Phototaxis
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02 輝く世界の君たちは
「隣のクラスに転校生が来たんだって、しかも木戸川の生徒」
「へぇ」(…きた)
いちごジャムパンを食べながらそんな話を聞いた。
間違いなく豪炎寺だ。
知らないところで物語が動き始めていたらしい。
二年生になってから私は図書委員長として仕事が多くなったし、染岡たちとも席が離れて日常会話も減ったから知らなかった。
なんで雷門きたんだろー彼女いるのかなぁとイケメン好きの友人がぼやいている。
「凪木一緒に突撃しない?新聞部会計として腕がなるんだけど」
「えーやだ、しかも会計って関係ないじゃん」
「なんでよぅ、凪木もイケメン好きでしょ」
「好きだけどさぁ…かっこいいのより可愛いのがいいよ私」
ぶぅぶぅと文句を言う友人をスルーしてコーヒー牛乳をすする。
うん甘くておいしい。
豪炎寺はたしかにイケメンだと思うけど、…かっこいいと思うけど。
転校早々に変なヤツ認知されるのは勘弁願いたい。
「薄情者」
「そこが良くて私に声かけてきたのはそっちでしょ」
「んまぁそうなんだけど」
チャイムが鳴る。
ほら席戻る!といえば友人は次なんだっけーと立ち上がる。
次はふゆかいせんせーの理科だよ、うわぁ寝よう
理科の教科書を引っ張り出す。
前回どこまで行ったんだろう、三回連続寝てるからそろそろ迷子になりそう。
起きてないとなァとあくびをかみ殺して、私は斜め前のカラフルな帽子を見つめて、それから染岡、半田を見た。
(そっか…始まるんだなぁ)
ふゆかい先生がきたのが見えて、私は何も考えず目を閉じていた。