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黒龍騎士団

「先程の歌はどこのものだ?」

「え」

不意な質問に?が浮かぶ

「風と共に聞こえた声だった。ドラゴンは本来人に懐く事はない、ましてや主以外近づけば怒り狂う生き物だ。それなのにお前の声を聞いた途端、ワイバーンは自らこうべを垂れた。」

今まで必ず目上から喋っていたアスランが片膝をつき視線を合わせる

体が何故か強張る、逃げるなと瞳で訴えられているようだ

アスランはシルスの頬に手を当てる、それは優しい手だった。
「お前は何者だ、シン」



漆黒の髪に真っ直ぐな瞳でアスランは俺を見た
ああ、なんて・・・
「綺麗で優しい瞳だな、ワイバーンの瞳と似ている。貴方も本当は優しい方なのかもしれませんね」

「っ」

突然の言葉にアスランは驚きを隠せない表情
それを見た瞬間、シルスは心の声を言葉にしてしまったのだと気づいた。思わず頬を染める

「ご、ごめんなさい、変な事を口走りました」

「、、、いや」

アスランは立ち上がり口元を隠すように手で覆ってそっぽを向いた

あれ?急にどうしたのだろう?
それになんか彼の顔が赤いような

そんな時、城内側から俺を探すイルの声が聞こえた。

「あの、では私はこれで失礼します」

「ああ、そうだな」

今度は素直に帰してくれるアスランの様子に安堵し俺は城へ駆け足で走った


この時アスランは少年の姿を記憶に灼きつけるように去っていく姿を見続けていた。






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