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黒龍騎士団


顔が、息が、、、熱い


総団長室を出た後一心不乱に城内の廊下を逃げるように走った。やや息遣いが荒くなる

触れられた手首にまだカイルの熱を感じる

「あのドスケべ総長っ」

冗談だとわかっていても整った顔であんな目で見られたら男の俺でも気恥ずかしく感じてしまう

「てっ、、、あ、中庭まで来てしまったのか」

足を止めた時、シルスは初めて自分がいる場所を理解した。王城の中央にある広範囲な中庭

普段騎士団達が使用する訓練場や宿舎は東側にあるため滅多に立ち寄る事はない
だが四季に応じ様々な花や木々がみられ、庭とは言い難い広範囲な芝生があるこの場所が好きだった

「久々にきたな」
先程の事など忘れたかのように乱れた心が落ち着いていく
だがそんな中、、

・・・? 、この気配は、、。

シルスは花壇を抜け草原が広がる庭先に出た

ああ、やはり、、

黒騎士騎士団のドラゴン達が身体を休めているのが見えた。
十数体はいるであろう中に通常の倍以上の大きさを持つドラゴンがいた

あれは、たしかアスラン団長のドラゴン、、、


あの時は敵意むき出しだったのに、今は気持ちよさそうに草原の上で羽を休めていた

シルスは静かにドラゴンの元へ歩み寄る

ドラゴンはただ此方の様子を伺うように見ていた。だがその瞳に怒りはなかった

「本当はこんなにも穏やかだったんだね」

ドラゴンは本来気性が荒く人間に懐く事はなどない気高い種族だとイスラさんは言っていた
だが彼らは人間と共に生き同じ時を過ごしている。仲間や家族のように、、、






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