Phototaxis
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新学期。
きてしまった。
(結構この編制って大事だよね)
私はCクラス。
また円堂とはクラスが違った。ある意味助かった。
ええっと…あれ、またマックスが居る。それから
「よぉ」
「ああ、おはよ染岡君」
「クラスまた一緒だな」
「うん。よろしくね」
「凪木が居てくれると助かるぜ」
「勉強は見るけどさぁ…あ、半田君だ、おはよう。半田君も一緒のクラスだね」
「凪木先にネタバレすんなよ」
「え、あ、ごめん」
まーいいんだけどさ、例の勉強会の件からようやく目を合わせて話してくれるようになった半田真一は名簿を見て「Cかぁ」とぼやく。
去年も同じクラスだった数名の名前と、それから見たことも無い名前の子、なんか知ってる名前の子。
一年このメンバーで過ごす。
「よろしくね」
「おう」
「ああ、よろしく」
二年生の教室にはもう既に何人も居て、座席表が前に張り出されている。
三人で覗き込む、お、ラッキー窓際だ。
かっこうのお昼寝ポイントじゃないか。
いよいよ本格的に昼寝癖がついてきている気がするけど眠いものは仕方ない。
人間は欲求に勝てないのだ。
席に着くと斜め前にカラフルな帽子が座っている。
思わず「あ」と漏らすと、首だけで彼は振り返った。
「凪木さんオハヨ」
「マックス君おはよう、また同じクラスだね、よろしく」
「へへ、よろしく」
多分班も一緒だね~とマックスは笑う。
うんそうだね、と返して筆記用具を出す。
マックスは凪木さんと絡んだことないから楽しみだな~なんて不吉なことをぼやいて笑っている。
「そういえば凪木さんサッカーするの?」
「わたし?んんしないよ、なんで」
「今日来てた二人って確かサッカー部だよね」
まあ確かにサッカー部だ。
廃部寸前だけど。
「凪木さんよく一緒にいるからサッカーすんのかなって思った」
「まさか」
まだ決心がついていない私がサッカーに関わるなんて、真剣な彼らに申し訳ない。
二つ外の線は越してしまったけど、まだ一つ外の輪には居させて欲しい、その程度。
また思考の中にどっぷり入り込もうとする私を見てマックスは「ふぅん」と声を漏らした。
「マックスくんはまだ部活決めないの?」
「いやいや、ボクは助っ人部だから」
「なにそれ」
なんかの漫画みたいでいいでしょ?
くすくす笑っていると担任の先生がやってきた。
なにかを喋っているが生憎私の意識は半分夢の中である。
今年一年皆さんよろしくね。
そんな事を考えて私はさっそく春の日差しの中目を閉じた。
二年生初日、凪木が雷門二年目に突入した日のことである。