Phototaxis
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「焼き芋が美味しいなぁ」
「姉ちゃん半分くれ」
「ほい」
「…めっちゃ下のほうくれてありがとよ」
「褒めんな照れる」
商店街にて母親待ちである。
ベンチに腰掛けて待っていたのはいいけど、寒すぎた。
丁度目の前をおいしそうな臭いが通過する。
や~きいも~~~~ほっかほかぁ~~~~
気づいたら手の中に焼き芋があった。
うーん、秋は美味しいものがいっぱいで幸せだ。
「…あれ、凪木?」
「ふ?!」
可愛い声がした。
ぎぎぎぎぎ、顔を向けるとぽかんとした出前少年が居る。
ひぃ!
「おー虎丸、出前?」
「うん、帰り。…ええっと凪木のお姉さん?」
「は、はじめまして、いつも弟がお世話になってます」
「あっいえ、こちらこそ凪木君にはお世話になりっぱなしで」
深々とお互いに頭を下げる、なんてこった心の準備無しに虎丸に遭遇してしまったひぇえ可愛い!!
虎丸君は鼻の頭を少し赤くしてにこっと笑った、あ、だめ死ぬかもしれない。
く、くぎゅううううううう
「姉ちゃん顔、顔やばい」
「うっあ、あの虎丸、君?」
「?はい。」
「や、焼き芋、どうぞ」
こうして私の焼き芋は三分割され、それぞれの胃に収まることになった。
あかん虎丸君と会う時は心の準備していかないと駄目dくぎゅうぅううううう
「―――凪木のお姉さんいい人じゃん」
「へ?どこが」
「いつも凪木から聞いてるような鬼じゃなかったし」
「いやいや十分鬼だからアレ…俺の焼き芋の配分見なかったの?」
「本当の鬼は分けてくれないと思うけどなー…いいな凪木のお姉さん…俺もお姉さんほしかった」
「虎丸、餌付けされてないか」
「ん?」