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黒龍騎士団

思わず強張る身体、反論も拒む事さえ出来ない。いつもと違う、、何かこわいっ

「カ、、イル もう許してっ」

絞り出した一言にカイルは動きを止め、こちらを凝視する
一瞬掴んでいた力が弱まったのを感じたシルスはカイルの手を振り払い逃げるように総長室を出ていった。


ーカイルsideー

シルスが出ていった後、カイルはタバコを取り出し天井に向けて大きな煙を吐き出した

「チッ、ガキが色気出した表情しやがって」
悪態つくも当の本人は既にいない

「あれから2年か、、」

当時たまたま周囲の視察のため訪れていた王都の城下町
騒動を聞きつけた俺は初めてアイツを見た

銀色の髪に蒼い瞳の容姿をもった小僧
どこから来たのか、名前すらまともに言えない、不安なのか潤んだ瞳でこちらを見る様子にも関わらず俺は不意にも目を奪われた

アイツが突如意識を失った時、誰よりも早く抱きしめていた
それは無防備で華奢な身体だった

あれから2年、身なりとは違い口を開けば生意気なクソガキで予想外に振り回される事もしばしばでその度にシルスに雷を落としていた

今回もその一端に過ぎない、、、、はずだった



誰もが目を惹く風貌、加えてアイツの実力を知れば手の内に収めたいという国や領主は腐る程いるだろう
まぁ、別の意味で欲しがる奴も多いがな

予想をしていなかった訳じゃない
それなのにあの隣国黒龍騎士団長がよりにもよって"アイツ"をほしいと言ってきた



」、、、クソっ」

ガチャ
カイルが再び悪態をついた直後、シルスが出て行った扉が開きイスラが入ってきた
どうやら近場で待機していたようだ。

「あまりいじめちゃだめだと言ったでしょうに」
「うるせぇ、あんな声で鳴くアイツが悪い」

カイルはまた不機嫌そうにタバコを吸う
イスラはクスクスと笑う
「そんなに可愛いのであればもっと優しくしてあげればいいのに」

「アイツで遊んでいいのは俺だけだ」
カイルの発言にやれやれとため息をこぼすイスラだった

「さて、これからどうなることやら、、ですね」



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