ライラックを君に
5
その日の夜、小鳩からWIREが来た。そこには話があるから明日の放課後時間を空けておいてほしいと書かれていた。
何の話だろうかと思考を巡らす。どう考えても駅前でのことと関係あるのだとは思うが、一体小鳩から話したいこととは何なのだろう。あの女の子のことだろうか。でも、わざわざそれを自分だけに報告する必要があるのかと言われると違う気がする。小鳩だったら普通に帰宅部のみんなに言って回りそうだ。
熟考の末、分かりましたとだけ送っておいた。すると、すぐにWIREの通知を知らせる音が鳴り響く。もしかして返事を待っていたのだろうか。文面を見ると、HRが終わったら学園の改札口でと書かれていた。それ以上は何も書かれていなかった。
これはきっとチャンスなのではないかと部長は思った。小鳩に何を言われようが自分の思いを打ち明ける。部長は一人静かに心に決めた。
***
放課後。HRが終わると荷物を手早く鞄に詰め、騒がしい教室から一人抜け出す。キィはというと、大人しくしてるからがんばれよと言い残し部長の体の中に戻っていった。キィなりに気を遣っているのだろう。
階段を駆け降り、改札口へと向かう。そこには、もうすでに小鳩の姿があった。なぜかそわそわとスマホを覗いたり、辺りを見渡している。もしかして探しているのかもと思うとちょっとうれしくなった。まだ小鳩は部長の姿に気づいていないようだ。思い切って声を掛ける。
「……小鳩先輩!」
「うぉ⁉ ブッチョ、早くね?」
「そうですか? 先輩の方が早くないですか?」
「まぁ、女の子を待たせるのは良くないからな」
女の子扱いされて、分かりやすく胸の奥がきゅうとなる。前までだったらこんなこと言われても適当にあしらっていたのに。それが今はうれしくて仕方がない。
それと思っていたよりはちゃんと会話ができていて良かった。昨日あんなことがあったからもっとうまく話せないと思っていた。昨日の自分がびっくりするぐらいいつものように話せている。だから、このまま例の件について聞くことにした。
「で、先輩話ってなんですか?」
「あ〜、まず話の前にこれ」
そう言って何かを差し出してきた。よく見るとそれはプラネタリアOKITAMAのチケットだった。小鳩の手元に二枚ある。
「えっと……?」
「一緒に行かない?」
「な、なぜ……?」
話があると言われてやって来たのに突然プラネタリウムのチケットを差し出されて困惑している。小鳩が後ろ手に頭を掻きながら話し出す。
「前一緒に行ったときはいろいろあってゆっくり見て回れなかっただろ? だから、もう一回って。もしかして嫌だったりする?」
その言葉に首を横に振る。確かにあの時は茉莉絵が攫われたり、小鳩がデジヘッドになったり、楽士と戦ったりでそんな余裕はなかった。
「嫌ではないです。行きたいです!」
「じゃ、行こうぜ!」
***
電車に乗ってプラネタリアOKITAMAへと向かう。ゆらゆらと電車に揺られていることすら楽しく感じる。よく考えたら小鳩とこうして二人で遊びに行くのは初めてかもしれない。誘われても断ることが多かったし、二人になったとしても絶対にキィがいた。そのキィはというと、本当に静かにしている。
そうこうしているうちに目的地を告げるアナウンスが聞こえた。周囲の人たちもぞろぞろと立ち上がり扉が開くのを待っている。部長たちもそれに続くように立ち上がった。
改札を抜け中に入れば、それなりに多くの人たちが来ていた。
すでにチケットは手元にあるので、受付を簡単に済ませ常設展の方から見ることにした。
「そういえば、先輩お金……」
普通にチケットを貰ってやって来たが、自分がお金を払っていないことに気づく。慌てて鞄の中から財布を取りだそうとすると、小鳩の手で制止させられた。
「気にすんな、オレが誘ったんだし。それに女の子に払わせられねーよ。だから、大人しく先輩に奢られてろ、な?」
「そ、そうですか。じゃあ、ありがとうございます」
あまりに優しい顔をしていたので、どきまぎとしてしまった。なんだか今日の小鳩はいつもより優しく感じる。いつも優しくはあるのだが、今日はいつもよりやわらかな印象を受ける。ずっとこのままだと自分の心臓がもたない。
「ブッチョ、どうかした?」
「い、いえ! なんでもないです! さ、先輩早く行きましょう!」
顔を覗き込まれそうになったので誤魔化すように常設展の方を指差し促す。今日は気を引き締めなくてはと改めて思ったのだった。
***
まず最初は常設展。。そこには宇宙に関係するものが多く展示されていた。普段は見ることのできないような物が置いてあって楽しい。小鳩はあまりこういうのに興味がないかと思ったが、話を振ればちゃんと相槌を打って聞いてくれたし、おもしろそうな物があると手招きして呼んでくれた。
次に向かったのは、展示ゾーンだ。一面がキラキラとしている万華鏡のような空間。きれいではあるのだが、辺り一面全てがキラキラとしているせいで上下左右の感覚が分からなくなる。そういえば、初めて入った時も何人か頭をぶつけたり転んだりしていた。下手に動いて小鳩とはぐれないようにしなければならない。それは、小鳩も同じことを思っていたようだった。
「はぐれねーようにしないとなブッチョ」
「そうですね、気を付けます」
そう言って、恐る恐る小鳩の後についていく。一歩進むごとに平衡感覚が狂いそうだ。
「あ~、手……いや、やめとくか」
振り返った小鳩が一瞬だけ手を出したがすぐ引っ込めた。
「ほら、はぐれると悪いし、あれだったらパーカーの裾とか掴んでてもいいぞ」
「あ、ありがとうございます。では、遠慮なく……」
やっぱり今日の小鳩は優しすぎる。学園祭でのお化け屋敷の時なんてあんなに手を繋ごうとしてきたのに。言われた通りにパーカーの裾を控えめに掴んだ。それを確認して小鳩がまた歩き始める。これではぐれることはないだろう。ただ引き換えに心拍数がすごく上がった気がする。小鳩に悟られないように平静を装いながら後ろをついていく。
たまに立ち止まって景色を眺めたり、他愛ない話をしていたらあっという間に出口に着いた。掴んでいた裾から手を離す。少し名残惜しくも感じる。
「よし、じゃあ、次が最後だな」
最後はプラネタリアのメインでもあるプラネタリウムの上映だ。これだけは前回来た時も体験していないのでちょっと楽しみにしていた。時間を見れば、ちょうど次の上映までの時間には間に合いそうだ。このまま三階のドームシアターまで向かうことにした。
***
真ん中にそびえ立つスペースシャトルを眺めながら歩いていると、程なくして三階にたどり着いた。前に来た時と同じように不可思議なフィギュアが並んでこちらを歓迎している。
「なんかここ、あんまりいいイメージねぇよな」
「あ~そうですね……」
ここは、ムーくんと戦った場所であり、初めてブラフマンの姿を見た場所でもある。到底良いイメージなどついてはいない。プラネタリア自体は何も悪くはないのだが。
「逆に今日でいいイメージをつけましょう!」
「そうだな。じゃあ、入るか!」
扉を開き中に入ると、すでに前の方は席がかなり埋まっていた。入り口付近の係員にチケットを見せ、自分たちの席を探す。番号を一つずつ確認しながら奥の方へ歩いていく。見つけた頃には一番後ろの席まで来ていた。周りもちらほらとしか人がいない。
「ずいぶん後ろの席ですね」
「おう。後ろの方が都合がいいからな」
「……なんでですか?」
「ほら、もう始まるぜ」
音楽がかかり、シアター内が暗闇に染まる。なんだかはぐらかされたような気がする。理由は分からないが、案外後ろの方が見やすかったりするのだろうか。小鳩だったらこういう場所もよく来ていそうだし、もしかしたら詳しいのかもしれない。
教えてはくれなさそうなので大人しくプラネタリウムの方に集中することにした。上の方を見上げてみる。瞬間、目前に一面の星空が広がった。先程行った万華鏡のような空間とはまた違った幻想的な景色が目の前に広がっている。都会の方ではこんなにきれいな星空を見る機会はないので圧倒されてしまう。
「きれい……」
「そうだな」
ぽつりと独り言のように呟いた言葉は拾われた。思わず横を見れば、瞳がかち合う。息を吞んだ。なんで。――なんで、そんなに優しそうな顔でこちらを見つめてくるのだろうか。
施設のスタッフの星座の解説が始まる。聞き馴染みのある星座から知らない星座まで。その全てが耳をすり抜けていく。何も頭に入ってこなかった。ただ、ただ、心臓が早鐘を打つ。気付けば勝手に口が開いていた。
「……小鳩先輩、今日やけに優しくないですか?」
「そうか? いつも優しいだろ」
「いや、それはそうなんですけど……」
絶対にまたはぐらかされてる。でも、もう溢れたものは止められなかった。
「そんなに優しくしないでください。私、先輩のこと……」
「おっと、そこまでだぜブッチョ」
ストップ、とでも言わんばかりに小鳩の声で遮られた。言えなかった好きという言葉を無理矢理呑み込む。小鳩の顔つきは先程とは打って変わって真剣なものになっていた。
「そういうのは男から言うべきだろ」
「え、な、何が……」
「ここまで言っても分かんないって、ブッチョけっこう鈍感だったんだな」
全くもって頭が追い付いていない。頭の中ははてなマークでいっぱいになっている。
「話あるって言ったろ」
俯いて膝の上に置いた拳をぎゅっと握った。いつの間にか手のひらはじわりと汗を搔いて湿っている。聞きたいような聞きたくないような、そんな感覚。
「ブッチョこっち向いて」
ただその一言。その言葉には何も拘束力などないのに。優しいけれど、どこか有無を言わせないような言い方だった。俯いていた顔を上げてしまった。真剣な眼差しと混じり合う。視線を逸らせなかった。
「……オレ、ブッチョが好きだ」
時が止まったように感じた。周囲の音が全て聞こえないような錯覚に陥る。解説をするスタッフの声も幻想的な音楽ももう何も聞こえない。
部長は言葉の意味をすぐに呑み込めないでいた。小鳩の言ってくれた好きという言葉が頭の中を反響する。きっと前までだったら分からなかった好きという感情。でも、今なら分かる。分かってしまう。ぽたり、と温かいものが滑り落ちた。
「え⁉ ブッチョどうした⁉」
「あ、あれ? なんで泣いてるんだろ」
意図せずぽろぽろと涙の雫が零れ落ちていく。目の前にいる小鳩が見て分かるほど慌てている。その姿がおもしろくて今度は口元が緩んでしまった。泣いているのに笑っている。傍から見たらきっとおかしな光景だろう。
「ブッチョ、今度は何笑ってんだ~?」
「ごめんなさい。なんか慌ててる先輩おもしろくて、つい」
「……ったく、人がせっかく一世一代の告白してんのに」
まだ溢れている涙を指で拭おうとすると、それより先に小鳩の指が触れた。零れた雫が掬われていく。
「……私も。私も先輩が好きです。小鳩先輩が好き」
ずっと言えなかったこの感情をやっと口にすることができた。小鳩の手が頬をするりと撫でていく。触れられた場所が熱い。
「うれしい」
熱のこもった瞳に見つめられ、さらに顔が火照ったように感じる。心臓がドクドクと鳴る音がやけに耳に付いて離れない。
だんだんと小鳩の顔が近づいてくるように感じる。頭の隅っこでもしかしてと、ある行為が過っていった。流石に今の今でそれはどうなのだと思う心がある。だからと言って拒絶はしたくない。初めてのそれにどうしていいか分からず、ぎゅっと強く目をつむった。
「部長~~~‼ 良かったな~~~‼」
突然の大きな声が静寂を破った。驚いて目を開く。
「わっ! キィ!」
今まで大人しくしていたキィがぬるりと体の中から飛び出してきた。勢いよくこちらに抱き着いてくる。その瞳は薄っすらと涙が溜まっているように見えた。よく状況が分からないまま、抱き着いてきたキィの背中をさする。
「あ~~~ッ‼ オイ‼ 今めっちゃいい雰囲気だったのに‼」
「ごめん、我慢できなかった!」
「コノヤロ~~~‼」
「先輩落ち着いてください! まだ上映中ですよ!」
立ち上がった小鳩をなんとか宥めようとする。後ろの席とは言えど、シアター内は静かなので流石に大きい声を出すと目立ってしまう。案の定前の席の方がざわついていた。なんとか小鳩を宥め、大人しく席に座ってもらう。
「なんだ、コバト。さっきまではかっこよかったのに。いつも通りじゃん」
「お前なぁ……!」
「ちょっと、二人とも」
さっきの小鳩はどこへやら。キィの言う通りいつもの感じである。逆にこっちの方が見慣れている姿なので安心感はあるが。当の本人はと言うと不貞腐れてしまったようだ。
「部長ほんっとに良かったな! でも、泣き出したときはハラハラしたぞ!」
「あはは、ごめん」
「キィ、今とってもうれしい! 部長が幸せそうでうれしい!」
今回のことで一番心配をかけたのはやはりキィだろう。改めてキィのことを抱きしめる。
「いろいろありがとうね、キィ」
「うん! じゃあ、コバトの機嫌が悪そうだし戻るな! あんまり遅くならないようにするんだぞ! 帰ったらいっぱい話そうな!」
最後に保護者のようなことを言い残してキィは私の中に戻っていった。もう一度心の中でありがとうを伝える。キィがいなかったらとっくに諦めてしまっていただろう。本当にいてくれて良かった。
「ブッチョとちゅー……」
キィがいなくなったからか、やっと小鳩が言葉を発した。まだ未練がましく思っているようだ。
「そ、そんなにしたかったんですか? 私初めてなんですけど……」
「エッ⁉ ブッチョ初めてなん?」
「というか、誰かを恋愛感情として好きになるのも小鳩先輩が初めてですよ」
ひどく驚いたように目を見開く。一体小鳩は自分のことをどういう風に見ていたのだろうか。今の表情でなんとなく予想はついてしまったが。聞かないでおこう。
「マジか……それはオレが悪かったな」
「気にしなくていいですよ。未遂に終わりましたし。それに、これからする機会なんていくらでもあるんじゃないんですか」
自分で言った後に少し恥ずかしくなってしまった。ちょっと大胆なことを言い過ぎたかもしれない。そんなことをよそに、本人はえらく食いついてきた。
「エッ⁉ いいの⁉ 手を繋ぐのもハグするのもキスするのもいい⁉」
「いや、いきなりそんなには無理ですけど」
「デスヨネ~……」
分かりやすいぐらいしょぼんとしてしまった。その姿がかわいい、なんて。
「まぁ、その、初めてなんで。いろいろとお手柔らかにお願いします」
「お、おう。改めて言われるとなんか緊張するな」
小鳩は照れたように頬を掻いた。それが伝わってこっちまでなんだか照れくさくなってしまう。照れているのを誤魔化すように映像に目を移す。いつの間にか映像は星空から宇宙の景色へとすっかり変わっていた。
ふと、昨日のことを思い出した。
「そういえば昨日の子とはどうなったんです?」
「あ〜、ちゃんと話して断ったよ」
「そうですか。……小鳩先輩はあの子のこと好きだったんですか?」
ずっと聞きたかったこと。でも、怖くて聞けなかったこと。一瞬だけ逡巡した後、返事が返ってきた。
「別に好きではなかったかな。かわいい子ではあったけど」
かわいい子。かわいいとは思ってたんだ。ちょっとだけ嫌味を言ってやろう。
「ふ〜ん。まぁ、私と違ってかわいい子でしたからね」
「ブッチョ何? もしかしてヤキモチ妬いてるの?」
逆にニコニコとうれしそうな顔をされてしまった。そんなところに追い打ちをかけるようにもう一つ付け加えた。
「なんなら駅前でナンパしてるときからですけど」
「え……見てたってこと⁉」
「ええ。ばっちり見てましたよ。キィと茉莉絵と」
「キィどころかマリマリまで⁉ なんで言わなかったんだよ……いや、普通言わないか」
「こっちはそれどころじゃなかったんですからね。先輩のせいで」
「あ〜! だからオレのこと避けてたってことか? じゃあ、やっぱ昨日のも?」
「そうですよ!」
そう伝えると、先輩は口元を手で覆って隠してしまった。不審に思って顔を覗き込んでみると、指の隙間から見える頬が赤く染まっていた。
「そんなのかわいすぎんだろ~今絶対ニヤけてるわ……」
それを聞いて、部長もまた真っ赤になるのだった。
***
長かったような短かったような。終了を告げるアナウンスが流れ、ついにプラネタリウムの上映も終わった。灯りがついて、暗闇に慣れていた目にはチカチカする。上映中にいろいろあったせいか、その内容のほとんどが頭に入っていないのが唯一の心残りであった。
「終わっちゃいましたね」
「そうだな。なんか、ほとんど見れなかったな」
先に出ていく人たちをぼんやり眺めながら話す。二人とも中々立ち上がれないでいた。ほとんどの人が出て行ったとき、やっと小鳩が立ち上がった。
「それじゃ、オレたちも帰るか」
「名残惜しいですけどそうですね」
もっと、見ていたかったなと思う。それは、純粋にプラネタリウムが見たかった気持ちともっと小鳩と一緒にいたかったという気持ち半々だ。この気持ちを察してくれたのか小鳩が言った。
「……現実に戻ったらさ、また行こうぜ。プラネタリウムだけじゃなくてさ、いろんなとこ」
「現実に戻っても会ってくれるんですか?」
「当たり前だろ」
現実での姿がリドゥでのこの姿と一緒とは限らない。幻滅させてしまうかもしれない。部長はそういう風に思っていた。だから、小鳩がこう言い切ってくれてうれしかった。
目の前に手が差し出される。
「今度こそ手繋いでもいいか?」
「ふふ、どうぞ」
それの上に自分の手のひらを重ねた。自分とは違う、大きくて骨ばった手。あまりにも自分のものとは違う感触に、小鳩も男性なのだなと改めて感じた。
「青春始まった感じするわ〜」
部長の小さな手を握り、幸せを噛み締めるように小鳩が呟いた。部長もそれに応えるように握り返す。
「それは、良かったです。でも、きっともっと青春できますよ」
「そうだな。いろんなとこ行って、いっぱい遊んで思い出作ろうぜ。あと、ブッチョの知らないとこもいっぱい知りたい」
「私も小鳩先輩のことたくさん知りたいです」
たくさん知って、もっと好きになりたい。そう思える人と出会えると昔の自分は思っていなかった。そう考えるとリドゥに来たのも悪くなかったと思える。
もう、今頃外は真っ暗になっているだろう。星は見えるだろうか。先程のプラネタリウムの映像とまではいかないだろうが、きっときれいな星が瞬いているのだろう。まず、出たら小鳩とそれを見ようと部長は思った。そして、いつか現実での星空も。
その日をいつか夢見て、部長は繋がれた大切な人の手をまたぎゅっと握ったのだった。
ライラックの花言葉
『思い出』『友情』
紫『恋の芽生え』『初恋』
白『青春の喜び』『無邪気』