黒龍騎士団
「俺の隣まで来い」
「・・・はい」
ゆっくりと重い足取りでカイルが座っている総長椅子の隣まで来た
会話がない、、、。
総長はおもむろにタバコを1本何処からか取り出し吸い始めた
その間も此方を見ようとしない
、、、本当に怒ってる、、、
2年前に総長に拾われ様々な教えをこの人から学んだ。だが性格なのか、自分自身ルールに縛られる事が嫌なのもあり時に条件反射で物事を図る事もあった。
その度にこうしてカイルに怒られていた
カイルは普段部下に廊下まで響き渡る程大声で怒鳴るがそれは本物の怒りではない。
こういう物静かで何考えているか相手に悟らせない今が彼の1番イラついている証拠
それを知っているからこそ下手な言い訳は出来なかった。
「あ、、の、、心配をかけてすいませんでした。」
空気感に居た堪れず、俺はカイルに向かって頭を下げた。
「総長からの教えを守れなくて、本当に、、っ痛、わっ」
迂闊だったのかもしれない
突然右手を引かれ思わず顔をしかめた。
タバコを口に咥え俺の右手を捉えたカイルは団服の袖を上げた
「やめっ」
俺は慌てて手を自分側へ引こうとするがカイルの手はピクリともしなかった
袖口を上げた際、俺の右手首がやや熱をあび腫れ上がっているのが見えた
カイルは終始眉を寄せ不機嫌そうに言った
「捻ったか」
「、、、はい。」