、私も一緒にお暇しようとした矢先のことだった。
「うん、ほら、一応私…ちゃんと部外者だからさ」
「凪木先輩もマネージャーになっちゃえばいいのに!」
もうほとんどそんな感じじゃないですか、と春奈ちゃんが口を尖らせて言うものだから私は苦笑する。
「凪木がマネージャーねぇ」
「…なに染岡『それもいいな』とか思ってるわけ?」
「たりめーだろ、だってもう凪木も雷門イレブンの一員みたいなもんだぜ?」
「……そう言う意味じゃないんだけど。」
「あ?」
「なんでもなーい」
マックスが染岡を揶揄って、それが上手くいかなくて不貞腐れる。それに染岡が疑問符を浮かべて半田が苦笑を返す。
いつもの光景だけど、奇跡みたいな光景だ。
私もこの輪の中に入っているんだって思うだけで胸の中が暖かくなる。
「凪木、」
染岡が急に真面目な顔をして名前を呼んでくるから、私も真剣な顔で見つめ返した。
「マジな話、今度一緒にサッカーやろうぜ」
「え……」
「ただの球蹴りでもいいけどよ、……やってみようぜ。凪木も」
「いいなそれ!ポジションはどうする?俺凪木はMFだと思うんだよなぁ」
「ポ、ポジション?そんな本格的なやつ?」
「軽いやつから、と言ってるだろう」
鬼道のツッコミに円堂が笑う、みんなが笑ってる。
私は、ここにいる。
「私、さ」
「ん?」
「やっぱり…サッカーも、みんなのことも大好きだよ。こんなに最高な気持ち、……うん。絶対に忘れないから。」
私の言葉に隣のマックスがニヤリとチェシャ猫みたいな笑顔を浮かべた。
「……青春、ってかんじ?」
「……うん。青春してる、ってかんじ」
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走光性