Phototaxis
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「…」
なんか、居る。
今日は尾刈斗中の試合だ。
染岡から「見せてやるぜ俺のドラゴンクラッシュ!」と招待を受けたのはいいが見事に遅刻してしまった。
道中の信号にすべて引っかかったせいなんだけど、こういうとき誰を恨んでいいか、感情の行き所がない。
なんてイライラしながら校門をくぐろうとしたら、なんか見たことのある二人組が居た。
(でた、鬼道と佐久間)
そっか、スパイに来てたんだっけ
先日の雷門戦以来あんまり良いイメージで無くなった二人を見つめる。
あまりにじっと見すぎたのか佐久間がまず視線に気づいた。
その反応に更に鬼道も気づいて私を見た。
「…」
「…」
「…」
せっかくなので視線の中に「よくもあのときはやってくれたな」と込めてみる。
鬼道はそんな私に「ふ、」と小さく笑った。
「遅刻か?」
うっさい。「あんたいつか地獄見るんだから」…あれ、口から出てた。
佐久間の視線が突き刺さる。
いたたたた刃物だわ。
けれど私はいまちょっとムシャクシャしている。
それもこれも全部信号がわるい!!
ふん、と鼻で笑って私は二人を省みることなくサッカー場まで足を運んだ。
「なんだあれは」
「気にしなくて良いぞ鬼道、あれはただの凶暴女だ」
うっさい聞こえてるってば。
背後から佐久間の声がして私は更に機嫌が悪くなった。
サッカー場では丁度円堂による洗脳攻略が行なわれているところだった。
なんだっけ、止まれ~とまれ~だっけ?ここの監督結構キャラ濃いんだよなー。
ちょっと離れたところでプレーを眺める。
染岡が焦っているのが見える。
半田も後輩達を説得しようとしているのも見える。
更に尾刈斗中のベンチに視線を向ければ、なにやらブツブツ呟いている監督が見えた。
催眠術か…歓声が大きかったら聞こえないんだろうけど、そんな応援をするような人たちはいなくて見ているだけだし、尾刈斗の生徒はすごい静かだし…
染岡の動きが荒くなってきた。
周囲との協調性が失われてきている。だめだこれじゃ、
私は大きく息を吸って、
「っそめお「ごろごろどっかーーーん!!!!」…あぁ…」
…うーん円堂ってば声でかい。見事に被っちゃった…
「ドラゴントルネード!!」
豪炎寺との連携ゴールで喜ぶ染岡を見て、私も思わず笑っていた。
私に気づいた染岡から親指を立てられて私も大きく頷いた。
「おめでと、」
勝利に喜ぶ雷門イレブンを眺めて私はそっとその場を離れる。
すっきりとした帰り道でちょっとあれは大人気なかったかなぁと帝国二人組のことを思い出した。